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小学校の先生からの質問に答えてみた

キレイなデータであふれた社会に、どうも、めぐもりです。

今日はこんなご質問に回答していきます!(公開しないほうがよければ、こっそりDMください!Twitterアカウント @megu3mori8)

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はい!あまり知見はないですが、可能な範囲でお答えしていきます!

まずはじめに

まずはじめに、小学校の先生で、あまり相談できる人もいない中、話してくれてありがとうございます。私も大学時代は教職の授業を最初の頃は取っていて、友人にも何名か先生をやっている人がいます。中でも小学校の先生は人数も多く、発達段階もまばらな集団を取りまとめる、とても大変なお仕事かと察します。私はその業界について詳しくないですが、常に相手にするのは少し大きくなり始めた子どもたち。同僚といえば数えられるくらいの人数の同じ学校の先生たち。考えただけでもすごいお仕事だなと思います。直接私が関わっているわけではないですが、社会を支えるために、いつもお勤めいただきありがとうございます。

コミュニティマネジメント課題

ご質問いただきありがとうございました。大変勉強になりました!

今回の問題について考える上で重要なのは、一定の情報量が共有されていないコミュニティはコミュニティとして成立しない、という点だと感じました。

ご質問者様が抱いた違和感、生徒の距離感も、もしかしたらこのようなところが関係しているのではと感じています。

Social physicsの書籍でも、そのコミュニティにおける情報伝達がどのようになっているか、可視化することからマネジメントは始まる、的なことを書いてあったと記憶しています(違ったらごめんなさい。。。)[1]

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この辺の図がわかりやすいかもしれません、書籍内では数式でもわかりやすく説明してくれているので、興味がある方はぜひお手に取ってみてください。[2][3]

今回の場合、教室内の情報量を可視化したらどんな感じになるでしょう。

条件A: 点数によるセグメント
70点以下の補講を受けるグループA
70-90点の特に何もないグループB
90点以上の小5の内容を知っているグループC

条件B: 課題提出率によるセグメント
例えば、
達成率60%以下のグループⅠ
達成率60-80%のグループⅡ
達成率80%以上のグループⅢ

上記の2つの条件により、9通りの集団が形成される可能性があります。

条件Aは知識量の差、条件Bは関わる時間の差が生まれるかと感じます。

さらに条件Aと条件Bは完全に独立した関係ではなく、何らかの関係性が生じる。もしそうだとしたら、例えば点数が高いCと達成率が高いⅢの層が近いとする、中間層もいなく、実質教室内が2分されているとすると、これはコミュニティ形成がしやすい状況であるとはいえない可能性があります。

じゃあ、これが間違っているかというと、そうではないと思います。

なぜかというと、これらの同じグループに属する人たちは、もともと持っている情報量が近い可能性が高いためです。

彼らが、もし仮に、グループC内での会話の方が実際に弾んでいて、それはこのような制度により見える化しなかったとしても、顕在化していないだけで実情は存在する集団である可能性が高いです。

重要なのは、これらの多様度をどのようにマネジメントしていくかという非常に難しい課題であると思います。

インプット:アウトプットの黄金比

そこで、私がご提案したいのが、インプットとアウトプットの黄金比としてあげられる3:7という数字を使ってみる方法です。

これはどのように使うかというと、私はこのインプットとアウトプットの黄金比には隠れた3:3:4という数字があると考えています。

インプットは当初通り3、自分の知りたいことを吸収します。

一方、アウトプットは分解します。3は純粋に自分のアウトプットを行います。ただ、4は特に相手とのコミュニケーションが多く発生する場所で、インプットに繋がるアウトプットを行います。

3:7の比率だと、誰かがインプットアウトプットの比率がよくない状況になってしまう可能性が高いですよね。2人で話している時なんかはまさにそうです。ただ、上記のような捉え方をすることで、しっかりと3:3:4で全員しっかりとインプットとアウトプットができている状態になると考えます。

今回の教室で起きているのはこの4、全体の40%を占める、共有付きのアウトプットが少なくなっているのではないかと感じます。

例えば、現在やっているテストは共通である、しかしここに使う時間は数分である可能性が高い。重要なのはどれだけの時間をかけて、どれだけの情報量を彼らが獲得しているかという点です。

ここの時間を増やします。例えば、小5の問題を与えている時間の時間とそれに伴う情報量が多すぎると感じたのであれば、よくできる人たちができていない人に教えてあげる時間を一定数設ける、なども良いかと思います。違うグループ同士が関わる時間ができます。

ただ、できていない人は勉強していないのにずるい!といった反論が上がる可能性は拭えません。そこで提案したいのが、優秀層に対して、小五の問題にいく前の、他の人にちゃんと説明できるか、というテストを課すということです。この階層を設けることで、両者の納得がいくような形で極力この先生がもともとやりたいと感じていた施策を実行することができるのではないかと思います。

国により教育制度はまちまちでありますが、個人的なとっても主観で捉えると、ここの飛び級制度が進みすぎている地域では、ここの格差が広くなっている印象があります。

逆に、日本のように、横一列の制度のもとでは、一部の中学受験などの隔離特殊制度を使わない限り、本当はできる人たちのやる気がなくなり、大手企業にありがちですが、何となく日々を過ごすという結果に至ることもあるかと思います。これは何となく過ごす日々はいいのですが、そこの選択に個人の意思決定する機会をどれだけ入れることができていたのか、という点を考える必要があると思います。

なので、ただならせばいいという訳ではなく、それぞれの割合を持たせて、人には得意不得意があって、集団で何を作っていけばいいのか、というのを考える機会を与えてあげたら素敵だなと思います。

違うことを、同じにすることが平等ではありません。違いについてはそれぞれが伸ばして、それを恥ずかしがることなく、奢ることなく、探求できる場所は必要です。ただ、共感するための機会、そのスタートラインに立つための、情報量の均一化、コミュニティにおける情報量のマネジメントは確実にやっておいて損はないことかと思います。(お忙しい中恐縮ですが。。!)

決定権を持つステークホルダーを巻き込む

上記のような取り組みをやる場合、もしかしたら、それを補完するような総合学習の時間が必要となるのかもしれません。

総合学習の組み立てなどはやったことないので、あまり良くないかもですが、、!パッと思いついたアイデアだと、

1) まず、生徒さんそれぞれの強みを洗い出してみる。ここは自分で出せない子もいるかもしれないので、それぞれで出しあうとかでも良いかと感じます。

2) その次に、自分がやりたいことを書いてみる

3) そのためにこんなことができる仲間がいたらいいなというのを書いてみる

4) そのあと、このチームだったらどんなことができそうか、というのを、何タームか想像して、絵に描いてみる、というようなことをしてみる。

みたいなことができたら良さそうだなとふと思いました。

こういう動きをするために、ぜひその若い先生から直接校長先生など決定権を持っている人を巻き込んでいけたらいいなと思います。

そうすることで、お互いに理解し合おうとしている意思表示ができる気がするからです。

外部環境を巻き込む

以上のような動きができたら、他にもこれらの活動に協力してくれる企業や団体などがあると思うので、そのようなところと連携してみても面白いかもしれません。

もちろん一つ前や、この辺になってくると、特に現場じゃそこまで余裕がないよ!というところが多いと思うので、「一般人はこんなこと考えるんだな、、」程度に聴いていただけると嬉しいです。。!

外部を巻き込むことの何がいいかというと、教室内だけで上記のようなシステムをいくら作っても、先生は生徒さんを評価しなければならないですよね。

「評価」という仕組みが入ってしまう以上、いくら「これは多様性なんだよ」と伝えても、優劣や上下のようなものを感じてしまう生徒さんや親御さんはいるのではないかと思うからです。

一方外部であれば、より多様性でしかなく、それぞれの強みがあるということを感じられる機会が増えると感じます。

最初は取り組みとして大変かもしれませんが、もしかしたらもっと協力してくれる人が見つかる分野もあるかもしれません。

小4の時のアイデア創出機能付き漢字テスト

私ごとですが、自分も小学生の時にステキな先生に出会いました。

漢字テストが早く終わったら、テスト用紙の裏になんでも描いて良くて、かけたら先生がコメントをくれるんです。

小学校4年生の私にとっては、それが本当に嬉しくて、毎日毎日、アイデアを、発明を考えるので必死でした。アイデアを伝えるための時間を増やすために、漢字テストをすぐに答えられるための漢字練習は怠らなかった気がします。

今思うと、私が今、新規事業開発や日々の挑戦をできるようになったのは、この先生が大きく関係している気がしています。

何歳になっても、この先生のことは忘れないですし、私が将来子どもさんと関わる機会があったら、そんな人でありたいなと強く思っています。

今回の課題にこれを重ねるのであれば、もしかしたら、漢字テストができる人だけ優遇して、よくない制度、とすることもできたかもしれません。でも、違う人がいることは、お互いを尊重し合える機会があればいいと思うのです。そういう機会がもっともっと増えたらいいなと思います。

試行錯誤の家庭教師

ちなみに私も大学生の時は小学生の家庭教師をやっていたことがあります。当時はどうやって教えていいのかわからなくて、近所の割と大きい本屋さんの小3に関する本棚は全部目を通してました。新しい本が入っていないかチェックも怠らず!心理学や社会学、障害学など関連しそうなものは全部読んで、気になった部分は違う学科の教室に聴講で勝手に入って、授業後にその領域で権威のある先生に突撃していろんな面白いことを教えてもらっていました。今考えたら本当に贅沢な時間でした。

その時感じたのが、小学校3ー5年生は、本当に難しい年代であるなということです。自我が目覚め始めて、初めてコミュニティをしっかりと認識し始める。私がチャットにハマったのもその頃でしたww

この先生が行なっているその子にあった教育を届けてあげたい、というのも、自分で環境を整えられるようになってくる中学校だったらもっと違うやり方があると思います。

ただ、これからコミュニティを認知していく段階の子供達にはもしかしたら、もう少し良いバランスを作っていけるかもと思います。

議論が生まれるステキなアイデアと職場

私はご質問者様と異なる分野、ITエンジニア領域で仕事をしています。そこで、事業開発をやるときに聞いたことがあるのですが、議論が生まれるアイデアは素晴らしいアイデアである可能性が高いということです!

そして、その議論ができるチームは何にも代えがたい、新しいものを作っていけるチームであるとあります。

その若い先生も、そしてご質問者様も、子どもたちのことを本気で思うからこそ、このような議論が生まれ、新しいものが今まさに生まれようとしているのだと思いました。

日本の公立小学校に、こんな素敵な学校があることをしれて、私は今嬉しいです。関わる方が一人でもさらに笑顔でいられる良いアイデアへと昇華されていくことを祈っております!

おわりに

匿名での質問機能のため、先方の状況についてイメージしきれない段階でのご回答となったこと、ご容赦ください。きっと、実際の現場はもっと大変で、そんなこと言ってられないよ!!ということがたくさんあるのだと思います。何かの参考になれていたら嬉しいです!

あまりよく知らない分野の話だったので、忌憚のないご意見をお待ちしております!コメントお願いします〜!

【参考文献】
[1]Social physics, MIT news
[2]ソーシャルキャピタルを学ぶ, Slide Share
[3]ソーシャル物理学: 「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学, 草思社


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