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オンライン予約システムどれにする?

アメリカの非営利団体で中小企業運営のビジネスコンサルティングをしながらヨガを教えています。
ビジネス英語、アメリカでの起業、商習慣の相談・質問、絶賛受付中(笑)

世の中に溢れるオンライン予約システムサービス。

家庭教師であれ、カメラマンであれ、ネイリストであれお客さんが予約をする時の必須アイテム。これから導入するフリーランサー、事業者の方へのどれを選ぶかのヒントをお伝えします。

※今回はNY郊外にある乗馬場を運営する女性経営者のサポートを通じての気付きをまとめたいと思います。

こんな方にオススメ記事

一人で事業を回しているのに、
😥客様からの予約やサービスの電話やメールが頻繁にあって作業が中断
😥電話が取れなくて、予約や顧客獲得のチャンスを見逃したり
😥メールボックスが未読だらけで収集がつかない
😥予約受付対応の人を雇う余裕なんてない

あ、そうだ💡
予約受付システムを導入することで格段に事業の効率化が進む。
そんなことはわかっているけれど、
どこから手をつけていいのかわからないという方と私の経験をシェアできればと思います。

また、事業主視点から、こんな問題があるのに既存のサービスでは対応できていないという問題点も

アメリカでの事業主の例ではありますが、日本の事業主の方にも応用できます。

1. サービス比較サイトでプロバイダーを検証

まずはとっかかりで、どんなサービスがあるかわからない時に便利なのが、Get App(ゲットアップ)。
星の数ほどもあるアプリやサービス。デジタルネイティブの経営者であれば、ちょいちょいとできることも、『何を選択するか』という第一歩もテクノロジーに少し疎いと、なかなか敷居が高い作業です。それを手助けしてくれるのが、このGet App

自分の必要サービス:労務管理、スケジューリング、マーケティングなのかを入れて、アプリを抽出。

さらに
*事業サイズ
*運営場所
*価格設定
等の条件設定をいれると絞り込みでアプリを提示、
気になったアプリを比較してくれるサービス。

今回ブッキングサービスの比較として、絞り込んだアプリ群はこの4つ。

*Acuity Schedule
*Sawyer
*Calenarly
*Peekpro

2. 何をしたいか確認

乗馬場経営者はすでにペイメントサービスであるSquareやブッキングシステムのSaywerの営業からアプローチを受けていました。
顧客のインテイクのワークフローが確立していないため、
まずは現状の作業をリスト化することに。

<現状> 
*プライベートレッスンのチケットを売り事前にクレジットカードやペイパル、Venmo(ベンモ)で支払い。
*生徒は乗馬場に電話をし空き状況を確認し、
*乗馬場はグーグルカレンダーで管理されたカレンダーを見て、
レッスンを予約。
*レッスン当日、新規生徒は利用規約(Waiver)にサインをし、体重・身長を記入した上で
*乗馬場はスキルにあった馬を準備する。

この作業をざっと見ただけでほとんどのことがブッキングアプリで対応できることが垣間見れます。

この経営者にまず必要な機能、何がしたいのかを軸にアプリをさらに絞り込み込むことにしました。

<期待する機能>
*どのディバイス(iPhone・PC)で使えるか
*どんなサービスがあるかの提示(サービスディスプレイ)
*支払機能(Square クレジットカード)
*利用規約の取得
*顧客からの情報
*営業時間内の自由な枠での予約
*レッスン数のトレンドの把握
*チケットの残数の管理
*カレンダーの管理
*顧客情報の収集 (将来のマーケティングに備える)

使い始めてこれらの機能がプランに含まれていなかった場合、
また新たなサービスに移行しなくてはなりません。
期待値をしっかり洗い出し、後々のインテグレーションを避けるために
使う前にやりたいことを把握することが重要だと感じました。

一番大事な要素は携帯からの予約管理ができること。
経営者は普段から携帯での作業はレスポンスが良いのですが、パソコンベースとなるとハードルが上がるようでした。


Sawyerは無料トライアル期間がなく、2月中に契約すれば通常月額190ドルするところ122ドルに割引すると営業されました。

Calendlyは機能的も必要最低限揃って月額8ドルでした。魅力的な金額です。
ところが、CalendlyもSawyerと同様、携帯でのアクセスがなかったのです。

PeekProは営業時間内に自由に予約を入れることができず、
プログラム時間を固定することが前提。そうすると、9時00分からの営業の場合に9時15分に予約を入れることができなくなります。
今できることができなくなる不便さは顧客離れにつながります。

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3. お試し期間のあるサービスを試験

結果、
期待する機能をよりまずは、7日間の無料トライアルでAcuity Scheduleを試すことに。

実際に触ってみると、操作の仕方もわかりやすく、
サービス内容や価格がテンプレートで示されます。
何を入れなくてはならないか?
どのようにサービスをディスプレイするのか?
利用規約はどのタイミングで入れたほうがいいのか?
どんな情報を入れたらいいのか?

ということが作業中にクリアになってきます。

4.サービスの棚卸しの機会

この経営者さんは、
思いつくがままにサービスやプログラムを生み出して、
多様なフォーマットでウェブサイトに掲載していました。
どんなサービスなのかがわかりづらく
ウェブサイトを見ただけでは予約もできないので、
結果的に電話をかけてきたり、メールで問い合わせをする顧客が多かったようです。

ところが、メールも携帯も担当がいるわけではないので、溜まる一方。

今あるサービスを書き出して、4つほどのカテゴリーにまとめ
何を
いつ
いくらで
提供するのかを整理することで
サービス内容や価格に対する質問を減らすことを目標に掲げました。

5.サービスの価格決定

サービスが整理されると、
時間とリソース(馬・人件費)によって
価格の設定をしやすくなります。

これまで、同業者の価格設定を睨んで、ある意味肌感覚でつけていた価格。
コストと収入の関係が価格に反映されていませんでした。

マーケットから安価に設定されたレッスン。
既存顧客との関係性も睨みつつ、
過大にかかった餌代を削るなどコストカットもはかった上で、
適正価格に修正することにしました。

6. 簡単KPIの設定

オンライン予約受付システムの導入で、
価格 X レッスン数
売り上げを管理する土台が整いました。

今は紙ベースですら管理されていない顧客数。
予約をオンラインでするように誘導することで
自然とメールアドレス電話等の顧客情報がリスト化されていきます。
次のステップで

顧客数

をモニターすることができます。
これまで思いつきで動いていたビジネスを

KPI (Key Performance Index)

レッスン数の向上
顧客数の向上
リピート数の向上

に基づいて 予測と目標を持って運営していくこができます。

オンライン予約システムを導入するメリットは
単純に予約に関わる作業効率をあげること
だけではなく、

経営管理にも役立つこと

を今回の経営者様に伝えることができました。

7. 気づき

毎月いくら稼いで、毎月いくら返済・支払いをしなくてはならないか?

この質問に答えられない
私たちがサポートする経営者・事業者の方が、
たくさんいます。


サービス提供能力は非常に高く、
創業時は非常に多忙で全体が見渡しづらい、
もともと経営の基本は専門分野ではない

からです。
考えてみると簡単なことなのですが、
自転車操業になりがちな創業時、
「オンライン予約」導入というきっかけでカオスになりかけていた
ビジネスを
整理することにつながりました。

このお話がどなたかのお役にたてばと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。😊

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