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煙草の話
ただ酔っていたかった。
それが何かなんてどうでも良かった。
たまたま煙草だっただけで、なんでもよかった。
絵を描くのは好きだ。
だけど、絵を描くのはしがみつくためで、素面で鬼畜の所業だ。
友達も女にもあの瞬間からそれは何にも見えなくなった。
それを忘れたくて酔いたかったのだ。
スポーツとかも最後は一人になることを知った。
夢は醒めることを知った。
何も無かった。
だから、火を点けた。
吸った。
臭かった。
そのまま煙になれたら、と思った。
「臭い」「キモい」「ダサい」沢山言われた。
好きだった友達に言われた。
良かった。吸う前と大して変わってないか。
いつもどおりだって思った。
煙草が嫌いな人は沢山いる。あの人もその一人だ。
自分から離れていくのだろう。
辛いが、穏便な選択だった。
人は何かに酔いながら生きている
誰の言葉だったろうか。
仕事、恋愛、趣味、色々。
あてはまらなかった。どこにも。友達も友達に見えなくなった日から、その時間が友達との時間ではなくなった。 百害あって一利なし いや、この文章が生まれた。この気持ちが生まれた。絵も生まれていくだろう。
一利ないものなんてこの世には存在しないはず。
そう信じている。
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