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Crate & Barrel のバターケース

長年使っていたバターケースが先日割れた。

バターケースというのは、各家庭に
持っているひとと持っていないひとがいるだろうけど

わたしはバターを食べなかったヴィーガンの時期でも

同じバターケースをかなり長い間愛用していた。


日本には、乳製品を食べないとなると、バターのように使うものは

マーガリンというチョイスしかないが


アメリカでは、マーガリンと化学調味料に関しては

日本とは比にならぬくらい忌み嫌われている。


忌み嫌われているということはそれ以外のチョイスもたくさんあるわけで、

Vegan向け、乳製品を摂らない人間にとっても

オリーブオイルでできた固形のバター的な油や、
それぞれ植物性の油でいろいろ健康に良さそうなバターじゃないバターが

スーパーに並んでいる。



わたしがいつも、バターケースに入れて常備するのは

何のためかというと、ガーリックバターなるものを

バターでもバターじゃなくても常備し、


それを朝「甘い」気分じゃないときにパンに塗るのである。



バターケースというのは、そのまま四角いバターがぴったり入るサイズのものが主流である。

日本だと、それはプラスティックでできていたり、ガラスでできていたり

おしゃれな木の蓋がついていたり、
いろいろだろうが


わたしはそれが、大嫌いだ。


ケースというのは本来、取り出しやすくて扱いやすくて、

毎回出しても負担にならないことが目的であるはずだ。


それなのに、


「バター一個をそのままボーンと入れる」ための容器だったら、

大きすぎるし、扱いづらくて

何よりサイズ感自体が野暮ったくて仕方ない。

それを、陶器とか木とかでおしゃれなデザインにすればするほど、

その「大きさ」という野暮ったさに比例して、ダサくなる気がする。


まあここがヨーロッパかどっかで、フランスの片田舎で
どしっとした陶器の、花の絵が書いたようなバターケースが似合うような土地であれば話は別だが、



上記のようなどしっとしたバターケースは、冷蔵庫から毎回出したりするものではなく、

乾いた冷たい気候の土地で、そのまま戸棚やテーブルの上に

置きっぱなしで出しっぱなしでこそ、まあ情緒があるのである。


日本や台湾のハエがぶんぶん飛んでいる土地で、

バターを外に出しっぱなしにするということはほぼありえないし、


毎日毎日大所帯でバターを消費する家庭であれば、


それはどんどん減っていくため
容器の素材はさておき
サイズ自体はそのくらい大きくて問題なかろうが、

わたしはその、例のガーリックバターを毎日毎朝パンに塗るわけではなく、

ひとりぐらし(またはバターの必要ない小さな男児とふたりぐらし)、

時々とりだして、朝ガーリックトーストを楽しむ程度であった。




ということは、確かに


そもそもバターをそのまま入れるための容器は必要なく、

何か別の小さめの入れ物に、作ったガーリックバターを入れておけばいいじゃないかと思われるかもしれない。

小さなタッパーや、小型の気の利いたセンスの良いガラス容器は

巷にもちろん売ってはいる。


でも、わたしの入れたいものは、バターであった。


わたしがその、小粋な容器に入れたいのは、バターのときも、バターじゃないバターのときも、


常温にしてやわらかくなったときに

塩とガーリックとパセリのみじん切りをそこに混ぜて、

ほくほくしながら冷蔵庫に戻す、


ガーリックバターなのである。



バターを入れるのは、バターケースであってほしい。


そんなめんどくさいわたしの願いを叶えたのが、


ある日たまたまふらり立ち寄って、いつも通り物色していた

Crate& Barrelという大型の家具・雑貨店で見つけた、

小ぶりのガラスの

「バターケース」であった。


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