「大丈夫」と言われて大丈夫じゃないことは、わたしが一番よく知っている。(女神の告白室)
”大丈夫””大丈夫”
と、無責任なことをいうのが嫌だった。
ずっと。
だって、そんなの全然、大丈夫じゃなかったから。
そんなとってつけたような言葉をかけられたって、
わたしは全然、出口を見つけられなかったから。
どんな心理学書を読んでも
どんなヒーリングを受けても
セラピーを渡り歩いても
カウンセリングに毎週1年以上通っても
わたしは、
生まれた時から苦しかったし
何も、変わらなかったから
だから軽々しく、「だいじょうぶ」なんてことは、絶対に、
言えなかった。
○
女神の告白室という、悩みや懺悔や日々の報告を受け付ける場所を開設して
しばらくが経つ。(宗教とは一切関係ありません)
それはいつかずっと、24時間駆け込めるお寺のような
いつでも困ったときにそばにある、
そんな場所になりたくて
以前コンスタントに個人のセッションを受け付けていた時には
「救急課」と称して
「苦しい時にいつでも連絡をください」と
しつこく、謳ったものだった。
個人セッションの枠を大幅に減らした2017年の春。
新しいことに向かって進むために、
「書く」ことで今後生活をしていきたいと真摯に思ったタイミングで
これまで自分を支えてくれていたほとんど全てを手放した。
それはセラピストとしての仕事も含まれていて
自分をこれまで頼りにしてくれていたひとは、
どうなるんだろう
と勝手に責任を感じてわたしはもがき苦しみ、
それでもスペースを作らねば前に進めなかったので
泣く泣く決断に至った。
「駆け込み寺」を正式に開設しようと
そう思ったのは、
それからしばらく経ったあとで
これまでも、もちろん
直接メールをいただいたり
苦しいときに問い合わせがあったりしてきたけれど
より、多くのひとに
特にセッションを受けたことがないひとでも
ただ、「聞いてくれるひとがいる」という場所に
楽に投げ込めるようにと
そんなわたしの長年の願いが、こもっている。
実際は、
悩みや苦しみをただ吐き出したところで
きちんとしたプロセスを踏んで実際に感情や
トラウマになっている部分を解放していかなければ
いつまで経ってもその苦しみから逃れることは、できない。
女神から、(大丈夫大丈夫)と言われたところで、
その瞬間だけはほっとするだろうが
結局はまた同じ場所に戻り、
苦しみの渦に巻き込まれるだろう。
ポジティブなことも、ネガティブなことも
無作為に投げ込まれるときに
わたしの消費する時間やエネルギーが一切かからないかといえば、
当然そんなことはない。
セッションをお申し込みいただいてきた時は
それはきちんとした報酬という形で受け取ることができるので
それ相応の時間もエネルギーも割くことができるが
告白室では
ひとりひとりに丁寧にお返事や、現実的な対処の方法を
お伝えすることはどうしても難しくなってくる。
必要なことは、必要なタイミングで起こるようになっているもので
もちろん時と場合によるけれど
メッセージをブログに取り上げて
そして
「大丈夫」
とひとこと添えるだけ。
わたしは、何がしたいのか?
過去の自分だったら、
そんなことは本当に意味がないから
そんな中途半端なことをするくらいなら
しっかりお金をとって確実に幸せになれる道にいけるように
するべきだと
そう思ったに違いない。
でも今、自分にできる限りのことを、最大限やっていこうと思う中で
この女神の告白室は
きっと、多分必要なひとにとって
ちゃんと、意味のある場所になっている。
過去の私に向けて
「だいじょうぶ」
と声をかける。
それは、本当に「どうやってどうしたら、大丈夫なのかを教えてよ」
という返事が来そうなものだが
それも含めて
今、ようやく
「だいじょうぶ」だと思えるのだ。
極限にまで活動を減らすために
セッションの枠を限っている現在だが
この先もう少し他の活動が落ち着いて、コンスタントになってきたら
これまで自分がたどってきた道、
そして現実的な方法論に
セラピストとして経験してきた中でえてきた知識も何もかも
また新しい形でしっかりと伝えていくときは来るだろう。
わたしは一人しかいないし、時間は有限だから
今この瞬間にできることをするしかない。
それでもわたしは、
自分が「女神の告白室」という場所を設けていることも
その場所だけではなくて、自分がこの世にただ存在しているということも
そして
「だいじょうぶ」
とひとこと投げかけることにも
一枚の、ライラックの写真にも
本当に意味があり、価値があると
そう思っている。
その「だいじょうぶ」には、
わたしがこれまでに通ってきた中で
だいじょうぶではなかったときのことも
そして、地に足をつけて前にすすみ築き上げた道も
そのプロセスを書いた地図も
行き方も
いま同じように
「生きていたくない」と投げ込むひとたちと
同じ場所から這い上がった上での
「だいじょうぶ」
全てが詰まっている。
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