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母の日「ゆっくり、ゆっくり」


2016-05-08



きょうもたくさんいいことがあった。

ふっと自分から外れるときは、呪文みたいに

「ゆっくり、ゆっくり」と唱えていまに戻る。



ゆっくりと、仕事の依頼と申し込みが入り

問い合わせを早速いただいて、関東からわざわざ足を運んでくださるありがたいクライアントさんたち。

暖かいメッセージとコメントに
幸せをかんじながら

息子が遊ぶわきでカーテン越しの優しい陽射しと

涼しい風のなかで

ようふくに一枚一枚アイロンをかける



ゆっくり、ゆっくり


眠たいときに眠って

もうじき2歳になる息子の小さなベビーベッドに二人で丸くなって


お昼寝をした



先日、恋人とか家族以外の人間と

生まれて初めて本気で喧嘩をした


誰かが気に入らなければ、距離を置くだけだったわたしの世界は

変わった。


大好きなひとたちに、真剣に向き合っていくことは

相手を知るということであり、

もっと好きになるということであり、

人間関係は育めるのだとわたしははじめて体感した。


「散歩でもする?」

と声をかけてくれるひとがいる。

「水族館に行きたい」と誘えるひとがいる。

「また喧嘩しよー」

と言えるひとが、いる。

「また泣かせてあげる♡」

と愛たっぷりに言ってくれるひとが、いる。


わたしはいままで、つきあったひとくらいしか

本当に心を許せるひとなどいなかった。

でもいまは、

前にも後ろにもどこを見ても


そのまま身を預けられるようなひとたちに囲まれていて

安心して失敗したり

安心して泣いたり

信頼したりできる世界にいる。

ゆっくり、ゆっくり歩んでいって、

わたしは本当に変化しているし、


何にもない今この瞬間が

たまらなく満たされていて、すてきだ。



ずっと足が遠のいていた母方の実家に
母が花を持っていくというのでついていった。

母は毎年、母の母に花を買っていることを

わたしは知らなかった。


わたしは母のことを知らなかったし、
母の実家はもっと嫌いだった。


叔母や祖母に対して抱いていたいやな気持ちを、どんどんてばなそうと

習ったばかりの「許し」のエクササイズをやってみながら
色々実験してみた。


いろんなことに
きづいていなかった自分にきづいて


生まれてはじめての

母の日を、


母と過ごした気がする。




花も嫌いで物を受け取るのも苦手な母に、


たおくんの顔を10個描いて、
15分の肩もみチケットをわたした。


母は嬉しそうだった。

息子は、彼の母の、母の、そのまた母の家で

木魚をぽこぽこ叩いて、

古くて暗い、畳の部屋で


一緒に踊った。


だんごを、2.5本食べた。




いつもうなぎを食べたいのだけど、高くて買わない母に


ナフコで1980円のうなぎを一匹買って、


母とわたしとたおくんで

なかよく分けて、

食べた。


わたしとたおくんは、うなぎの尻尾の小さくて
しわしわなほうをとって、

母が目一杯おなかいっぱいに

うなぎを食べられるように分けて

「それだけでいいの?」と訊く母に


「たくさん貰ったよ」と言った。






たおくんは、うなぎを食べずに

トマトとスイカとバナナをずっと食べていた


電車が来ると、「シュシュ」というたおくんを、

毎回抱っこしてベランダに連れて行く母。


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