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ADS-winの天空率算定領域作成について解説

ADS-winの天空率の基本【天空率算定領域作成機能】

本日は、天空率解析>簡易設定>メニューの解説です。天空率算定領域作成の基本とありがちな勘違い操作をご紹介します。

基本的に、ADSシステムで天空率を検討する際、JCBA方式または東京方式のどちらかを選び算定領域を作成します。
どちらの方式を採用するかは、行政や審査機関に確認して下さい。

JCBA方式と東京方式の違い

天空率算定領域の範囲と測定点の位置が異なります。
【JCBA方式】
現在の主流で有利になることが多いです。
道路斜線については、隣地越しの斜線を考慮し、測定点位置を適合建築物の最大幅に合わせます。
隣地斜線については、隣地境界線を一体として考える「複合隣地」が検討可能です。但し、採用して良いかどうかは、行政や審査機関に確認して下さい。
【東京方式】
道路斜線については、隣地越しの斜線を考慮せず、測定点位置を道路境界線の幅に合わせます。
隣地斜線については、入隅の場合、測定点により天空率算定領域の形状が変わります。

JCBA方式と東京方式の比較


勘違い操作-1:方式を選択せずに[更新]ボタンで領域作成

方式を指定しないと、何物でもない領域が作成されてしまいます。
例えば、境界線を複数の線分に分け作成し、その境界線が180度近い角度で連続している場合、
方式を選択してから領域作成すると、システムが1本の境界線と判断し、同一領域としてグループ化します。
方式を選択せずに領域作成すると、各境界線単位に領域が分かれ、グループ化されません。

方式選択リスト

<注意>
方式を指定して[更新]し、別メニューを表示後に再度簡易設定メニューに戻ると方式選択リストがまた空欄表示になります。
システムの仕様なので、領域は指定方式で作成されているとお考え下さい。


勘違い操作-2:方式選択リストから方式を選択していない

[方式編集]ボタンから方式を表示し、方式を指定したと思っている場合があります。

方式編集ボタン

[方式編集]は、各方式の領域を作成するための基準値設定メニューです。
例えば、境界線が屈曲し120度近い角度で連続している場合、
JCBA方式では、屈曲角度:119度では領域がグループ化されず、屈曲角度:121度ではグループ化されます。
[方式編集]にて、「グループ判定角度」を「118度」と変更し、領域作成すると屈曲角度:119度でグループ化されます。

<注意>
[方式編集]は、一度変更するとデフォルト設定が変更後の値になるので、次回別案件で天空率検討する場合は初期値に戻して下さい。


勘違い操作-3:
領域形状や測定ライン修正後、簡易設定メニューに戻り[更新]ボタンを押す


簡易設定にて[更新]ボタンを押す、イコール、初めから天空率算定領域を作り直すことになります。
領域形状や測定ラインを修正したら、天空率解析>天空率計算>メニューに進んで下さい。

敷地や道路形状が複雑な場合、簡易設定の自動領域作成では適切な天空率算定領域にならないことがあります。
そのような場合は、手動設定にて領域や測定ラインを適切な形状に修正します。
そして修正後、簡易設定で[更新]ボタンを押すと、せっかく修正した設定がクリアされてしまいます。



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