初めてのSUV エクリプスクロス【評価・★×4】
広島旅行では三菱自動車のエクリプスクロスをレンタルしました。
いつも利用するタイムズカーレンタルは、マツダレンタカーを買収してできた会社。その成立過程ゆえにマツダ車ばかり。なのに三菱自動車でフェアですよ。全国的に大量配車したようで、キャンペーン価格で借りられました。
外から眺めてみる
この手の車は乗ったことないですし、そもそも初の三菱車。ギャランVR4に憧れ、いち早く3ナンバー専用ボディをあしらったディアマンテのカテゴリーに痺れ、MIVECやGDIの可能性に夢見た子供時代。ここまで落ちぶれたスリーダイヤは想像もできなかった
とはいえ、なかなか格好いいんじゃないでしょうか。セダン好きな親父であるボンペイさんの食指は動かないものの、一般受けするデザインだと思う。精悍だよ。
これってクロスオーバーSUVってやつだよね。SUVってのはほら、キャンプ用品を積んで山道を走破するRV的にウェイウェイwwwみたいな。かといってジムニーのようなコテコテなクロスカントリーではなく、舗装路面も乗用車のように走れるよって。
そういやトヨタのトランスフォーマーみたいな車、CH-Rだっけ? 月刊自家用車を読んだら「悪路は無理」とか書いてあって笑った。それもう外観だけじゃんSUV要素。外見は似てるけど、中身は全く異なると。
三菱は色々な不祥事を重ねたけど、パジェロやランエボのDNAは残ってるはずだから、RV、SUVに手は抜かない。三菱自動車で最後に残された「信用」じゃないかな。
ただまあ、広島市内を走るのにSUVは不要だし、なんなら一人ドライブなのにエクリプスクロスなんて宝の持ち腐れ感ハンパない。
まあ、よろしく頼むよスリーダイヤ。
乗り込んでみる
乗り込んで驚いたのは、ドアを閉める際の重厚な音。しっかりしたボディを感じる。そしてその音は不快に響かず、防音室の壁に染み込むかのように溶けていった。なんたる静寂性だろうか。耳の奥で感じ取る無音の刺激をしばし堪能してしまった。
ただ、着席して受けた感触は「でけぇ!」というもの。フロントガラスから見えるボンネットは強烈な横幅感でした。
今まで運転したレンタカーで最大の車幅はアテンザの1840mmでした。体感的には1900mmくらいあるんじゃね!?という感じでしたけど、カタログスペックを検索したら1800mm。あれ、そんなこたねえだろ、もっと幅広やろ・・・。
とはいえ1800mmといえば立派な車体です。さすがに室内はゆとりを感じます。ゆとりを感じるんですけど、スイッチ類の配置に違和感を覚えます。
アクセルを踏んで
初めてのSUVということで慎重にアクセルを踏む。巨大な車体を全く苦にせず加速していく。おお、これはダウンサイジングターボだろう。低速域から自然かつパワフルなトルクを与えてくれる。
室内の遮音性も手伝い、これはハイブリッド車か?と錯覚するほど静かだ。これは、素晴らしいぞ! クロスオーバーSUVの購入を検討している人は、ぜひ試乗してほしい。絶対欲しくなるからw
一踏み目から力強いトルクを感じ、段差なく加速し続けます。これはいい。これはいいぞ。
早く高速道路を走りたいと思いつつ、ハンドルを持つ手に怖さを覚えました。あれ、軽い。めっちゃ軽い。女性でも運転しやすいようにしているためか、車体の大きさに比べ、ハンドルはとても軽い。パワステを効かせすぎてるなと感じました。
高速を走って
さあ、高速道路。
広島空港から山陽自動車道へ入る。本線へ合流すべくアクセルを踏み込むと、再び鋭い加速を見せる。更にウインカーを出し、走行車線から追い越し車線へ。やだこれ気持ちいい。
マニュアル車のような段階的なギアチェンジではないですけど、つなぎ目のない直線一気の加速は、私のような運転の下手な人間にも感じ取りやすい気持ちよさです。
クルーズコントロールをセットし、定速走行へ移行すると、その静かさに気づきました。静かなんてもんじゃないな、密封感というのか、高級車のような静寂性です。
後部座席にも座ってみた。ヒップポジションは高く、車高と相まって圧迫感はない。無理矢理3列シートにしていたら大失敗作の烙印を押されたろうね。
・・・なお、運転席から後方は非常に確認しづらい。リアガラスには横一文字の遮蔽物があり、戸惑います。
左右リヤランプを結ぶ反射板的な横一直線の遮蔽物が、後方確認時、この上もなく邪魔でした。
クルーズコントロールについて
N-ONEで散々世話になった、クルコン。アクセルを踏まずとも、設定した速度で走り続けてくれます。確かに便利なんだけどさ。
同じクロスオーバーSUVのスバルXVなら、アイサイト3を搭載してるわけでしょ。あれは一段階上のオートクルーズ機構になっていて、車間を検知して速度を加減してくれる。エクリプスクロスの場合、前との車間が詰まっても、減速してくれない。普通のクルコンだった。
もちろん追突レベルになればエマージェンシーブレーキを発動させるんだろうけどね。実験するわけにいかないし・・・。レーンキープも警告音だけでアシストはしてくれないので、スバル車と比べると物足りなさを感じました。
ただ、スバル車と比べると、燃費は抜群に良いです。リッター20キロを突破しました。驚き。インプレッサは1600㏄なのに15キロくらいだったしね。
長距離を走ってみて
広島空港から広島市内。東広島から福山と、200キロ以上走りました。率直な感想を書くならば、疲れました。
マツダ車の場合、両足を投げ出した場所に、右足のアクセルペダルと、左足のフットレストを設置している。長距離ドライブではこの着座姿勢こそ至高で、本当に疲れにくいんですね。先日のアウディも疲れにくい着座姿勢でした。
しかし、エクリプスクロスは、アクセルペダルを右に寄せすぎてる(ように感じる)。さらにそのアクセルペダルは、左足のフットレストより、かなり手前にある(ように感じる)。結果、右膝を左膝よりも大きく曲げる形となり、体は左へ傾きます。左へ傾きすぎると、左のお尻まわりから腰にかけて疲労は蓄積していく。
せっかくの車幅なのだから、シートを1センチ右へずらしてくれたなら、アクセルを1センチ奥に設置してくれたならと感じました。
ただ、これはドライバーの体格やクセによって異なるでしょうし、そもそも少人数でのロングツアラーを目的にした車ではないでしょうから、大きな欠点とは言えないでしょう。私の使用用途に合わないな、というだけで。普通の人ならデメリットじゃないと思うよ。
大きな不満点
ドライビングポジションは個々人で違うにしても、決定的な不満を2つ感じた。一つはポケット類の少なさ。ふだんBOXタイプの軽自動車を使ってるもんだから、ラゲッジポケットの豊富さ、嫌味にすら感じるほどの豊富さに慣れてしまい、非常に物足りない。
シフトノブ前にドリンクホルダーをほしいなと思った。
軽自動車は毎日の道具として設計されており、しかも収納スペースにうるさい女性をターゲットにしているものだから、狭い車内にこれでもかと物を置ける。そう考えると、エクリプスクロスは男の車だ。
なのだけれど、男だってペットボトルと缶コーヒーを同時に買ったりするわけじゃん。最近ならコンビニコーヒーを買うわけじゃん。軽自動車なら、取り出しやすい位置に置けるのになぁと思ってしまう。ましてやSUVでしょ?荷物積むのも大切なお仕事じゃん。
2つある不満点のもう一つは、パワーウインドウスイッチ。これは写真を見てもらったほうが早いかも。
手首を大きく曲げないと操作できないんですわ。
これはアホやろ!Σ( ̄◇ ̄;)
せめてスイッチの位置を変えるなり、ドアノブの形状を変えるなりできなかったのだろうか。押し間違えの頻発するスイッチレイアウトは、前述のドライビングポジション同様、人間の自然な姿から「逆算して作られていない」と感じました。
まとめ
ドライビングポジションとパワーウィンドウスイッチ以外に、大きな不満はありませんでした。静音性と軽快なエンジン、しっかりした作りのシャシーは、素人でも良さをしっかり感じ取れるでしょう。
4人乗車でキャンプ、1人で街乗り、ともに高い満足を実現してくれるはず。「三菱」という名前からもたらされていた悪いイメージを消す、良い車だなと思いましたね。
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