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藤商事は株主を裏切った? MSワラントの恐怖 2023/03/03 株日記

【この記事は】
MSワラントを発行すると発表した藤商事。株価は暴落し、株主は涙目となりました。さて、MSワラントってなに? なぜ株価は暴落したの? 藤商事社員でさえ分かっていないであろうMSワラントの“闇”を、どこよりもわかりやすくお伝えします。

・トータル収支

+72,627円

3,112,740円→3,185,367円

きやああああああ!!

先日の手痛い負けを取り返し、それを上回る勝利でYear Highです!

信用枠をフルに使ってデイトレするもんだから、プラスもマイナスも大きく振れます。また、パチンコ株が市場のテーマになったことから、こちらも値動き激しく落ち着きません。

もう、射幸性キモチイイ


・現物収支(パチンコ株)

+38,600円

3,074,800円→3,113,400円


・信用収支(Excelトレード・デイトレ)

+34,027円

うっかり持ち越してしまった東レは±ゼロで決済できました。同じく持ち越しした円谷フィールズとゲームカードジョイコは買い増しが成功。

それ以外も地味に利益を重ね、損失を抑え、非常に満足度の高い結果となりました。まあ、偶然だよ、こんなの。手法は先日公開したように、業種別騰落状況を見ながら、朝イチ勢いのあるセクターの主力銘柄を買うだけ。

勢いが強いと低めの指値じゃ約定しないため、一発目を成行で買うこともありますけど、以前と違い成功率は悪くありません。まあ、偶然です。


藤商事のMSワラントショック

僕自身、MSワラントをよく知らないので、調べながらまとめてみます。間違ってたらごめんね。だいたいMSってなんだよ。Microsoft?

くっそ長くなりますが、分かりやすくできるよう頑張りますので、どうぞ最後までご一読ください。


企業「自由に使えるお金がほしい!」

毎年の利益以外で自由に使える資金が欲しいと思ったとき、企業はどうするか。

・金融機関から借りる
・投資家に投資してもらう

大きく分けて、この二つです。


企業「金融機関から借りたくない!」

お金が必要な場合、普通は〝借りる〟のですが、利息を取られます。

利息の高さは「ヤミ金>街金>ノンバンク(オリックスとか)>銀行」の順。支払う利息は減らしたいので、銀行や信用金庫を使いたい。

金融機関から借りられない場合、あるいは何らかの事情で借りたくない場合、自前で調達します。

・社債を発行する(返済の義務あり)
・株を買ってもらう(返済の義務なし)

メジャーなのは、この二つです。

社債は、国債をイメージしてもらえると分かりやすいでしょう。「10年後に100万円で買い取ってくれる国債を今、99万円で買う」的な。企業は日本政府より破綻しやすいので「10年後に100万円になる社債を90万円で買う」などと、利幅が大きい。

企業側からすれば利息を上乗せして払わねばなりませんし、支払期限もあるため借金に似てるし、社債の発行から現金を手にするまで時間かかるしで、急な用向きには適しません。

ただ、金融機関と違い督促がなく、得た資金を比較的自由に使えるのはメリット。「社債を発行できる企業」として箔もつきます。


企業「利息なんて払いたくない!」

利息を払いたくない場合、株を発行します。

・公募増資(市場で広く売る)
・第三者割当増資(特定の企業へ売る)

造幣局よろしく株券を刷って売ります。売買なので利息を支払う必要はなく、いくらでも刷って売れる。ただし欠点があります。

・経営権を握られる
・株価が下がる
・誰も買ってくれなければ資金調達に失敗する

株を買った人は株主、企業のオーナーの一部になりますから、全体の50%以上を買われてしまうと完全に乗っ取られます。そこまで行かずとも大株主になれば経営陣は頭を上げられなくなる。

また、非上場企業の株は「どこで売ってるの!?」って感じですよね。社長さんから直接買うしかないわけで、これはハードルが高い。

上場企業なら市場で売れます。売れるんですが、新しく刷って売るんだから株価は下がる。たとえばこんな感じ。これまで100株だった発行総数を10倍の1000株にした場合。(900株の新規発行)

増資前・会社の価値1億円÷発行総数100株=1株当たりの価値100万円
増資後・会社の価値1億円÷発行総数1000株=1株当たりの価値10万円

つまり増資をする(株券を刷る)と、1株当たりの価値が下がる。すなわち昔からの株主は資産を勝手に減らされてしまうんです。さらに株価も下がりますから、既存株主は大損ですよ。

株券を大量に追加発行することで、株の価値が下がる。

これを“希薄化”といいます。


企業「ある人を確実に儲けさせたいやが(小声)」

増資を利用して、悪いことを考える奴がいました。

それは〝新株予約権(英語でWarrant)〟

新株予約権とは、値上がりしちゃった株を、値上がり前の安さで買えちゃう権利のこと。

株価200万円の株が半年後、業績好調で800万円になったとします。普通の人は800万円出さないと買えないのに、新株予約権を持ってる人(仮にAさんとする)は200万円で買えるんです。

800万円の株を200万円で買えるんだから、Aさんは楽に600万円の儲け。

すごくね?

「でも、200万円の株価が100万円に落ちたら損しない? 市場で100万円で買えるのに、Aさんは半年前の200万円で買う義務があるんじゃない?」

と思いますよね。

そんな義務はありません

値下がりしたら権利を行使しなくていい。買う必要はないんです。

値上がりしたら権利を行使してボロ儲け。値下がりしてもリスクゼロ。それが新株予約権です。

ずるくね?

無敵じゃね?


新株予約権は不公平と不正の温床

ノーリスクハイリターンですから、新株予約権、欲しいですよね。でも、もらえる人は会社側が決めます。僕らはAさんになれないんです

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