【無料記事】新型ヤリスvsフィットは例えるならカプセルホテルvsアパホテルのようなもの という酷い記事を見た
コンパクトカー好きとしては納得しがたい
まずはコチラを読んでいただきたいのですが。
道路交通ジャーナリストというお仕事があるんですね。私もパチンコレビュアーを自称し始めたので、レア職業的な意味でなんとなく親近感を覚えますけど、記事の内容はさすがに首を傾げざるを得ません。
「ヤリスvsフィット」は例えるなら「カプセルホテルvsアパホテル?」
もうこの時点でタイトル詐欺。ヤリスとフィットは間違いなくライバルでしょうけど、カプセルホテルとアパホテルはそうじゃない。アパホテルは正真正銘の「ホテル営業」であり、カプセルホテルのホテルは名前だけで、旅館業法上では「簡易宿所(かんいしゅくしょ)営業」にあたります。
ちなみに日本発のカプセルホテルは、大阪梅田のカプセルイン大阪。1979年のオープン当時はニュージャパン梅田店といいました。火災を起したホテルニュージャパンとは無関係です。
カプセルホテルとアパホテルは、存在そのものが別物なんですね。・・・・・・まあ「寝る場所」とカテゴライズすれば同じかもしれんけど、カプセルとアパを「vs」とするほど悩んで比べることは少ないでしょう。
ヤリスとフィットは価格も性能もガチンコ
新型ヤリス HYBRID X(FF)199万8000円
新型フィットeHEV BASIC FF 199万7600円
おお、これは確かにガチンコですね! たった400円差とは驚きです。
ではカプセルホテルとアパホテルを比べるとどうか。常に3,000円から4,000円程度で泊まれるカプセルホテルと比べ、アパホテルの価格はメチャクチャ変動します。出張の多い人なら分かると思いますけど、前回5,000円だったものが13,000円になっていたりする。最近はコロナウイルスの影響で下げ止まりしてるのかな。
繁忙期の料金高騰については、オーナーの元谷夫妻に日経ビジネスが取材を敢行しています。
ヤリスとフィットは価格差0.02%ですが、カプセルホテルとアパホテルとでは、立地や季節によって違えども、おおむね25%~300%もの差となります。
もはや両者を同列に並べるタイトルは破綻しきってる。しかも読み始めて20秒程度でこの破綻に行き着くのですから相当なものですよ。
インテリアの違い
著者が「カプセルホテルvsアパホテル」と感じたのは、どうやらインテリアのようです。
新型フィットは、インテリアにこだわっている。(中略)決して高級じゃないけど、センスがよくて、癒される雰囲気だ。あるいはアパホテルですかね。アパホテルのインテリアは癒し感にこだわっていて、なかなかいいと思うのです。
・・・・・・そうかぁ?
まあ美的センスは人それぞれなので何とも言えないし、私の泊まったことのあるアパホテルは経年劣化のある古い物件が多いので疑問に感じるだけかもしれません。
いやでも、そうかぁ??(二度目)
対するヤリスはどうかというと、車内に乗り込んで絶句した。この、ものすごい樹脂むき出し感!
おお、これは理解できます。事実、先代(名称はヴィッツ)のプラスチック感は凄かった。昨年11月に旧ヴィッツと旧フィットをノートで比較しました。無料閲覧部分を拡大しましたので、よろしければご覧ください。
そうかー、ヤリスもプラスチッキーか。初代のヴィッツは当時としては落ち着いた内装だったと記憶してるんですが、どうしたトヨタ。
そして、カプセルホテルはプラスチックといわれればその通りなので、この点は同意します。また、室内の広さはフィットの圧勝とのことで、これはセンタータンクレイアウトによるアドバンテージなのでしょう。こちらも同意します。
なぜ同意できるかというと、同じ条件下の比較だからです。
なるべく同じ条件にしないと「比較」は成立しない
ヤリスはカプセルホテルで、フィットはアパホテルとなると、とんでもない論の飛躍になる。業態も違えば価格も違うのに無理矢理二項対立にしてしまった。私にはちょっと理解しにくく感じました。
何かを比較する際は、条件を限りなく揃えなきゃいけないんです。
例えばこんな感じ。
「フィットの内装はファミリーカーとしての温かみがあり、対するヤリスは営業車のよう。同じ金額ならばフィットの方が買い得感は高い」
「ホテルに例えるならば、ヤリスはいつまでも安っぽいイメージの抜けないアパホテルで、フィットは痒いところに手が届くドーミーイン」
というように、価格なり業態なり、条件を揃えて比較してくれたらイメージも付きやすかったのになと思います。
↑画像はホンダとトヨタの公式WEBから。似た色の画像を並べ、縮尺も揃えました。条件を揃えたことで、この画像ならば「外観」を比べられる。
もしも条件を変えたらこうなります。
これじゃ比較しにくいよね。「vs」などと言う以上は、条件をなるべく揃えてほしいところ。実際、記事を書いた清水氏も、似たグレードを並べた上で、わずか400円の差と書いているじゃないですか。
今後が楽しみ
ニッポンレンタカーはヴィッツもフィットも大量に配車していましたから、続々新車に置き換わっていくでしょう。回送業務で出会えた日には、ロングドライブをして感想を書いてみたいと思います。はたしてヤリスはカプセルホテルなのか、そしてフィットはアパホテルなのか。なんだか楽しみが増えましたよ。
・・・・・・といった長文コラムを毎月6本から10本ほど書いています。パチンコ関連や世相関連が多め。たまにレンタカー回送の記事が入ります。月500円で、ちょっとだけ妙な気分を味わってみませんか?
社内全員での回し読みが可能な法人向けもあります。
法人用価格は月1万円ですので、個人の方は必ず500円の個人用をお求めください。
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