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小田原

 寒いけれど、ものすごく晴れた日曜、小田原駅で昔の別荘めぐりの地図をもらっていたので、行ってみようと思いました。小田原は山坂があって面白い地形です。まず、腹ごしらえ、小田原城お堀端の松琴楼に鰻を食べに行きました。20年も前を通っていて初めて入りました。ぼろっちいので敬遠してたんです。やはり、素朴な店内でしたが、品のある素朴さでした。タレが少なめの塩味のうなどん、特別な料理でなかったころの庶民の味。みばのよさだけでなく、ていねいさを受け入れられるようになったんですね。明治の元勲のひとり黒田長成の邸宅、清閑亭が改装されて、公開されたと書かれていたので行ってみました。場所は小田原城近くの丘の上、かつての三の丸土塁のあとです。まず、芭蕉の句碑がある山角天神まで急坂をのぼって、またその上に行きます。

そうすると広い庭のある大きな家にたどり着きます。古めかしいですが、

なかは家庭の匂いがする温かい家です。

景色がすばらしいです。二階から、相模湾の海が見えます。

階段上の切り取られた風景です。コーヒーなどの喫茶もできるようなので、お茶を飲むのもいいですね。次は、今は生命保険会社の研修所になって日曜日だけ公開している、山県有朋の古希庵に行ってみました。旧東海道である1号線をたどって小田急箱根板橋駅のほうに行きます。途中、有名なういろうの本店があったりで、30分ぐらいでしょうか。醤油やの蔵がある旧の商店街にそれて山の方に向かいます。

建物は壊されて近代的になり、お庭だけの拝観が許されています。玄関に記帳ノートと募金箱が置かれています。お庭は谷川の水を段差を利用して流した風雅なものです。

広場があって

滝のある池に桜が植えられています。春はきれいでしょうね。そしてくだっていくと、谷がしつらえられていて、大きなお地蔵様が祀られ、滝があります。

全体に里山の風景が作られ、家があり、里があり、谷川があります。ふるさとの風景を感じさせるものさびしさとあっけらかんとした明るさが同居している感じがしました。京都の有朋の庭もみたことがあるのですが、水をやりまわして、清潔ですばらしい庭です。この庭づくりが生きがいの明治の元勲の内面とはどんなもんだったんでしょう。尾根沿いの竹林の道をとおり、松永安左衛門の老欅亭に行きます。続きます。

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