駅前のベンチ
私の町の駅前の商店街にはベンチがたくさんある。
コロナのとき、コンビニの前のベンチが撤去されて寂しかった。
でも、今では復活し、それどころか増えたと思う。
元々寂れた商店街に来る人は老人が多かった。
駅前のお掃除しているお年寄りたちが配慮したのだと思う。
しかしながら、今は車を持たない若い人も多い。
そうなのだ。田舎は仕事が少なく、支え仕事をしている人は収入が低い。
よその町に行ってしまう人が多いが、親を支えている人なぞは残っている。家は持ち家が多い。よっぽどのときは、親族に車に乗せてもらっている感じだ。都会でぼこぼこにされた人もいて、持ちつ持たれつではある。
先日、駅前の神社のベンチで静かに涙を流す男性がいた。
そのとき、ベンチがあってよかったなって感じた。
町で駅前を歩く人はめったにいない。元気な人や良い仕事についている人は車で通勤して駅にも現れない。駅は山登りをしたいマイナーな人と学生と、どうしても駅を使わないと働けない仕事についている人が使っている。
だから、座る場所はあって家以外にホッとできる静かな場所なんである。
いい季節でもあった。
人はそういうささやかなことの重なりで支えられているのだと思う。
写真は小田原の植物園の公園のベンチ。
大好きなドラマ「初恋の悪魔」のラストのロケの場所です。
どうやら小田原の小学生が必ず行く遠足の思い出の場所みたいです。
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