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たべること、生きること

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#おやつ

いちごのショートケーキ

いちごのショートケーキ

 1996年に発表された華原朋美のうた、「I'm proud」の歌詞で「いちご」が出てくるのは彼女が提案したことらしい。女の子がいちばん好きなものだからだそうだ。その話を聞いて、いちごはケーキに乗っているいちごなんだと私は感じた。

 人混みをする抜りぬける 大人が誘いの手を引く と二番の歌詞がはじまり、I'm proud 届きそうでつかめない いちごの用に 甘く切ないこと 夜中思い浮かべていた

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桜餅

桜餅

 桜餅は花見がさかんになった江戸時代に作られたらしい。葉桜のもと、赤い毛氈のひかれた茶店なんかで、のんびり食べている感じが似合う。桜餅には二種類ある。ひとつは関西風のおはぎみたいにぽってりしたものと小麦粉の皮をかぶった関東風のものだ。おはぎみたいのは道明寺粉というらしい。私は桜の塩づけがねっとりからむ関西風がすきだ。あのしょっぱいか甘いかわからない味に桜の匂いがぷんとする。

 花の香を 若葉にこ

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くだもの

くだもの

 朝の連ドラ「あさが来た」をみてると、明治時代はくだものが新しかったことがわかる。没落した主人公の姉は、親からみかん山をゆずられるし、娘の初恋にりんごがからむ。

 りんごといえば、島崎藤村の詩、「初恋」は、まだあげそめし前髪の林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり、と歌い上げている。

 明治のころ、改良されたくだもの、新しい栽培法が続々と輸入された。その新しいりんごと、

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エンゼルパイ

エンゼルパイ

 森永のお菓子でエンゼルパイってご存知だろうか。チョコでコーティングしたビスケットにマシュマロをはさんだものだ。昔、このお菓子は一個包装20円で売られていて、ときどき、近所のお菓子屋に買いに行った。この頃知ったんだけど、あれはアメリカのキャンプで焼いたマシュマロをクッキーではさんで食べることを再現したものだった。マシュマロをはさむことがかっこいいことでもなんでもない日本では、同じ形でバニラクリーム

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