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写真、散歩、旅。天下の暇人という言葉が好きです。忙しくても、ぼんやりとした人でありたい。

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    歴史って無名の人のやむにやまれない感情が起こす偶然の重なりで動いていくように思います。そんな偶然の現場を見たいって土地の記憶の地層に潜ってます

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    自分にとって心に残った映画。細部まで覚えている映画について書いています。自分のための覚書でありますが、何かしらのヒントにしていただけると嬉しいです。

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お茶とお菓子

沖縄で実践的な行動をされている上間陽子さんと心理士のリーダーシップをとっている信田のぶ子さんの対談本言葉を失ったあとでを読んでるとお菓子の話が出てくる。グループ…

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1年前
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源氏物語って何?

大河ドラマの「光る君へ」が話題になっていて、じゃ、源氏物語を読むんだったら、与謝野晶子版か谷崎潤一郎かという話題になってしまっていた。 私にはどちらも難しく挫折…

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4か月前
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淡路島と私の歴史4

77歳の叔父によると、従兄弟たち夫妻は、毎年石清水八幡宮に初詣をするそうだ。 私の母もお正月に15日ごろに気晴らしがてらに、必ず、石清水八幡宮に参拝していた。 そし…

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4か月前

淡路島と私の歴史3

歴史的なことに触れてると、不思議な感覚が働くことがある。 先日、高野山に行ったとき、戦国時代末に高野山を中興したお坊さんの大きな廟があった。 木食応其とおっしゃ…

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4か月前

淡路島と私の歴史2

西宮市に廣田神社という神社がある。淡路島の広田氏というのは、廣田神社の淡路島の領地、広田の平安時代の管理人だった。 廣田神社は、大河ドラマ「光る君へ」に出てくる…

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淡路島と私との歴史 1

77歳になる叔父と話していて、淡路島の歴史の話しになった。 家柄自慢の父方の叔父から聞いたことも、叔父自体が忘れていた。 息子たち夫婦に封建的で押し付けがましい男…

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世界の隔たり

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5か月前
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太田道灌と武蔵・相模

ゆうきまさみの新九郎奔る^_^読んでて、太田道灌ってら英雄だったんだなと感心した。 そのゆうきまさみの推薦していた、この本を読んでみた。 著者の伊藤一美さんは在野の…

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5か月前
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大奥、終わってしまったな

よしながふみ原作の大奥、終わってしまった。最終回、入院中だったので見れなくて無念。 見た方によるとラストまで忠実だったらしいので良かった。内容ははしょられていた…

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5か月前
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玉造商店街

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5か月前
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小田原城の講演会

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5か月前

今を生きる

小説が全盛期だったとき、週刊や月刊で連載されていた。ドストエフスキーの葬儀に当時のホームレスの人も参加するぐらい盛大だったのは、その頃の最新の娯楽のひとつが小説…

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5か月前
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 暴力と愛と、北野武「首」

北野武の「首」を見てきた。そうして、なぜ、人は信長と光秀の話にこんなにも惹かれるのであろうと思った。信長の人生は一発逆転の桶狭間から始まり、光秀の裏切りによる本…

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豊かさの代償

大塚ひかりさんはかつて源氏物語の現代訳をされたらしい。 この本、嫉妬と階級の「源氏物語」は源氏物語の理解を求めることからはじまった歴史研究を踏まえての集大成だと…

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6か月前
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駅前のベンチ

私の町の駅前の商店街にはベンチがたくさんある。 コロナのとき、コンビニの前のベンチが撤去されて寂しかった。 でも、今では復活し、それどころか増えたと思う。 元々寂…

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6か月前
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好きな小説5

柴原友香の「その街の今は」は大阪での青春を描いた小説だ。 私はこの一作しか読んでない。たぶん、彼女のファンはもっとこれがいいというのがあると思う。 だから、語るに…

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6か月前
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お茶とお菓子

お茶とお菓子

沖縄で実践的な行動をされている上間陽子さんと心理士のリーダーシップをとっている信田のぶ子さんの対談本言葉を失ったあとでを読んでるとお菓子の話が出てくる。グループカンセリングのとき、調査で話を聞き出すとき、お茶とお菓子は欠かせない。あの甘さで心の傷の吐き出しを和らげ、聴く方も力を溜めるのだ。

その時、思い出したのは吉本ばななの下町の思い出だ。
下町の女性はとてつもなく辛い愚痴を聞くとき、お茶とお菓

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源氏物語って何?

源氏物語って何?

大河ドラマの「光る君へ」が話題になっていて、じゃ、源氏物語を読むんだったら、与謝野晶子版か谷崎潤一郎かという話題になってしまっていた。

私にはどちらも難しく挫折してしまっていたのだった。

もう、昭和の文章でさえ、現代訳が必要なほど私たちはへだたってしまった。彼らは江戸文学の素養があり、それが理解出来ないと読み込めない。

私は大学で樋口一葉を現代訳して勉強した。そのあたりのことは皆ほとんど知ら

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淡路島と私の歴史4

淡路島と私の歴史4

77歳の叔父によると、従兄弟たち夫妻は、毎年石清水八幡宮に初詣をするそうだ。

私の母もお正月に15日ごろに気晴らしがてらに、必ず、石清水八幡宮に参拝していた。

そして、名物の走井餅を買ってくる。

これは代々に習慣で、なんでか、みんな理由がわからなくやっているのであった。

実は理由がある。それは私の実家から、幕末で淡路島の尼寺である東山寺で尼になった人が、明治の廃仏毀釈のとき、石清水八幡宮の

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淡路島と私の歴史3

淡路島と私の歴史3

歴史的なことに触れてると、不思議な感覚が働くことがある。
先日、高野山に行ったとき、戦国時代末に高野山を中興したお坊さんの大きな廟があった。

木食応其とおっしゃる方らしい。その傍らに私のご先祖の賀集家の墓があったのだ。

これはびっくりだ。このお家は珍しい苗字で現在でも1000人とかしかいない。だから、気がついた。賀集家は戦国時代の淡路10人衆の一家でもある。

沢山のお金を使ってお墓を建てたの

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淡路島と私の歴史2

淡路島と私の歴史2

西宮市に廣田神社という神社がある。淡路島の広田氏というのは、廣田神社の淡路島の領地、広田の平安時代の管理人だった。

廣田神社は、大河ドラマ「光る君へ」に出てくるキーパーソン花山天皇の皇子の子孫が管理し、その生活を維持していた。
何故なら、これから訳ありな事件ばかり起こす天皇の子孫なので政治に関わることが出来ず、源氏を名乗れず諸王だったので神社の仕事をしたらしい。
それを知ったのは、吾妻鏡に広田が

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淡路島と私との歴史 1

淡路島と私との歴史 1

77歳になる叔父と話していて、淡路島の歴史の話しになった。

家柄自慢の父方の叔父から聞いたことも、叔父自体が忘れていた。
息子たち夫婦に封建的で押し付けがましい男と嫌われるので忘れようとしているらしい。

叔母も今回亡くなり、いよいよ親族の中ではうっとおしい話になったらしい。

どうやら、祖母や父にガッツリ歴史を教えられた私が最後に記憶者になりそうだ。

はて、親族に教えてもなと思った。気持ち悪

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太田道灌と武蔵・相模

太田道灌と武蔵・相模

ゆうきまさみの新九郎奔る^_^読んでて、太田道灌ってら英雄だったんだなと感心した。
そのゆうきまさみの推薦していた、この本を読んでみた。
著者の伊藤一美さんは在野の研究者だそうだけど、いろんなお寺の過去帳にあたってられてコミ力ある方だと感じた。
太田道灌のころにすでに江戸は重要な拠点であったこと。定期的に軍事教練を行っていたこと。面白い。
また、人材を身分を問わず集めていて、それゆえに古い家臣に反

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大奥、終わってしまったな

大奥、終わってしまったな

よしながふみ原作の大奥、終わってしまった。最終回、入院中だったので見れなくて無念。

見た方によるとラストまで忠実だったらしいので良かった。内容ははしょられていたけど、名脚本家である森下桂子のリスペクトのある脚本でたまらない名演技を引き出してました。近々再放送あるでしょ。楽しみにしてる。

同じく、よしながふみ原作のテレ東の「昨日何食べた?」も大好評で、配信で西島秀俊さんが人気で海外でも見られてい

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今を生きる

今を生きる

小説が全盛期だったとき、週刊や月刊で連載されていた。ドストエフスキーの葬儀に当時のホームレスの人も参加するぐらい盛大だったのは、その頃の最新の娯楽のひとつが小説だったからだそうだ。みんな読んでいた。

瀬藤内寂聴の「奇縁まんだら」によると、昔の小説家の講演会はとても盛況だったらしい。競争が激しかったので、人間性が面白くルックスがいい人が生き残った。私が祖母に聞いた話では、当時おしゃれな小説を書くと

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 暴力と愛と、北野武「首」

 暴力と愛と、北野武「首」

北野武の「首」を見てきた。そうして、なぜ、人は信長と光秀の話にこんなにも惹かれるのであろうと思った。信長の人生は一発逆転の桶狭間から始まり、光秀の裏切りによる本能寺の炎上で終わる劇的なものだからだろうか。
その家臣たちは彼の暴力にまみれた天下取りに付き合った。
それは、出世できるという意味以外のなにかを感じるのである。

現実の本能寺の光秀は信長より年上で60代の疲れはてた武将だった。
彼は越前の

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豊かさの代償

豊かさの代償

大塚ひかりさんはかつて源氏物語の現代訳をされたらしい。
この本、嫉妬と階級の「源氏物語」は源氏物語の理解を求めることからはじまった歴史研究を踏まえての集大成だと思う。源氏物語は豊かさと権力を求めた人たちがどう変化していくかを描いた物語だと思う。

大塚さんが書いている通り、源氏は、義理の母と密通することにより、息子を天皇にまでした皇子、光源氏が妻に密通される若菜の巻まではさほど面白くない。たぶん、

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駅前のベンチ

駅前のベンチ

私の町の駅前の商店街にはベンチがたくさんある。
コロナのとき、コンビニの前のベンチが撤去されて寂しかった。
でも、今では復活し、それどころか増えたと思う。

元々寂れた商店街に来る人は老人が多かった。
駅前のお掃除しているお年寄りたちが配慮したのだと思う。

しかしながら、今は車を持たない若い人も多い。
そうなのだ。田舎は仕事が少なく、支え仕事をしている人は収入が低い。
よその町に行ってしまう人が

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好きな小説5

好きな小説5

柴原友香の「その街の今は」は大阪での青春を描いた小説だ。
私はこの一作しか読んでない。たぶん、彼女のファンはもっとこれがいいというのがあると思う。
だから、語るにはちょっとおこがましい感じがするのだ。

しかし、寂れきった上町台地を歩いていると、この小説になかにある写真の失われた家族の写真が蘇るのだ。

私は若い頃、本町界隈でバイトしたことがあるので、ヒロインが働くあたりに既視感がある。彼女の働き

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