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熱球パンチ呪文としてのベギラマ 〜ダイの大冒険(2020年版)第4話〜

アニメ「ダイの大冒険」(2020年版)第4話が放送された。それについてざっと語っていきたい。

今回でダイの特訓の海波斬までが終わり、そしてハドラー登場となる。これは、原作漫画でいうと、ジャンプ・コミックス版(全37巻)における、ちょうど1巻の終わりに相当する。
ここで、91年版アニメと2020年版アニメの進行ペースについてざっくりと計測するのにちょうどいいタイミングだと思うので比較してみよう。

[ハドラー登場]
原作: 1巻(ジャンプ・コミックス)終わり
91年版: 第6話の半分ちょっとのところ→5.6話くらいとする
2020年版: 第4話の半分より少し手前→3.4話くらいとする

上記比較より、91年版と比べて、2020年版は、現時点では5.6 / 3.4 ≒ 約1.65倍のペースで進んでいるといえる。
2020年版を原作の巻数比較で計算する場合、37巻が終わるまで、仮にすべてのエピソードを省くことなくアニメ化する場合、3.4 * 37 ≒ 126話 程度必要ということになる。
126話 / 13話(アニメ1クールの話数) ≒ 9.7クールかかる。1年4クールなので、2年半という計算といえる。
したがって、もしこのままダイの大冒険のアニメが続いていくと、2020年10月期開始なので、そこに2年半足して、2023年3月に終わるのではないか、と予想される。

と、書いてみて、果たして2年半もの期間放送されるのか。それは、おそらく現時点で明言できる人はいないのではないだろうか。
ダイの大冒険2020年版は、アニメだけではなく、ゲーム、コミック、物販etc、数多くのコンテンツ関連ビジネスの総体として成り立っているプロジェクトだろうと推定される。したがって、アニメを予定通りに最後の最後まで作り続けることができるかどうかは、関係者であっても確たることは言えないのではと予想している。
むしろ、今後のビジネスの状況次第で、それが予想よりも好調なのであれば放送が長期化する、ないし続編制作という可能性もゼロではないだろうし、逆に不調となれば、最悪アニメの打ち切りや、あるいはそこまで行かなくても短縮(エピソードカットによる明らかな短縮)が起こることも、シナリオとしてはありえるのではと思う。

ダイの大冒険ファンとしては、できればエピソードカットされることなく最後まで映像化されることを望みたい。
もっとも、鬼滅の刃のように、アニメの続きを映画化するというような可能性もゼロではないかもしれないが。鬼滅の刃は、原作が大人気で、かつ2クールでアニメが終わってしまったため、本編の続きを映画化するというジャンプコミックとしては珍しい経緯になったので。それを考えると、人気のないコンテンツが映画化されるというのは想像しづらい。

ちょっと放映期間の予想からの脱線が長くなってしまった。第4話の語りに戻る。

第4話で私が感じた大きな違いは、「海波斬の修行場所が屋外になっている」ことだ。これは原作読者は気づいた人も多いだろう。もともと、島のみんなに迷惑のかからない場所を、ということで洞窟を選んだ経緯である。たしかに、今回描かれている屋外の空間は、ほかのモンスターたちもいないところなので、趣旨からは外れてはいない。しかし、なぜわざわざ屋外にしたのか、という演出上の理由は知りたいところだ。
私の予想では、コンピュータを使った作画の効率を考えた時に、絵が全体的に明るい屋外を舞台にしたほうが、作成がしやすいのではないか?ということだ。私はアニメ業界のド素人なので全然違うかもしれないが、まあ予想するのは自由なので(笑)。
91年版アニメを見てみると、暗い洞窟の中でアバンとハドラーが戦っていて、呪文による光が暗闇の中に強烈に輝いている。2020年版は、屋外で昼間なので、全体的に見やすい。
いま書いていて思ったけど、屋外を舞台にした理由は、戦闘シーンの描写で「全体俯瞰図」を出しやすいという、そういう理由かもしれない。洞窟の中だと、遠景の絵を作ることは難しく、アップのシーンが続きがちになるが、屋外だとカメラを引いてキャラクターの配置も含めた構図を見せることができ、絵にメリハリをつけやすくなる。うん、そういうことかも…。
91年版の、ハドラーがアバンに部下になれというシーンを、同じく2020年版のそれと見比べると、2人の距離がだいぶ遠くなっているのがわかる(笑)。画像を参考に掲示しておく。

スクリーンショット 2020-10-28 20.15.43

あとは違いとして、ハドラーのベギラマの打ち方が原作、91年版とは異なっていた。原作ではベギラマは、グーまたはパーで腕一本で放つ呪文だが、2020年版では左手で作り出したエネルギーのボールを右腕でパンチすることで放つように変わっている。これはアバンもハドラーも同じだ。2020年版世界では、ベギラマは熱球パンチらしい。これはこれで、新しい表現として、面白いチャレンジだと思う。ただこの打ち方だと、フレイザードとのバルジ島決戦でポップがマァムを守るために気合でベギラマを撃てるようになるシーンの演出がどうなるんだろう、という興味は湧く(笑)。

今回気になったのはこのようなところである。
引き続き5話も楽しみだ。やはり一番の期待は、メガンテのシーンである。メガンテがどうしてそんなに気になってるのかは、Podcast 「Cast a Radio」の#003で語っているので、そちらを聞いていただければありがたい(宣伝)。

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ダイの大冒険について語るPodcast、「Cast a Radio」を毎週配信しています。こちらから聴けます!ダイの大冒険ファンの皆さま、よかったらお楽しみください!
【ポッドキャスト】Cast a Radio https://onemore.jpn.org/castaradio/

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