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バーンアウトについてのつれづれ


まとまっていて体系だったことを書かねば、とか、言わねば、とか、考えなければ、と思いながら生きているのだけど。もう2023年も12月18日で、ワカメはほとんどエネルギーが残っていないので今日やここ最近感じたことをメモすることにする。

みんな実は燃え尽きている説。

みんな、っていうのはもちろん100%全員じゃない。「みんなファミコン持ってるから買ってよぉー」と、親もしくはサンタクロースにおねだりをした時のあの「みんな」である。そういえばファミコンを求めたあの小学校5年生の年のクリスマスの朝、私の枕元にあったクリスマスプレゼントは福武書店(現:ベネッセ)の国語辞典と漢和辞典のセットだった。泣きたかったけど、誰に伝えたらいいのかがわからなかったから、包装紙を捨ててそのツルツルで立派なカバーに包まれた二冊の辞典をそっと本棚にしまった。いまだにその国語辞典と漢和辞典はきれいな状態でうちにある。


話がズレた。

今日は、韓国にいる私のピアな同僚(同じポジション、別のマーケット)と久しぶりにオンラインで1:1をした。元気?と聞くと、「私ね、もう何も残っていないの」という。普段はすごくきちんとしていて、戦略的で、親切で、という奇跡のような彼女。いろいろ事情があって、二つのチームのマネージャーを同時にやっているから、二人分の仕事をこなしているようなものだ。

いわく、会社が一年に一度この時期に発行する、エモい動画みたいなのを見ても何も感じなかったという。この10年で初めてで、いかに自分が疲れているかに気がついたらしい。夏に週二回のウェイトリフティングを初めて、それで出るテストステロンを頼りに生きてきたけどもう限界とのこと。わかるよ、わかる、私ももう出涸らしだ、と共感し、セラピストに話した方がいいぜと言い残して別れる。

普段は常にポジティブな彼女が「みんな、私たちがやっている仕事を当たり前だと思っているの、おかしいと思わない?」と囁いていたのが印象的。


別件。

先週大きなイベントのプロジェクト管理を終えた別の同僚の話。何千人もの人、何億円ものお金が動く。でもイベントって一回だけだから、やり直しがきかない。ものすごい緊張の中を頑張っていた彼女、頻発するトラブルや長時間労働で疲れてしまったらしい。(当たり前だ)

今日は会議中にポロポロと涙を流し始めて、とまらなかったと聞いた。別に誰かが彼女を責めていたとかではない。でも無理もない、と思う。こうなったらもう、涙が枯れるまで泣いたらいいし、これ以上眠れないくらい寝たらいいと思う。世界はキラキラして優秀なあなたたちを、気軽に搾りすぎなのだよ。きっと、あなたみたいな2割の働き蟻が社会の8割を支えていると思います私は。



自分の話。

晩御飯の後、息子が娘に向かって、アンパンマンボールを至近距離で投げつけた。(中綿の入った、2歳児が遊ぶような、直径15センチくらいのボール)それが彼女に当たって、娘は泣き出した。息子は、足にしか当たっていないといい、娘は首に当たったと言って泣き叫んでいる。

何が真実かはわからない。そしてどうでもいい。

二人が叫びあっていることだけが、明らかな状況。ワカメはもう全部が嫌になって、「外で頭を冷やしてきてもらっていいかな。」と息子に出ていってもらう。1時間後に見にいったらケロリとして、いつの間にか台所でミロを飲んでいた。電子レンジを器用に使っている。文明を得た猿を思いだす。


明日が終わったら、スイッチを切ろう。

11月以降続いている、年末感謝祭と、怒涛のような業務。1年前を思い出すともっと深刻な状況だったのでそれに比べたらマシといえばマシなのだけど、だからと言ってちょっと働きすぎた気がする。もう絞っても何も出ないレベル。「今にいる」のがすごく難しくて、気がつくと過去の反省や未来の心配をしている。



魔女狩りの話をしよう。

今年初旬に経験したストレスを、信頼する友人などと会話したのが数日前。「それは、魔女狩りというシステムを経験したんだね」と言われて納得がいった。誠実に生きているつもりでも魔女認定を受けてしまうことってある。システムが魔女を必要とした時、一番容易い対象が魔女認定を受ける。吃音があったり、皮膚病だったり、中途半端なパワーを持っている人が選ばれやすい。私はきっとめでたくその魔女オーディションに受かったのだろう、あの時。能力の有無とか、顔の可愛さとかじゃなくて。ほぼ、たまたまだと思う。


暗い話になった。

カリフォルニアをベースにする企業で最も色濃いのかもしれないけど、独裁者や恐怖政治を敷くリーダーをうまないためにふれた振り子は、中間管理職に責任を上積みする方向にすすんだ。それがこの2010年からの10年ちょっとだとすると、きっとここからは逆ブレが起きると思う。

半分ファンタジーだけど、「ホワイト企業とかぬるくて就職したくない」と言う学生が増え、「もっと殴ってください(精神的に)」みたいな体育会系採用がまた流行り出す。日大はアメフト部を復活させる・・・かというと彼らは全くカリフォルニアのルールとは別世界なのでそれは10年遅れるのかもしれないけど。

市民に力を!みたいなのはきっとトーンダウンするのだろう。西海岸でもマイノリティの権利を怒りで振りかざす活動はもうすこし啓蒙的であろうよ(暴力的じゃなくて)という方向に向かっていると聞くし。

いずれにせよ、スイッチを切ろう。

明後日からは小松に行く予定。なぜ小松なのかは自分でもよくわからないけど。お寺に座って半日過ごして、温泉にでも入ってこようと思う。燃え尽きた灰の中から、何か、でてくるかどうか。

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