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妊娠していない話と、コロナになったらあちらとこちらがつながったこと

何か人生が変わるような転機には、体調を崩したりするってよくある気がするので、二日ほど前からの38度ごえの発熱は「ははーん。私が町家を買うことにしたから知恵熱が来たのね」くらいに思っていた。さらに、誰の子供だかわからない妊娠をしてしまって、しかも何故か妊娠したことをすっかり忘れて、出産間近に思い出してものすごく焦るという夢を見た時も、「ふふーん。来てるね、意識の地殻変動だねこれは」と笑っていた。(朝起きた時に、妊娠しているわけがないことを自分と答え合わせしてホッとしたけど)

夫は私のそんなスピリチュアル解釈を意に介さず「病院へ行け」と言うので(産婦人科じゃなくて、発熱外来の方)今日は近所のいつもお世話になっているおじいちゃん先生のクリニックへ行ってきた。この時点での熱は37度あるかないか、くらい。出かける時は、先生のところでインフルとコロナのテストをしてもらって、陰性だとお墨付きをもらったら美味しいランチでもして帰ろう!と思ったのに、なんとコロナ陽性だった。

今回、へぇ〜!と思ったこと3つ。

  • 鼻の穴に長い綿棒を入れてぐりぐりするだけで検査ができるし、かつその場で結果が出るようになっている!あれ?唾液を頑張って出す苦行と半日の待ち時間はどこへ?結果を待つ間、3分ほど家族の近況などについて先生とおしゃべりをしながら待っていたら、先生がこちらをくるっと向いてニヤリ。「コロナ陽性だね」と告げられる。ヒョエー。

  • コロナの薬ができてる!軽中等症患者向けのゾコーバなるものを処方してもらった。先生が処方できる薬は2種類で、9万円の重症患者向けのものと5万円の軽中等度患者向けものがあるらしい。高い。どっちがいい?と聞かれたので安い方で良いと答えたけど、それにしても高い。

  • 薬局で処方箋を渡したら、紙をチラッと見ただけで間髪入れずに「千円ください」と言われ、外で待つように指示される。あれ?こんな対応だったっけ?薬局って、と思いつつ、コロナ対策の全体最適で考えると適切かつ普通の処置だな、と思い外に出る。5分ほどで薬剤師さんが出てきて薬とお釣りをくれたのでお礼を言って去る。もし疫病を社会全体で経験しなかったら、これを「普通」って感じなかったかもなと帰りがけにチャリを漕ぎながら思う。「普通」って動いてゆくものだな。

コロナ新薬ゾコーバ

そして繰り返すけど、この薬、定価で5万円以上するらしい。9月中であれば政府が全額負担してくれるというのでありがたく今日はタダで頂いて帰宅した(薬局で数百円払ったのは喉の痛み止めと解熱剤の分)のだけど、10月からは3割負担でも1.5万円。みんなで楽しくワイン一本1.5万円を飲むなら割と気軽に払えるのに、コロナの薬でこの金額はかなり悩む。仕事がよほど立て込んでいるとかでなければ、何日か寝て、嵐が去ることを私なら選んでしまうだろう。今回も「コロナの薬あるよ」と言われなければ葛根湯で済ませていたはずだし。ちなみに重症患者向けのは5日分で9万円だという。となると3割負担でも2.7万円。高くないですか??ちょっと前まで薬自体なかったんだから嫌なら買わなくていいといえばその通りだけど、重症ならきっと無理してでも買いたいだろう。そしていずれジェネリックが出てくるのだろうけど5-10年はかかるだろうから、「そこに薬があるのに買えない(買わない)私たち」の気分を味わうことのないよう、コロナにはうんと気をつけなくちゃいけないと思った。多分、この考えの道筋は間違ってるんだけど結論はそれほど間違っていないはず。

幸い体調はすでに峠を超えて、「かなり嫌な感じの風邪」くらいの感覚(37度台の発熱、喉の痛み、鼻水と咳がいくらか)なので、家族・世間から自主隔離しつつ三連休を自宅で寝て過ごせばきっと回復する見込み。

ところでゾコーバは妊娠している・しようとしている人には向かない薬らしく、先生にその点を何回も念押しをされた。「大丈夫、妊娠、してませんから。」って2回、繰り返して言ううちに、「あれ?なんかあったな、この風景。いや、夢のなかでは妊娠していたのか」と思い出して、あちらの世界とこちらの世界がつながった。


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