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子どもから大人まで、全世代のよりよい暮らしのためにweb3を実装する ―enXross協賛企業インタビュー・GlobalLogic Japan

皆さん、こんにちは。
enXross事務局です。

デジタル技術を活用した経済圏創出や、お客さまの感動体験アップデートの実現を目指す、東京ドームシティの新プロジェクトenXross(エンクロス)

こちらのnoteでは、世界のエンターテインメントとイノベーションの交差点・enXrossのプロジェクトに携わるスタッフからの発信や、web3領域の有識者、協賛企業の皆さまへのインタビューを通じて、イベントのビジョンと魅力などをお伝えします。

今回は、enXrossプラチナスポンサーで、日立グループの中でグローバルにデジタルソリューションを提供するGlobalLogic JapanのVikrant Nair(ヴィクラント・ナイル)さんに、web3活用とエンターテインメント領域での可能性をお聞きました。


お話しをうかがった、GlobalLogic Japanの
Vikrant Nair(ヴィクラント・ナイル)さん


シリコンバレー発のIT企業として2021年に日立グループに参画

― ヴィクラントさんはGlobalLogic Japanでセールスの部門を担当されていますが、まずは事業の概要と特徴について教えていただけますか。

ヴィクラントさん 私たちは2000年にシリコンバレーで生まれたデジタルネイティブのIT企業です。当社は現在、製造業・自動車業界、ヘルスケア業界、メディア・コミュニケーション業界、金融業界、エネルギー業界という5つの業界にフォーカスして、世界でソリューションを提供しています。

私たちの特徴は、BSPという特定のOSを動かすために必要なソフトウェアからクラウドまで、開発の非常に幅広い段階にわたってカバーしたサービスを提供できることです。
2021年から日立グループに加わりましたが、これはとてもいいタイミングでした。

というのも、今後、社会で主流となる技術はブロックチェーンやweb3、また生成AIや量子コンピューティングになり、そこではどのようなデータを扱うかが非常に大切です。活用したいデータが正しく、品質のよいものかどうかは、それぞれの業界での経験に基づいた深い理解がないと判断できません。技術的によいソリューションをつくっても、扱うデータがよいものでなければ効果は出ませんし、この点で、さまざまな業界で100年以上の経験と実績をもつ日立さんと一緒になれたことは、価値提案において大きな強みだと思っています。


― ただ新しいテクノロジーを使うだけではダメで、そこで活用・分析されるデータ自体が質のよいものか理解できないと、効果を出すソリューションはつくれないんですね。

ヴィクラントさん そうです。今、生成AIの世界ではAIが誤った回答を出したり、実際にはないことをあると回答したりする「ハルシネーション」が問題になっています。AIが出した回答が本当に正しいか判断できる力がとても重要なのです。こういうところで、これまでの経験が大きく活きてきます。

社員教育やリスキリング、マネジメントにも活用できるブロックチェーン

― 今回のenXrossのテーマは「ブロックチェーン」です。現状、どのような活用の仕方が考えられているのでしょうか?

ヴィクラントさん 我々が提案しているのは、リスキリングなどの教育領域での活用です。社内でも、新たに入った社員の体験を向上させるために使っています。
現在はPoC(概念実証)の段階なのですが、ブロックチェーンの技術を使って独自のコインをつくりました。ゲーミフィケーションの要素も取り入れて、新しいことを学んだ方にコインを付与すると、誰がどのくらい積極的に学習やリスキリングに取り組んでいるかがわかります。これは、個々の社員がもっているスキルや学びへの姿勢を可視化することにもつながり、マネジメントをする上司にとっても、部下をより早く的確に理解できる仕組みです。
人材が減って採用が難しくなり、また、日々技術が進歩していく中で、まとまった時間をとって研修する、というやり方は時代に合わなくなっています。Learn(学ぶ)に対してUnlearnと言いますが、過去の学びを捨てて、新しいことをどんどん勉強していかなくてはいけません。
この取り組みをお話しすると、多くの企業の方が関心をもってくださいます。


― ブロックチェーンで誰が何をどのくらい学んだか、どんなスキルを身につけたかがわかるのですね。そのほか、新しいテクノロジーの活用の可能性にはどのようなことがあるでしょうか。

ヴィクラントさん 例えば、建設業界でメタバースやAR/VRを活用することで設計の確認や規制を確認しながらプロセスを早めることができます。また、機械の保守やメンテナンスの領域でもweb3ベースでメタバース、AR/VRを活用したソリューションを提供できるのではないかと考えているところです。
ほかにも、製造業のサプライチェーン管理への活用がありますし、もちろん、エンターテインメント業界でもファンエンゲージメントやマネタイズに活用できると思っています。こうした観点から、いろいろなソリューションをグローバルのお客さまに提供しています。

東京ドームシティから、エモーショナルな感動や人と人とのつながりをつくる

― エンターテインメント領域でもブロックチェーンやweb3の可能性は大きそうですね。enXrossの舞台となる東京ドームシティでの活用について、どうお考えでしょうか。

ヴィクラントさん 私は10年前に息子を東京ドームシティに連れて行ったことがあり、先日また訪問したところです。
個人的な考えですが、どんなエンターテインメントシティでも、来場者の期待に応えること、エモーショナルな感動やつながりを強くすることが大切だと思っています。例えば、ディズニーランドはほとんどの子どもがスマートフォンのコンテンツとして接するなどして、幼い頃から知っているのではないでしょうか。そうしたつながりを通して、子どもから大人まで、改めて「こんな場所です」と説明をする必要がない場所になっています。
ですから、東京ドームシティもそこに行けば何でもできる、行きたい、という気持ちをいつも感じられるような場所になることが大切なのではないかと思います。

そのために技術やイノベーションをどう使っていくか考えなければならないですが、一番大切なのは、子どもでも、誰でもわかるシティにしなければならないということです。例えば、専用のアプリをつくってお客さまとつながる、リアルでもアバターでも、キャラクターをつくって接点になっていく。そうすることで、今後20年、30年で広く人気を獲得していけるのではないかと思います。

アプリやアバターをつくれば、アプリ経由で一気に世界でのプレゼンスを高めることもできるのではないでしょうか。例えば、私がアメリカにいてもメタバースで東京ドームシティのイベントに参加できるようになるかもしれません。
ブロックチェーンなどweb3の技術を活用して、イマーシブ・エクスペリエンス(没入型体験)コミュニティのつながりパーソナライズしたサービスも提供できます。また、ブロックチェーンを使えば、ファンとのつながりであるファンエンゲージメントをつくるだけでなく、東京ドームシティでパフォーマンスをするアーティストやセレブリティとのつながりも創出できるかもしれません。

ここまでの仕組みを実装しているところはまだないと思いますし、ここからデータを活用したビジネスをつくることもできるでしょう。そのためには、東京ドームシティに関連する多様な人々を理解し、インクルーシブに取り込んでいく方法を考える必要があります。ファン本人だけでなく、そのお子さん、そのまたお子さんもファンにして広げていく。そういう連鎖をどう提供するか、考えどころですね。


これからのエンターテインメントシティでは、デジタルテクノロジーも
活用して人と人とのつながりや世代を越えた連鎖を生み出していく必要がある

エンターテインメントシティのその先、「コグニティブ・シティ」へ

― 東京ドームシティという「まち」とデジタルテクノロジーの活用についてはどのような可能性があるでしょうか。

ヴィクラントさん 皆さんは「スマートシティ」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これからは「コグニティブ・シティ」が目標になってくると考えています。

コグニティブ・シティとは、そこに行けば、個々人にあわせていろいろな働きかけがなされる都市のことです。顧客理解やパーソナライズされた情報を活用することでコグニティブ・エンターテインメント・シティのような場所ができるのではないでしょうか。
我々がコグニティブ・シティというテーマを提案している例として、当社が世界で最も投資をしている地域であるサウジアラビアでは、NEOMという都市開発が進んでいます。

東京ドームシティはもう少しエンターテインメント寄りですが、エンターテインメントだけでなく、そこに集まるいろいろな人の課題や好みに対応したサービスが提供され、日常生活を送ることができる。そうしたインテリジェンスを活かした提案ができるように思います。
テクノロジーやインテリジェンスを普通の生活の中に活用した場ができれば、それは少しずつ広がっていき、国全体がそのようにアップデートされると想像しています。

enXrossは今年が初開催だと聞いています。こうした取り組みは今後も継続されるべきですし、世界にも発信していくべきだと感じます。
エンターテインメントは人が生きるためにとても大切な要素です。あらゆる年代の方が快適に楽しく、互いに学び合って成長していく世界をつくることに、web3の技術が貢献できるのではないかと考えています。


東京ドームシティの新プロジェクトenXrossについてはhttps://www.tokyo-dome.co.jp/enxross/をご覧ください!


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