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Solana バリデータテストネット運用からメインネット昇格までの活動サマリ

本アカウントは主にSolanaではバリデータ運営とDefiの調査を行っています。

以前の記事で、Solanaのテストネットバリデータを構築方法を説明させていただきました。その後の安定的な運用が認められて、めでたくSolana Foundation Delegation Program によるバリデータのメインネット昇格が認められました!メインネット昇格までの活動サマリと、メインネット稼働のための内容を記録しておきます。

この記事は、これからSolanaバリデータを始めようと考えている方や、テストネットバリデータを稼働中でもうすぐメインネット昇格が近いという方向けの内容です。逆にそれ以外の方にはあまり有用な情報はありません。

Solana Foundation Delegation Programとは

Solana Foundation Delegation Program (以下、SFDP)とはテストネットバリデータを安定的に稼働させ、稼働実績が認められると、Solana財団からメインネットでSOLの委任を受けられるプログラムです。具体的に、以下のような内容です。

テストネットのサーバ費用の補填

テストネットサーバ費用を月最大$250を6ヶ月分相当の金額分を、1年ロックされたSOLで補填されます。受け取れるのは、メインネットを10エポック分を稼働させたあとにもらえます。

Vote コストの補填

バリデータを動かすと大量のVoteトランザクションを送る必要があるので、けっこうばかにならない量のSOLが消費されます。これが1年間補填されます。最初の3ヶ月は100%、その後3ヶ月毎に 75%, 50%, 25%、0%というように減少していきます。

ステークマッチング委任

自身のバリデータにSOLがステークされると、それと同じ量のSOLを最大100000SOLまで財団がステークしてくれます。

残余委任

ステークマッチング委任で使用されたあとの残りの財団の保有SOLを、条件を満たしているバリデータに均等にステークされます。2024年7月現在で、約30000SOLを少し切るぐらいの量のようです。

メインネット昇格の順番はこちらのサイトのOn Boarding Priority から確認できます。

こんな感じで、Onboardedって表示されてれば完了です!

メインネット昇格までの期間と費用

だいたいテストネットバリデータを2023年10月から稼働させていて、2024年7月初にOnBoardingになったので、大体9ヶ月でした。
費用は、edgevanaのサーバが当初$600/月、その後は $250/月ぐらいでした。当時はTdSプログラムでその費用*2 のLockedSOLがもらえたので、持ち出し費用はそこまでありませんでしたが、今から始めるとそこそこの費用はかかりそうです。(上述の通り、現状ではサーバ台補填分は$250の最大6ヶ月で、しかも受け取れるのはメインネット稼働後になってしまうので)

メインネット昇格までにあった作業、トラブルなど

テストネットバリデータを安定稼働させていれば徐々にOnboarding Priorityが上がっていくので、平時はたまにあるバリデータのバージョンアップぐらいで、特に何もやることはありません。solanaの開発の状況によって、バリデータのバージョンダウンや、特定のスナップショットから開始してほしいという連絡がありました。その場合は少しイレギュラーな対応がありましたが、手順に従えば対応できました。

Onboarding Priorityが2桁台前半まで上がってきたころ、サーバを借りているEdgevanaから、新しいサーバを用意するからサーバを他に移してくれという依頼がありました(今のサーバは提供できなくなった様子)。サーバの移行作業自体はすんなり終えたのですが、移行先のサーバではパフォーマンスが悪く、このままだと稼働要件を満たせず、Onboarding Priorityが落ちてしまいそうになりました。そこでEdgevanaとなんとかしてくれという問い合わせ応酬が始まりました。

Edgevanaとの怒涛の問い合わせスレッド

Edgevanaのレスポンスはかなり早く、また他にも似たような症状の人が多くSolana Foundationが一時的にテストネットの稼働要件を緩和してくれたので、幸い大事には至りませんでした。(調査は執筆時点で一部まだ継続しています)

直近安定稼働していてほとんどなにもやることがないですが、突如このような調査タスクが発生して慌てました。

メインネット昇格後の流れ

めでたくOnboardingとなった場合は、メインネットバリデータの準備を行います。SFDPに登録したときに申請したメインネットのアカウントで、テストネットバリデータで行った作業と同じようにバリデータを稼働させます。
ステークをもらうための基準がテストネットバリデータと少し異なるので注意が必要です。Self Stake基準の項目にありますが最低100SOLのステークが必要です。コミッション率にも条件があります。(筆者は最初コミッション率を7%を超えた値にしていて、Stake基準を満たしていなくて後で気づきました)
さらに、Voteトランザクションが実行できるために十分に必要なSOLを、バリデータのアカウントにSOLを入れておきます。

あとはバリデータが安定稼働するようにテストネット同様にウォッチしていくという流れになります。メインネットのほうが流石にSkip Rateが安定しないという印象です。

さいごに

テストネット稼働のサマリと、その後メインネットの準備の流れを簡単に説明させていただきました。

(以下宣伝)
この記事が参考になりましたら、委任にご協力いただけると幸いです。
昨今はLST発行が流行っておりますが、もしかしたらそのあたりもなにかさせていただくかもしれません。

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