一日の終り

一日の終りには夜のカーテンがはしるレールが延びていてだれも越えられない
波音を浴びるだけでびしょぬれになった海岸までそのレールはのびている
耳をふさいでぼくの国道を猫が横切る寂しさを聞いている
強調せずにいられないがその猫の仔もおなじ国道を日々横切る

そのままの海岸が視界にひらけるときがけっして来なくても
やさしさだけで川が流れた日にはつぎの日まで眠りたい夜がひそんでいる
だから別れてしまったために再会をおそれる恋人たちのために
一年の終りのような一日の終りは今日しかないと書くことができる

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