見出し画像

en.to滞在レポート② 「花卉市場同行〜塩尻でのイベント出店」

・花卉市場同行

 花卉市場は、愛媛県の花卉市場には訪れたことがありました。しかし、それは市場に訪れただけでとくに仕入れなどを行ったことはありませんでした。今回、大田市場の仕入れに同行し、初めて仕入れを経験することができました。仕入れをするにあたって、自分の中で決めているコンセプトがありました。それは、「バレンタイン」です。バレンタインをイメージして、チョコのスイートピーやチョコ抹茶のカーネーションなどの花を積極的に仕入れることに努めました。しかし、大田花卉市場の花の多種多量な状況に圧巻され、仕入れはかなり苦戦しました。自分が思い描いているイメージがあったとはいえ、抽象的にしか描けていませんでした。そのため、当初イメージしていたお花を選ぶというよりも、直感的に良いと思う花があれば、その花を手に取る。その花に影響されて、イメージしていた花束のイメージが刷新される。市場内を散策している時はその繰り返しでした。花屋さんの凄さを最も痛感した瞬間でした。
 また、花の鮮度を見極めることはかなり難しかったです。同じ品種の花が他の仲卸業者で売ってある場合、比較して見分けることできたため少し容易でした。しかし、知識や経験がなければかなり基本的に難しいと感じました。
その他の花屋さんの動向も少し観察しました。各々、選択する花材の系統が全く異なり、選択された花から、ざっくりと、その花屋さんの系統を掴むことができました。
初めてセリの光景を見た。想像以上に白熱しており、素人からはなにが起こったのかよく分からない点が多かったです。

仕入れた花たち

・塩尻でのイベント出店

初めて、花の出張出店を準備から営業、諸々のお手伝いをさせていただきました。私は、花屋で独立するにあたって、まずはマルシェなどに出店して、個人の活動を進めていきたいと考えていました。しかしながら、実際に、どのような準備が必要であるのか、段取りについてなど不明瞭な点が多かったです。
今回の参加を受けて、大まかな流れや要領をかなり掴むことができました。また、自分の特性などについても改めて認識し直すことができました。
初日、午前中~夕方ごろまで出勤しました。初めての接客ということもあり、かなり序盤から疲労感に襲われました。体力的なものというよりも、接客による気疲れです。花屋さんに限らないが、花屋さんは接客を必須とするため、かなり「気」を使わなければならない仕事であることを痛感しました。接客の重要性の比重が高い花屋さんにとって、接客の苦手な自分は致命傷であると感じ、正直自信を無くし落ち込みました。また、接客も含めですが、出張出店の業務の一連を全て一人で成し遂げることは、かなり難しいということを感じました。実際に一人でやってないため実際のところ分かりませんが、手際の良さがないと、パニックを起こしてしまいそうだと感じました。
無印良品店のアルバイトさんに「今日、母親の誕生日だから花束をプレゼントしたいです」とのオーダーがはいりました。初めて、花材をお客さんに提案しました。めちゃくちゃ緊張しました。結局、自分は花材を提案することはできたが、花を束ねて完成させることはできませんでした。というのも、このオーダーを受けて自分は次のようなことを感じました。「花屋は人と人との感情のやりとりをお手伝いする、感情を提供する代理人である」、自分の作った花束で、このお客さんの感情の全てが表現される、花屋としての責任感を強く感じました。自分が綺麗だと思うものを、自信を持って提供するということも大切である。しかし、お客様にオーダーを受けた以上、お客様の気持ちを忠実に再現し、欲を言えば贈る側と贈られる側の予想を上回るものを花で表現することの重要性。ある意味、医者などと同じ世界で、失敗が許されないと思いました。最低限、お客様の気持ちを十分に表現できるだけの技術を身につけていなければフローリストとして名乗れないと自分は感じました。
今回の出店を通して、とくに意識することとなったのは、「接客」である。お客さんに真摯に向き合い、また花とも向き合う。花屋としてアルバイトを約2年間経験し、自分自身その重みを分かっているつもりでした。しかし、実際の現場に立つと、その重さを改めて実感することになりました。今回の出店、自分は一貫して接客が少し暗かった。接客が暗いということが必ずしも悪いことではありません。しかし、自分の特性を理解したうえでお客様と向き合うことが重要となってくると思いました。自分は接客が苦手だからと割り切っても良いが、まだまだ改善の余地はあるため、自分の着地点を探りながら、お花屋さんを続けていきたいと感じました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?