硬貨はどこから来たか?
Facebook 2020-08-07
硬貨はギリシアではなくてリュディアというアナトリア(現在のトルコのアジア側)で栄えた王国で発明されたと伝わっていて、見つかっている範囲では、世界最古の硬貨は紀元前670年(前7世紀)頃に鋳造されたものらしい。エーゲ海を挟んでギリシアの対岸の王国での話。(この文章冒頭の画像はギリシアの硬貨である。引用先)
下の画像はリュディア(世界最古と目される)硬貨の表と裏。
細かな話になるが、上のコイン表には太陽も描かれているので、この獅子はおそらく東側から西を向いている。Tabula Rogerianaがそうであるように、古代の地図の多くが南を上に持ってくるので、そう考えるとリュディアの獅子は西のギリシアを睨んでいるように思える。すると、実際に牡牛と対峙する形のリュディアの貨幣があることを知った。下の画像がそれである。
そこで、牡牛はギリシアないしエジプトの象徴ではないかと想像が巡った。どちらが古いのかはっきりは分からないが、自分の推理ではこの獣対峙パターンの綺麗な硬貨の方が実は時代的には古くて、オリジナルに近いのかもしれないような気がしている。
時代を経るに従ってだんだん硬貨が真円に近いものになったのと、鋳造や刻印が等閑(なおざり)になって、ギリシア側(牡牛)を硬貨に入れ込むのをやがて諦めたのかもしれない。だんだん硬貨というのは「悪貨が良貨を駆逐する」傾向にあることを思い出そう。
以下は、ギリシアの硬貨で、おまけ的な画像である。分かれ道がないので、絶対に迷いようのない迷路。クノッソス、紀元前2〜1世紀。テトラドラクマ銀貨である。
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