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トリノのタロットカード: Antichi Tarocchi Esoterici

Facebook 2020-07-31

いくつものカードを所有しているが、イタリアはトリノで印刷されたAntichi Tarocchi Esotericiという妙なデックが手元にある。意味は「Antique Tarot Esoterique」。このカードには無意味に思える数字が大きく印刷されていているために撹乱される。このような数字は完全に無視してしまうか、あるいは意味を見出そうとするべきか、悩むところだ。

古風にも見えなくもない絵なのだが、この数字とそれぞれのカードの「意味」らしきことが五ヶ国語で印字されていることが残念ではある。だが、プレゼントされたものなので文句は言うまい。

通常の3周に渡る歴史的円環の構造にのっとって並べようとしても、一般的なデックにないような図柄のカードがどうしても2つ残ってしまい、どこにも収まらない。その代わりどうしても歯抜けの部分が発生する。

そこで、一計を案じてこのカードの周期を七曜ではなく六曜と解釈し、1週分を6枚で並べ見ると、存外上手く収まるのだった。それで余った2枚と「世界」の1枚を「場外」に置くことで、さらに形になった。「場外」に置くことには意味がある。それは我々には計り知ることのできない「歴史」的時代に属するからである。こういうことを考えさせるデックというのは、結果的には良いデックだ。莫迦なふりをして実は聰明、みたいな奴とも似ている。

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このように従来のカードの並べ方をすると、大きく印字された数字がランダムになってしまう。

小アルカナのカードを見ると、数字が逆順になっているので、ひょっとして21から大アルカナ全てを数字の逆順に並べてみたらどうかと、ふと思ってやってみた。なんとなく分かるような感じでもありつつ、微妙である。この作品は絵の中の要素で共通のものを近くに並べるということをやっているのは分かる。

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腑に落ちるような面もありつつ、どこか不自然な感じがする。そこで、順当に1から数字の順番通りに並べる。すると、それぞれの週ごとにも特色が出ている。このように一旦素直に並べてみればいいのか・・・ この並べかたは、別のデックにも応用が効くかもしれない。

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ここまでやってみて気づいたのは、今回やった3つのどの並べ方でも一つだけ位置が変わらないカードが存在したことであった。11番のカードである。22枚のカードの中でちょうど中間にあるカード。11自体前から読んでも後から読んでも11である。

まさに、色々と考えさせてくれる個性的なデックなのであった。

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