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よみがえる明治座東京喜劇「こちとら大奥様だぜい!」「神田伯山」レビュー

水道橋博士からのおすすめ

先日、水道橋博士さんとClubhouseでのトークにおいて「明治座で高田先生がやってるお芝居見てたんだけど 田中美佐子さんがすごかったわー。」と激賞していたのでどんなものかと思い、早速、明治座に行ってきた。

何気に初の明治座。重厚感ある舞台に、
お値段の高さも納得。(12,500円也)

3部構成で
1,2部は田中美佐子さん主演の
「こちとら大奥様だぜぃ!」
3部は神田伯山さんであった。

いつもは友人の芝居を観に行くが今回は、その数倍のお値段、どんなものかと観てみるが、田中美佐子さん、磯山さやかさんの実力が際立つ。特に、、、田中美佐子さんのキュートっぷりと喜劇役者ぷりを見るにつけ、
「この人は天才か」「欽ちゃんと志村さんの融合」とも言えるような奔放さと動きのナチュラルさにひたすらに惹きつけられた。

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田中美佐子さんは現在61歳とのことだが動きのキレやチャーミングさは
もはや奇跡とも言えるレベル。年齢を考えると「キュート」という言葉が失礼かもしれないが本当に魅力的だ。ふと、アリーmy loveのキャリスタ・フロックハートをふと思い出すほど、素晴らしいものであった。

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今、テレビ界では高嶋ちさ子さんが数字を持っている、という評価だろうし、事実あの人のネタ収集の努力も知っているので否定する気はないが、
次のカウンターを狙うなら真逆の「癒し」や「チャーミング」を提供できる
田中美佐子さんが筆頭な気がした。もう、全てが名人芸に見えた。

そして二人目の名人芸は松ちゃんだ。
(もちろん松村邦洋さんだ。)
その名人芸、憑依芸は一瞬で人を惹きつける、この日はすかさず、時事ネタである「花田優一」をいじり、元貴乃花親方のモノマネをしながら「朝の稽古、昼の稽古、夜の景子、すべての『けいこ』を止めました。」と爆笑をさらっていた。その能力に比べて
評価が低い人の筆頭な気がする。

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3人目は神田伯山さんだ。題目は「伯山」。

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初代神田伯山とその兄弟子にまつわる人情物語だった。初めての生伯山であったが、テレビで見た通りの圧倒的な客の惹きつけ方、間の取り方、、、見事過ぎた。
つかみの時点で
「3人名前が出てくると、
 覚えられないですよね。」と
すでに瞬間的な記憶が出来ず、私はもたついていた。それに手を差し伸べるような構成。


映像もない、語り主導であるがゆえに、客をおいてけぼりにしてしまうことへの対応がこれまた見事だった。その上でのシーンごとの語りと演技に
ぐいぐい引き込まれ、すっかり涙していた。12日も神田伯山さんが出るようだ。(その日によって3部のゲストは変わります。)名人芸に生で触れるのは舞台の醍醐味だとつくづく思う。

 私も負けてはいられない。最新作はこちら。

執筆者:島津秀泰(放送作家)
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