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アサヤンVol.9 西野亮廣「えんとつ町のゴミ人間」

兎にも角にも今、最も目が離せない男・西野亮廣

『映画 えんとつ町のプペル』(西野亮廣製作総指揮)が、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待ー。 
 ライブ当日に、一報が舞い込む。また、他方ではオンラインサロンは日本一の会員数(2021年現在6万を超え)を誇る。この二つの事実だけで分かるように、今、表現者として、さらにはビジネスマンとして最も目が離せない男が、今回のアサヤンのメインゲスト西野亮廣さんである。

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「詐欺師」か?「金儲けの天才」か?

兎にも角にも、毀誉褒貶が付きまとう男・西野亮廣

 圧倒的な成功を掴んだ今もなお「アンチ西野」「詐欺師」と言った言葉もちらほら散見する。かつてこれほどのまでに「毀誉褒貶」が付きまとった人もいないのではないか?通常、人は成功した者に手のひらを反すものだ。かつて近鉄を辞めた野茂英雄に対し「球団に不義理だ!」「わがままだ!」と叫んだものの、後に成功を掴めば「メジャーリーグのパイオニア!」と称賛に変わるのが世の常だ。しかし、こと西野さんに関しては未だに「アンチ」が根強く残っている。確かに炎上上等にも取られかねないブログでの発言、鈴木おさむさんへの「芸人交換日記面白くない」発言など、同じ表現者としてネガティブキャンペーンをする西野さんに対し、私自身、好意的な印象を抱く方が難しい時もあった。(今回のライブでも触れるが、ひとえに若気の至りであり、そのくだりもぜひ、見ていただきたい。)

「詐欺師」か「金儲けの天才」か?

 『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)に出演した際、千鳥・大悟さんに「捕まってないだけの詐欺師」と呼ばれた西野さん。その背景を探れば、「西野があなたを意識する権」というものもあるだろう。そして驚くのは123人が購入している。

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 「君のことを思います!」by 西野亮廣

 しかしだ。放送作家的な観点で言わせてもらうと、かつて1995年から1998年にフジテレビ「とんねるずのハンマープライス」においては「細川ふみえの残り湯をもらえる権」とか「古田敦也の草野球の代打権」を販売し、テレビショーとしていた時代もある。「ファンの気持ち」「ファンの満足感」「思い出作り」をビジネスにする手法は、西野さんが初めてではない。AKBの握手券もその系譜だろう。これを「詐欺」と片付けるのは狭い了見ではないか。例えば、大谷翔平選手の初めてのホームランボールがあったとした時、それを「単なる糸と布で出来たボール」と思うのか?はたまた「成長の物語が詰まった記念すべきボール」「偉大な選手の第一歩」と思うのか?大事なのは買う側が「どう思うのか?」。ここに「もはや欲しいモノはない時代」の新たな「財布の紐を緩める」のヒントが、、、もう一歩踏み込めば「どうストーリーを作り、商品に乗せるべきか?」を考えなくてはいけない事実を見せつけているのではないかと感じる。

「売ることを他人に任せるのは、育児放棄」という言葉の発明

・「いくら性能がすぐれた製品であっても、お客様に買ってもらえなくては会社に何の価値ももたらさない」
・「要するに、人と同じことをしていては商売に勝てないということである。」
・『「私はどういうことができるんだ」「どういうことが、人よりうまいんだ」「どういうことをしたら、人を追いぬけるか」ということを知らないと、競争には勝てない。』

  上記の引用は西野さんの言葉ではない。これはSONYの創業者である盛田昭夫さんの言葉である。盛田さんと言えば、「トランジスタラジオ」や「ウォークマン」を世界に売り出し、スティーブジョブスが憧れた「世界のSONY」を作った立役者であるのは、40代以上の人には常識だろう。実は、日本を代表するカリスマ経営者と西野さんの姿を私は勝手にダブらせている。
 
 それは盛田昭夫さんが技術者(エンジニア)でありながら、営業マンであったという点だ。西野さん自身、「僕は表現者だ。」と著書で記しているが、傍で見るているこちらにすれば、次々と新しいマーケティングや技術を駆使し、絵本、個展、映画と仕掛けるプロデューサーであり、マーケター(新しい価値を創造する人)に見える。ココがとんでもなく凄いのだ。

 かつて綾小路きみまろさんがブレイクする前に、「自分の漫談の入ったテープを高速道路のサービスエリアで売っていた。」は伝説のエピソードであるが、いかにどぶ板な活動で作った作品を売るか?が重要なポイントだ。演歌歌手のドサ周りしかりだ。このように「作り手」でありながら「売り手」の人は過去にも存在した。しかし、西野さんの凄いのは下積みではなく「笑っていいとも」という絶大なPRの場で、処女作を発表したにも関わらず、本当の成功を掴めなかったこと。その失敗を契機に、「作品作り」の完成度は当たり前、「いかに売るか?」突き詰める。

「作るだけ作って、売ることは他人に任せています」というスタンスは、一見するとクリエイターのあるべき姿のようですが、実際のところは、「育児放棄」です。西野亮廣 by「ゴミ人間」

 私はこの「育児放棄」と表現したことを言葉の発明と考えている。最初に聞いたときは私も頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。

 「面白いものを作れば、視聴者は見る!」
 「面白い漫才、コントを作れば、俺たちは売れる!」
 「画期的な商品、サービスを始めれば、ヒットする!」

 みんなが大きな誤解をし、そしてつまづく。テレビマンなら尚更ではないか。なぜならテレビはメディアの最強の立場にいる。PRや広報への意欲は薄い。せいぜい新番組やら新作ドラマのポスターを駅の構内に貼るぐらいだ。さらにはPRといっても「自局における番宣」と視聴者が減る今では縮小再生産みたいな対策だ。そんな中での「育児放棄」は全てのクリエイター、商品・サービス提供者にとって、言葉としての発明だと思う。さあ、すっかり前置きが長くなった。

プロデューサーとしての水道橋博士

 実はアサヤンの総合プロデューサーでもある水道橋博士は、13年にも渡り、西野亮廣さんをウォッチし、応援し続けてきた。

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新たなる仕掛けがあるんじゃ!!

 今回、やたらと「西野信者」という言葉を巡ってのやりとりが目立った。西野さんに関して言えば、私も処女作の「Dr.インクの星空キネマ」を当時すでに購入し、図抜けた画力にとんでもない才能を感じていた。(セールス的には微妙だったようだが。)一部の人はすでにその才能は知れ渡っていたと思うが、さらに博士は踏み込み、交流を深めていく。(その話も本編で確かめて欲しい。)

 博士というと、「ルポライター芸人」としての側面を思い浮かべる方が多いと思うが、私の中では「文化的羅針盤」であり「文化的リトマス試験紙」のような一面も強くある。かつての博士のブログには、映画、書籍、タレント、これぞ!という人に誰よりも早く着目し、博士の紹介したものにハズレなし!実際、博士が後押しもあって売れた人(寺門ジモン、マキタスポーツ、樋口毅宏、てれびのスキマetc.)は数知れない。そんな博士が、ひと際注目してきたのが西野亮廣でもある。

 今回、博士は自らとの交流を披露しつつ、前半は映画監督「北野武」の桑田佳祐さんとのエピソードを交えながら表現者・西野亮廣に迫る。さらに世界と戦うための映画作り話へ。さらに、後半にはゴミ清掃を本業とするマシンガンズ「滝沢秀一」さんをあえてブッキングした。

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芸人の俺は「プペルは面白かった」でも、ごみ清掃員としてはどうかな。

 私自身、直接ライブの構成に携わっているわけではないので、ライブを観るまではブッキングの狙いは分かってはいない。しかし、終わってみれば新たなる博士の仕掛けだと感じた。ライブを受け、西野さんが彼をスタッフに入れるのか?リアルゴミ清掃員である滝沢のプロデュース回でもある。(西野ファンは注目していただきたい。)これを博士のむちゃぶりと見るのは早計だ。そこにはホームレスと西野さんのエピソードを熟知した上でのプロデュースでもある。

ファン垂涎のエピソードから貨幣の話まで!!

 そもそもタモリさんから「絵を描いたら?」と言われた話から、後半は「お金とはテクノロジーです!」と語る西野さんにしか、語れない数々の逸話が披露される。

 さわりだけを言えば、、、
エルカブキ・エル上田の「芸人はバイトをすべきですか?」からの「露出正義」としての芸人の仕事は@@@。現在のテレビ芸人論は刮目せよ!) 
・1920年代の使わないと価値が下がる貨幣の話(地域通貨の話)
・中国だけは「金貨や銀貨を使わず、銅貨にしたのか?」それは今のインターネットと同じである。(YouTubeは見れず、LINEもない。)
・利子が禁止だったユダヤ教における儲けのポイントとは?
 端々に「お金の歴史」についてとことん勉強している西野亮廣さんの姿が印象的だ。

 かたや、そんな西野亮廣さんよりも一足早く、クラウドファンディングに挑戦し、元吉本興業で先輩にあたる原田専門家(陣内智則さんの面白い方)さんはいつもとは違うスイッチが完全に入っていた!(次回は原田専門家と西野亮廣によるYouTube論&吉本芸人論も聞きたいところだ。)

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「マネタイズ」という言葉は私の辞書にはない。原田専門家

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「鈴木おさむさん」「芸人はバイトすべきか?」話をぶっこむ。エルカブキ・エル上田

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『アサヤン、面白いんだから何とかしてよ!』からのYouTube攻略話は必聴!高須信行D

 今、YouTubeをやっている方には必聴とも言える高須Dきっかけからの話で、西野「再生回数、あんまり未来なくないですか?」の発言へ。その真意とは?さらにその解決策を語る「城の建て方話」は見る価値あり!

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今夜、息子の前で。「国民の手下」に格上げ、無法松

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サロン会員です!社長芸人、ジョニー小野

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追記:西野亮廣のマネージャー田村有樹子さんとの話

 実は、今回のライブ、西野さんが交通トラブルに巻き込まれ、マネージャーでもある田村有樹子さんと話す時間があった。私は文中にもある「盛田昭夫さん話」をぶつけたところ、田村さんからは「金儲けの天才ですよ」と言葉をいただく。いかに金を掛けずに収益を上げるのか?現代の錬金術師にも見えてきた。休憩中、西野さん本人とも話をしたが初対面にも関わらず、とても気さくな方であった。と同時に、「この人はペンを持つと人格が変わるのかな?」と別の言葉で言えばそれだけ普段、とんでもないところまで配慮している人とも感じた。

 博士、言う所の「西野君、今回ライブに出るメリットないからね。」は金銭的面で見れば、ごもっともな話だ。それだけにライブに出演してくれた西野さんの配慮がまた、身に染みる回だった。

 さあ、今すぐ配信ライブの全貌を見よう!

視聴期限: 2021年6月11日(金) 23:59 まで

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 さらに次回は明石家さんまさん公認、日本一さんまさんに詳しい男が登場!

写真提供:中山友美 利根川亘
     Instagram:tomomi.photography
     Facebook :tomomi.photo

 私も西野さんに負けじと世界と勝負しております。
 5月29日(土)より配信スタートしてます!

執筆者:島津秀泰(放送作家)
     Twitter:@shimazujaoriya
     Instagram:hideyasushimazu
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