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アサヤンVol.12「Tシャツ大戦争」

男たちの「ラブレター朗読会」

「Tシャツとはラブレターであり、
 タイムカプセルだよなあ。」

とはライブ中に何度も高須Dが口にしたセリフである。
「Tシャツ大戦争」と銘打った今回のアサヤン、その見どころを集約すると、上記の言葉になる。以上!

 と書くと身も蓋もない。なのでもう一歩、二歩踏み込もう。「Tシャツはラブレターであり、タイムカプセル」ならば、今回のライブはさしずめ「ラブレターの朗読会」かもしれない。それはいわば、「これが俺のTシャツ愛!」「これが俺の愛し方!」出演者の愛の貫き方が「これでもか!」と炸裂している。

 そして、興味深いのは今回の出演者の多くがこのアサヤンのスポンサーでもあることだ。高須Dは「中央線に乗ると、Tシャツの風景が変わるんだよ。」と語ったが、そのベースに見え隠れするのは博士の異常な「Tシャツ愛」だ。博士、自らが語る。90年代からプロレス団体「WING」のTシャツを「浅ヤン」で着続けたことがTシャツデザイナーたちの火付け役でもあったエピソード。まさに中央線Tシャツ文化のルーツがここにあった!

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博士「こんなTシャツ着てる子に出会わないかなー」を連発

サブカル的ストリッパーたちの集い

 私自身、あまり普段、派手なTシャツは着ないタイプだ。いろいろ理由はあるのだが、その一つがTシャツにおける「サブカル的ストリッパー」ではないからだろう。と書かれてもピンと来ないか。テレビ的に言えば、人の内面を見る企画において、例えば「車」を見ればその人の性格、趣味、収入、職業が、、、「レシート」を見れば、その人の食生活、行動範囲、ファッション、趣味への金の掛け方が見え、また「本棚」を見れば、その人の思考のベースが見えてくる。そう、考えると「Tシャツ」もまた、包み隠されている自分の趣味、思考、センスが色濃く反映するアイテムだと言える。

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高須D「中央線に乗ると、Tシャツの風景が変わるんだよ。」

 自分の趣味嗜好をさらけ出すという意味において、私はあえて趣味嗜好をさらけ出してない、どこか気恥ずかしさを抱いているのかもしれない。(とはいえ、自分のYouTubeチャンネルには「Planet of Food」と思い切り、「Planet of  the APE」の匂いが出てたりもする。)しかし、積極的に自らの内面を、嗜好を、Tシャツを通じてさらけ出す人もいる。私の携わったテレビ的記憶を辿れば、

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2005年頃、テレビ東京「給与明細」において、働きたいけど、無職であり、親の残してくれたお金で株式投資をするネオニート矢野さんを紹介。「童貞バカ一代」のTシャツはその生き様をさらけ出し、物議を呼んだ。

 また、ライブでも高須Dが紹介するが、かつてテレビ東京の「出動!ミニスカポリス」をやっている頃にサザンオールスターズの桑田佳祐さんが、テレビ朝日の看板番組のひとつ、「ミュージックステーション」でミニスカポリスのロゴの入ったTシャツを着て、演奏を披露してくれた。末端のスタッフであった我が身にも、「桑田さんの番組への愛」を受け止め、とても誇らしい気持ちになったことをよく覚えている。(番組ではTシャツは作っておらず、桑田さん側がわざわざ作ってくれたものだ。)。

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高須Dに後日、届いたTシャツ(下っ端の私はもらってない)

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エルカブキ・エル上田 2008年田村潔司VS桜庭和志の因縁が詰まった一枚

 余談だが、1997年には若手の時、担当していたテレビ朝日「パパパパパフィー」では「Tシャツプロレス」なるセンス対決企画をやっていた。このネタを出したのは、誰であろう放送作家の町山広美さんである。映画評論家・町山智浩さんの妹であるのはこの記事を読む方にはご存知と思うが。(次回は女性目線のプレゼンターも欲しいところだ。)

正義をひっさげた「Tシャツ戦争」始まる!

 兎にも角にも、Tシャツには「隠しきれない愛(内面)」が滲むものである。作り手側の思い、着る側の思いが反映される。まさにラブレターであり、愛を伝えるキャンバスでもある。まさに、Tシャツのプレゼンターが自らの正義をひっさげた「戦争」が始まる。トップバッターを切るのは、ハードコアチョコレートのMUNEさん。

 すべての許可取りをしながら、ファン垂涎の一枚を生み出す。江戸川乱歩、若かりし欽ちゃん(萩本欽一さん)、トラック野郎など、そのTシャツを着るだけで文化的、サブカル的偏差値の高さを醸し出せるであろう。

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年に新作100枚制作は全部公認「ハードコアチョコレート」

 続いて、リモート出演のセトショップの瀬戸芳貴さん。数々の猪木グッズを制作。「猪木のちゃぶ台」に会場も湧く!

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 チームフルスイング・利根川亘さん登壇。猪木VS藤波戦のにらみ合い、版画デザインで再構築。版画ならではのタッチに独自の凄みが滲む。

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ビートルズをもじった「ビートたけし」Tシャツ・利根川亘

さらにジャイアント馬場さんサイズの復刻記念Tシャツを披露するも、よしえつねおが着ると、それほど大きく見えず、本番終了後に。(Tシャツ裏側には馬場さんの手形がある。)

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猫ひろしと馬場Tシャツだ、にゃー

 ETM・コトブキツカサさん。元お笑いコンビ「ピテカンバブー」現在、映画パーソナリティとして活躍するコトブキツカサさんならではの映画関係の非売品Tシャツを紹介。希少性&スタッフの遊び心溢れるTシャツが登場。高倉健さん主演の「君よ憤怒の河を渉れ」に博士も興奮。

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「映画好きですが、そっち側の人じゃありません。」コトブキツカサ

 JETLINKの代表渡辺純さんがプレゼン。映画会社ピクサー・トイストーリーのリー・アンクリッチ監督もお気に入りの世界的ブランド。「時計仕掛けのオレンジ」におけるキューブリックとマルコム・マクダウェルとの架空のワンシーンをモチーフにしたTシャツから、映画「STAND BY ME」の名シーン、汽車がやってくるシーンの「明り」をワッペンに込める。細部に渡ったこだわりの制作秘話が明らかに。

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「売れるモノではなく、好きなモノを作ります。」

 本間キッドさんは、博士がかつて着ていた「ダイナマイトキッドTシャツ」にまつわるエピソードを披露。それは偶然か、必然か「キッド」がつなぐ星座がここにはあったー。

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 自称・古舘伊知郎さんに今、愛される本間キッド「次回も出ます!」

ライブの延長戦、スタッフの一人でもある原田専門家が登場。原田さんと忌野清志郎さんを巡る数奇な話は、必聴のエピソード。「Tシャツとはラブレターであり、タイムカプセルである。」王道のような話であった。

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ロック髭が愛の証。「卓球さんも好きでした。」

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この写真を知るのは・・・

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メルマ旬報では「Tシャツ」が無料だったのに、、、

 そして、いつもは三下扱いの無法松。今回は出演者多数のために見た目はセンター扱いに。実はアパレル会社の社長も務め、この日はまだ、見てない北野映画のTシャツを披露。一番の愛のない話を披露していた。。。

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一番、愛の薄かった男・無法松

 東京都の要請を受け、20時前にはお客様にはご退場を頂く中で、「無法松、面白かったよ!」の一言ある方にはTシャツをプレゼントしますよー。と、無法松。代金は受け取らないが、「強制的な評価」はしっかり受け取るスタイルでTシャツを配るサービスぶり。お客様の「面白かったです!」の笑顔の声が、次第に真実に聞こえてくるから不思議だ。

配信の視聴者にも大プレゼント!!チャンス大あり!

 さあ、この他にも配信を観てくれた方にはTシャツをプレゼントの大盤振る舞い。センス溢れるTシャツの数々、今なら当たる!(ライブ中に応募のキーワードを発表しています!)

 プレゼントTシャツのラインナップはこちらをどうぞ。

 さらに次回6月26日は、古舘伊知郎さんが登場!トークキングブルースなら1万円も出さないと見れない古館さんのしゃべりがたった1500円で聴ける!

写真提供:中山友美 利根川亘
     Instagram:tomomi.photography
     Facebook :tomomi.photo

 「Planet of the APE」ならぬ「Planet of Food」では世界の主婦3人と柴犬による食にまつわるトークショーをやってます!こちらも良かったらぜひ!

執筆者:島津秀泰(放送作家)
     Twitter:@shimazujaoriya
     Instagram:hideyasushimazu
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