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アサヤンVol.7怪人・寺門ジモン一代記

 昨日(5月10日)18時から配信されたアサヤン、それは、季節外れの「真夏の夜の夢」を見るかのような時間であった。
 「寺門ジモン一代記」と銘打った今回のアサヤン、結論から言えば、
 ジモンワールド全開であり、「寺門ジモン・バカ一代記」と呼ぶにふさわしい、ジモン節がひたすらに炸裂し、別のジゲンへと導かれた。

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 頭の中は常に「サバイブ」でいっぱい

お笑いウルトラクイズで名を挙げるダチョウ倶楽部

 平成から令和に至る現在、年末の風物詩とも言えるテレビ番組と言えば「ダウンタウンの笑ってはいけないシリーズ」であろう。紅白に迫る高視聴率番組としてその面白さについて毎年、話題になるほど絶大な影響力を持っている番組であることは皆さん、承知の通りだ。

 そして、「笑ってはいけないシリーズ」が誕生前の1990年代、日本テレビにおいて、正月に茶の間を賑わせた伝説の番組があった。それが「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」である。スタート当初は林家ペーパーや宅八郎など、特異な芸能人がその存在感を見せつけたが、回を重ねるごとにエスカレートし、若手芸人にとって番組への出演オファーは、戦場へ赴く「赤紙」であった。それは、出演前に「ソープには行かなくては!」と男子たる喜びを噛みしめなくては馳せ参ずることは出来ない現場を意味した。一方、ここでの活躍は「売れっ子芸人」になるためのパスポートの側面を持ち合わせていた。

 一例を挙げれば「人間性クイズ」においてナインティナインの岡村隆史さんだろう。先輩であるホモに扮して迫る出川哲郎さんに逆ギレする回など、ブレイク前でありながら芸人としての爪跡を確実に残していた。

 若手芸人の成り上がりの場である一方、当時、統一教会から脱会したばかりの飯星景子さんがゲストの回にはたけしさんが「優勝者には、飯星さんから壺が贈られます。」復帰の道を作り、また、スキャンダル直後の山本モナが出演するなど禊のような役割を持つ番組でもあった。それは現在における多目的トイレで、、、おっと、これは筆が滑った。

 そんなお笑いウルトラクイズにおいてひと際、名を挙げたのは他ならぬ「ダチョウ倶楽部」であろう。

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海に飛び込む前に爆発。毛が抜ける惨事が爆笑へ

運が悪けりゃ死ぬだけさ

 今回のOPでは「SHOGUN」の「男たちメロディ」と共に伝説の「バスのアップダウンクイズ」のワンシーンが「運が悪けりゃ死ぬだけさ」との言葉と共に紹介される。(ちなみにバスのアップダウンクイズの映像はDVDにも乗せていない貴重なシーンは、番組後半で完全公開。配信のみ視聴可能。YouTubeでは見れません。)

 本日の主役、寺門ジモンさんが登場。緊急事態宣言中のライブ配信とあり、本気かギャグか分からぬ防護服でさっそうと現れる。

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 コロナ禍を予言していた男・寺門ジモン

 のっけからジモン節が全開。「差し入れが全部、発がん性物質だからな。」など、うわさに聞いていたが関わると面倒臭そうな、、、テリー伊藤風に言えば「隣には絶対、住みたくないタイプですねー」と言いたくなるほどのジモンワールドが展開される。 

 とりわけ、ジモンさんを迎えての水道橋博士とのやりとりは必見だ。博士とのお笑いライブ「バナナパワー」への道場破りでの出会い話。電撃ネットワークの南部虎弾さんがまだ、ダチョウのリーダーだった頃のエピソードの数々は、それはかつて高田文夫先生が責任編集を務めた「笑芸人」を読むかのような芸人伝説、芸人ブレイク論が詰まった内容であった。特にダチョウ倶楽部が最初にたけしさんに気に入られたエピソードは秀逸だった。

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ジモン「道場破りに来て、(博士に)刺されると思ったもん」

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 さらに、お笑いウルトラクイズにおける名フレーズ「聞いてないよー」の誕生秘話も明かされる。実は出演者の一人でもある高須信行ディレクターが深く関わっている話を披露。その慧眼ぶりはさすがの一言である。

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「聞いてないよー」の誕生にかかわる男・高須D

ジモンワールドの扉を開く水道橋博士

 寺門ジモンの自称「世界最強の男」説に陽の目を当てたのは博士であるが、藝人春秋の中でも活字で紹介された逸話の数々が、今回、映像として確かめることが出来る。

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 厄介すぎる男の懐に入る博士

〇足の指で鉄棒にコウモリのようにぶら下がることが出来る
〇横隔膜を鍛え、ライオンのような雄たけびが出来る
〇大山倍達の修行を全部やった    etc.
 

 その真偽が謎に包まれた数々の話に迫る。
 それは、どこかバカげたホラ男のホラ話に聞こえるが、時折、「その光景を見てないものにしか語れない見地」が詰まっており、時に「君は妖怪を見てないのか!」と吠え、「雨が降って体温だけで服を乾かしたことがないのか!」とまるで、経験していないこちらがどうかしているのか?と一瞬過らせてしまう「ジモン教」の匂いさえ、醸し出していた。

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「一万人にひとりはファンになる!」何とも言えないカリスマ性

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「妖怪を見たことがないの?」と問われるエル・カブキ上田 

 断っておくが、これはライブのほんの一部である。大げさではない。「肉話」「映画の監督話」「スニーカー収集癖話」「ホモ説」「ネイチャージモンの未来予測話」「熊と対決話」「イエモンの正夢」「音楽話」ととにかく濃厚過ぎる時間に夢、幻かと疑う時間が続く。

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ダチョウがいなければ、野暮だぜ。イエモン吉井さんと 

 さあ、あなたもその目で確かめて欲しい。それはまさに冒頭に掲げた「寺門ジモンバカ一代記」にふさわしい内容であろう。

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ジモンさんに「急にしゃべってもダメでしょ」と怒られる社長芸人・ジョニー小野

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今回、配信後が一番、面白かった無法松

視聴期限: 2021年5月24日(月) 23:59 まで、1500円也

 そして次回は、近田春夫さんが登場!今すぐ予約を!!

写真提供:利根川亘・中山友美
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執筆者:島津秀泰(放送作家)
Twitter:@shimazujaoriya
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