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あなたがCREチームリーダーをやってと言われた時に読むnote

このnoteはVoicy Advent Calendar 2022 の20日目の記事です。

今回僕がVoicyで”Qualityチーム"というチームでリーダーをして、問い合わせ対応を整理した経験から、「あなたがCREチームリーダーをやってと言われた時に読むnote」を書きました。

このnoteを読んだ誰かの参考にしてもらえたら嬉しいです。

背景

CREって何?

CREとはGoogleが提唱したエンジニアの専門職です。
SeleckさんのCREの役割がかなりわかりやすい言葉だと思いますので引用察せていただきます。

CREとは「顧客信頼性エンジニアリング」を意味し、技術を用いて顧客の課題解決に取り組む、いわば「カスタマーサクセスを担うエンジニア」のことを指す

https://seleck.cc/1492

興味があったらこちらの記事もご参照ください。数分ですが読み応えがあるサイトGoogleのCREのサイトです

Voicyの開発組織の中のCRE"Qualityチーム"

Voicyでは今年から品質を強化しようと開発組織を大きく変更し新たなチームを立ち上げました。

Voicy開発組織の全体の説明は弊社EM山元のこちらの記事を参照してください。

この記事に沿って話していきたいと思います。

CREに近い動き方をしながら、重要度の高いイシューを解決しつつも、ソフトウェアを分析して将来課題になるであろう箇所を未然に潰しています。 Voicyは大きく負債解消のリソースを今までとっていなかったからこそ、現在はそのエラーバジェットを消すためのチームになっています。


溢れていたSlack問い合わせ

Voicyでは #all_prd_不具合 という不具合を連絡するチャンネルがあります。ここに全社からVoicyを利用するパーソナリティさん/リスナーさんからお問合せがあり不具合と思われるものは投稿されます。


Slackにある問い合わせチャンネル

今までも解決可能な問い合わせから解決をしていましたが、大きく2つの問題がありました。

  • 問い合わせの状況がわからない

  • 問い合わせに関しての開発の状況がわからない

上記の問題に付随して、本来開発者が実施する予定だった作業に集中できないまた、リリースされているかどうかわからないなどの問題も発生しておりこれらを解決することが必要でした。

問い合わせチャンネルを管理する

来ている問い合わせの集計

まずは私がやろうと思ったことは、 #all_prd_不具合 チャンネルを俯瞰して管理しVoicyの誰よりも詳しくなるということでした。
そこで問い合わせ数の集計を行いました。 ここでVoicyの問い合わせでは月40〜60件の問い合わせがあることがわかりました。営業日換算で実に1-2件/日でほぼ毎日問い合わせ対応をしなければならないということがわかりました。

問い合わせの優先順位付け

 そこで集計した問い合わせの優先順位付けを行い、優先度が高いものから着手していくということをしました。

これは当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、今まで問い合わせが来た順にやってしまったり、できる不具合を治してしまったりと一律で管理されていない状態でした。

実際に優先度を明示的に設定することで対応する問い合わせ、すぐには対応しない問い合わせを明確にわけていきました。

実際の集計結果


解決ステータスの分割

優先順位をつけた問い合わせについて、問い合わせステータス開発ステータスの2つを設定しました。私が問い合わせを管理しはじめた頃には開発(根本対応)を終わらせてから返答するということもありました。

実際の問い合わせ/開発ステータスの設定

もちろん問い合わせによってはそうした方がいいこともあります。
しかし、まずは問い合わせでユーザーが何に困っているかをちゃんとヒアリングし、問題把握をして本当に暫定的に解決することができないのか?と確認してから根本対応をするように変更しました。


問い合わせ対応フローを根気強く、CS/PSチーム含む全社とコミュニケーションする

また上記の仕組みを週に一度CS/PSチームと擦り合わせながら、優先度とリリース予定を共有していきました。

さらに下記のように品質改善の連絡も全社に発信しました。どんな問題に対してどのような解決を行ったか?それはどんなUI/UXに変わってどんな効果だったか?ということを都度発信するようにしました。

不具合改善連絡


不具合対応状況の変化

チームが発足して今日で半年程度が経ちました。
優先度High/Normalとした問い合わせのほとんどが対応クローズもしくはそれに近い状態にすることができました。

社内で共有した問い合わせ対応状況

また開発対応についてもHIGHの問題を優先的に解決することでそのほとんどを解決に近い状態にしています。
残念ながら優先度をNormalとした開発では解決していないものもあり非常に悔しい思いもありますが、できていないことの見える化をするところまでいけました。

社内で共有した開発対応状況

まとめと今後

この半年でVoicyの品質を当たり前に向上できるような土壌を作れたかなと考えています。もちろんこの状態にできたのは、チームメンバーや日々リスナーやパーソナリティと対面しているメンバーがあってこそであり、皆さんには感謝が絶えないです。

また振り返ると当たり前のことができたなぁという状態で狩野モデルでいう当たり前品質に注力した半年だったなぁと感じます。ようやく品質の入り口にきたなという気持ちで来年以降Voicyのユーザーの期待値を超えていけるようなカイゼンをしていきたいと思います。


最後に、同じような方やそうでない方でも感想/コメント/ご意見いただけると大変嬉しいです!コメントお待ちしています〜!

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