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「感情」から書く脚本術 まとめ

こんばんは!まるくです。

今回の記事は、『「感情」から書く脚本術』から学んだことのまとめです。

文量が多く、読み切るのは大変でしたが、新しい発見が多くあり非常に勉強になりました。

感情を意識することの大切さ、感情を揺さぶるテクニックなどが学べる良書です。

以下は、重要だと思ったポイントを独自の解釈で整理したものです。本書の解釈の参考にしていただけると幸いです。

感情について

なぜ「感情」が大切なのか?

観客(読者)が感情体験を望んでいるから。
観客のために、得られる感情を意識して書くことが大事。

映画を見る時の3種類の感情体験

「見たい」(Voyeuristic=覗きたい)
「わかる」(Vicarious=相手の気持ちになる)
「理屈抜き」(Visceral=本能で感じる)

「感情」から書く脚本術

つまり、
好奇心が搔き立てられるか
追体験が満足できるか、共感できるか
本能に訴えるものがあるか(→人の欲求を意識)

全般的なこと

タイトルを魅力的にすること。
人気のあるジャンルを選ぶこと。
ジャンルによっても、ある程度感情のニーズは決まっている。
余白を残す。読者に埋めてもらうことで、好奇心が満たされる。

テーマについて

テーマとは?
行動や創作などの基調となる考え。主題。
(Weblio辞書より抜粋)

https://www.weblio.jp/content/%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E

感情を通してテーマを伝える。
目立たないように物語に織り込む。
テーマを固めてから執筆するのが良い。

普遍的なテーマ

愛、友情、家族、復讐、名誉、自由、正義、など。
自分の憤り、不公平を感じているものに着目すると良い。

コンセプトについて

コンセプトとは?
単なる「目的」ではなく、終始一貫してブレることのない基本的な方向性を意味する。物事に取り組む際の姿勢・方針・思想を表す。
(Weblio辞書より抜粋)

https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%83%88

作品の良さはコンセプトで決まる
普遍的なテーマに、独自の思いやアイデアを込めれば良い。

魅力的なアイデアとは?

斬新であること。
見覚えがあること。
対立を予感させること。

物語について

物語≒人生。物語の中に人生の答えを見出す。
物語≒キャラクター。キャラクターの望むことが物語になる。
キャラクターに試練を与える。
常に新しい情報を流し込む。
情報を出さないことで謎が生まれる。
情報は小分けにして、読者が欲しい時に与える。
デウス・エクス・マキナ(偶然的に問題を解決すること)はなるべく使わない。使う場合は上手くお膳立て。主人公や仲間の力で解決するのが基本。
「知りたい」と思わせるには、上手くお膳立てをする。
驚き≒不意打ち。関心を他へ向けて間違った期待を持たせる。
お膳立て → 好奇心や期待感 → 驚きや笑い
スペクタクル(視覚的に強い印象)も盛り込む。

問いについて

オープニング(冒頭)にはテーマに関する問い。
シークエンス、場面、小さなやり取りごとに、それぞれのスケールに合った問いを用意。全体として問いが完全に切れることがないように。
小さな勝利でキャラクターが大きな問題も乗り越えられると期待させる。
小さな敗北でキャラクターを失望させる。

対立について

どんな物語でも、対立が焦点になる。
対立とは、あるキャラクターの意志が何らかの妨害に遭うこと。
キャラクターの覚悟、代償の大きさが対立を大きくする。
人間関係にまつわる代償なら心を動かしやすい。
大きな代償の例:ヒロイン、世界(セカイ系は理に適っている?)
説明は対立の副産物として行う。

キャラクターについて

物語を語る上で最も重要。
個性的で、魅力的で、共感できるように。
主人公は能動的に行動させる。
何を求めているか、なぜ求めているかを明確に。
求めているものと必要なものは違う場合もある。(ex.敵討ちではなく、心の傷の癒し)
キャラクターの2種類の変化:精神的な変化・行動的な変化
キャラクターの成長から学びや希望が得られるように。

主人公の4つの型と観客が期待する感情

「英雄」- 憧れ
「普通の人」- 共感
「負け犬」- 同情、賞賛、緊迫感
「罪深き者」- 悪の側面への追体験

構成について

第一幕:関心を掴む

オープニングにつかみを入れる
主人公の紹介
観客は、最初に登場したキャラクターが主人公だと期待する
きっかけとなる出来事が主人公に与えるインパクトは大きい方が良い
中心的な問いの設定
一幕のクライマックスで主人公は重大な決断をする

第二幕:緊迫感と期待感

障害が大きいほど、読者の関心も高くなる
中間点:目標を追い求めていく決断をすることが多い
二幕のクライマックス:「最も暗い瞬間」、手強い敵、主人公の決意を試す

第三幕:満足

すべての対立を乗り越える
クライマックス前:キャラクターの変化の終点
最後の戦いへ
解決の方法は、驚きと納得があるもの(敵に勝つ、ヒロインと結ばれる、はありふれている)

場面について

それぞれの場面で、キャラクターや読者の得られる感情の種類を考える。
対立を介して物語を進める。(対立なしの息抜きの場面も必要)
少しずつキャラクターの内面を明かしていく。
リードするキャラクターは? 感情体験が味わえるキャラクターは?
キャラクターの登場と退場にインパクトを。
場面の終わらせ方:感情のツボを突いた瞬間、逆転、問、約束など

場面の3つの種類と役割

説明の場面:お膳立て
スペクタクルの場面:引き込む
劇的な場面:本質は対立、キャラクターの感情のツボを突いて勢いを与える

回想について

読者が過去の出来事について知らないと物語が進まない緊急時に。
現在の場面に情報を織り込むことが難しい場合。
その後の状況は必ず変わっていること。

セリフについて

セリフで説明しない、行動で示す
直接的、ありふれている言葉は使わない。
自然さを心掛ける。
無駄をなくす。(無駄が多い日常会話との違い)
キャラクターを作り込み、オリジナリティ溢れるセリフに。
皮肉やユーモア、比喩表現なども入れる。
誰が誰に言ったかなど、関係性がわかるように。
テンポにキャラクターの気持ちが表れる。
キャラクターを動かしながら、さりげなくプロットを前に進める。

サブテキストについて

サブテキストとは?
・文字で現していない事柄
・登場人物の語られない(本当の)考え、信念
・物語が進行するにつれて、察することができるようになるもの
(Wikipediaを要約)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88

キャラクターのリアクションで示す。
キャラクターの設定、バックストーリーを作り込む。
キャラクターの行動とセリフを対比させる。(行動が本心)

まとめ

冒頭でも書きましたが、本書では観客のために書くこと、得られる感情を意識して書くことの重要さ強調されています。観客が望む「感情」を提供するためには、”論理的”に考えることが大事だと思いました。

これから創作を始める方は、ぜひ参考にしてみてください!

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