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ベアチェアの修理

無垢材にこだわったオリジナル家具やオーダー家具の製作、家具の修理・リメイクを行う京都・宇治の家具店enstol(エンストル)。今回はベアチェアの修理のビフォー&アフターをご紹介します。


ハンス・J・ウェグナーのベアチェアの修理を承りました。

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こちらが修理前。
座クッションがへたり、座面裏に張られた麻テープがたわんで部分的に外れていました。

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横から見ると、クッションのへたりがよくわかります。

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座面がかなり沈み込んでいる状態でしたので、あまり座り心地が良くなかったのではないかと思います。

今回ご依頼いただいた修理内容は、
・座クッションのウレタン交換
・座面裏の麻テープの張り替え

の2点。

座クッションは置きクッションタイプなので、中身のウレタンを交換し、もとの生地を張り戻す作業になります。

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座クッションのダークブラウンの生地をはがすと、グリーンの生地が現れました。
もともとはグリーンのベアチェアで、張り替えるかわりに上からダークブラウンの生地を張ったのかもしれません。

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座クッションを上下に2分割したところ。
劣化したウレタンが粉状になり、その下には繊維状の詰め物が。
麻やヤシの木の繊維、コットン、馬の毛などの天然素材が使われているため、ずっしりと重みがあります。

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修理後がこちら。
ふっくらとしたクッションに蘇りました!

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へたりが改善され、しっかりと高さのあるクッションに。
クッションの中身には硬さや粘りの異なる3種類のウレタンを使い、5層構造で製作しました。

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テープも張り替えて、沈み込みも解消しました。
これで安心してゆったりと寛いでいただけそうです。

こんなふうにクッションが独立するタイプだと、部分的な修理で座り心地も見た目も改善することができます。

家具の修理に携わっていると、「直しやすいつくりの家具」と「直しにくいつくりの家具」の両方に出会います。
「直しやすいつくりの家具」は直す側にとってもありがたく、修理をご依頼くださるお客様にとっても、修理して使い続けるという選択ができる良い面があります。

そういったこともあり、enstolのオリジナル家具は、将来傷んだり壊れたりした際に直しやすいようなつくりであることを重視してデザインしています。
遠い未来に、わたしたちのつくった家具が大切に使い続けられていたらいいなと思います。

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