転居5

 小川で目にする鷺は、羽が灰色のものが多いが、真白のものがいたので、少し立ち止まってみた、少しというのは、アルがそのまま止まらずに四歩歩くくらいの間だ、そうすると鷺の水に浸かった足元を見ることができて、細い脚の二本の、指のように三又に分かれる部分から先が、黄色であり、意外だった。黒色であるはずだった。このように形の違うものを、人間の足と同じように、足と呼ぶことになっている、水に浸かって、冷えて見える、それは足、と同じ名前で呼ぶことでわかることかもしれない。冷えているのに、汗をかいているような足を、できるだけやめたい。たんぱく質を摂ること、腸の調子を整えることを、勧められる。髪質も変わり、邪気も減るという。鳥は、魚のように、宙を泳ぎ、魚は鳥のように水中を飛ぶ。そしてともに暮らす。鷺が飛びたつ音を、蛾が飛びたつ音と、聞き違えた。中年の人間の男性が、痰を絡ませる音は、異なる個体であっても、かなり似通っている。

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