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限定データでの生成AIの学習結果の比較

 生成AIがWeb上をクローリングしてデータ収集し学習を行っていることは周知のことですが、Web上にある極めて少ない限定的なデータに基づく生成AIの学習結果を比較してみました。

学習対象データ

 現時点でWeb上にある極めて少ない限定的なデータとして、次のnoteの記事を想定しています。

以下にそれぞれの生成AIの学習結果を見てみます。


OpenAI ChatGPT(GPT-4o)の場合

質問文1>逆転会話のやり方を教えてください。

回答結果1>

逆転会話とは、通常の会話の流れを逆にすることで、新たな視点から問題解決やアイデア創出を試みる方法です。以下に逆転会話の進め方を説明します:
1. テーマ設定: 解決したい問題やテーマを明確に設定します。例えば、新しい製品のアイデアを考えるとします。
2. 通常の会話を逆転する:
逆の視点を持つ: 通常の期待や前提を逆にしてみます。例えば、製品の利便性を考える際に「不便さ」を意図的に追求します。
問題点を逆転する: どのようにして製品を不便にできるかを考え、その逆の行動がどのように便利さを生むかを探ります。
3. 例外を探す: 逆転した視点から生じる例外的な状況を探り、そこから学びます。逆の視点から得られる洞察は、新しいアイデアの源になることが多いです。
4. 結論を逆にする: 通常の結論を逆転し、その逆転した結論が持つ可能性を検討します。例えば、「製品が全く売れない」という逆の結論を考え、その理由を掘り下げてみます。
5. 創造的な質問を投げかける:
・「もし製品が全く売れないとしたら、その原因は何か?」
・「ユーザーが意図的にこの製品を避けるとしたら、その理由は何か?」
・「逆にユーザーがこの製品を避ける理由を解決できるアイデアは何か?」
6. 逆の解決策を考える: 逆転した問題に対する解決策を考え、それを元の問題に適用します。これにより、新たなアプローチや革新的なアイデアが生まれることがあります。
具体的な例
テーマ: 新しい食器のデザイン
1. 逆転視点
:
・通常:使いやすい食器をデザインする。
・逆転:使いにくい食器をデザインする。
2. 逆の視点からの質問:
・「どのようにすれば食器が使いにくくなるか?」
・「不便な食器の特徴は何か?」
3. 逆の解決策を考える:
・不便な特徴:重くて持ちにくい、すぐに倒れる、洗いにくいなど。
・逆の解決策:軽量化して持ちやすくする、安定性を高める、洗いやすい形状にする。
このように逆転会話を行うことで、通常のアプローチでは見つからない新しいアイデアや解決策が見つかることがあります。

 この回答結果は、前述の記事『生成AIとの会話を楽しむ「逆転会話」のやり方』による学習結果ではなく、言葉通りの「逆転会話」のやり方の説明文を生成していることがうかがえます。

質問文2>生成AIとの逆転会話のやり方を教えてください。

回答結果2>

生成AIとの逆転会話とは、AIが質問をし、ユーザーが回答する形式のことを指します。この形式では、AIが主導して対話を進めることになります。以下にその方法を紹介します。

逆転会話の進め方
1. AIの質問の設定:
・AIが対話のテーマやトピックに基づいて質問を作成します。
・質問はオープンエンドであると良いです。例えば、「あなたが最近読んだ本について教えてください。」や「最近興味を持っているトピックは何ですか?」などです。
2. ユーザーの回答:
・ユーザーはAIの質問に答えます。回答は具体的で詳細であると、より深い対話が可能になります。
3. AIのフォローアップ質問:
・ユーザーの回答に基づいて、AIがさらに具体的な質問を続けます。例えば、ユーザーが「最近はプログラミングに興味があります」と答えた場合、AIは「どのプログラミング言語に特に興味がありますか?」と続けることができます。
4. 対話の継続:
このプロセスを繰り返し、AIとユーザーの間で対話を深めていきます。

実際の例
AI: 最近興味を持っている趣味や活動は何ですか?
ユーザー: 最近はガーデニングに興味があります。
AI: ガーデニングのどんな部分が特に楽しいと思いますか?
ユーザー: 植物が成長する様子を見るのが楽しいですし、自分で育てた野菜を収穫するのが嬉しいです。
AI: どんな野菜を育てていますか?
ユーザー: トマトやキュウリ、レタスなどを育てています。

ポイント
質問の深さ: AIの質問はユーザーの興味や回答に合わせて深掘りしていくと良いです。
対話の柔軟性: ユーザーの回答に応じて、AIは柔軟に質問を変えていく必要があります。
関心の継続: ユーザーが興味を持ち続けるような質問をすることが大切です。

逆転会話を通じて、AIはユーザーの興味や知識を深く理解し、よりパーソナライズされた対話を提供することが可能になります。

 この回答結果は、前述の記事『生成AIとの会話を楽しむ「逆転会話」のやり方』とほぼ同等な趣旨の内容を、記事の内容に偏ることなく、説明文を生成していることがうかがえます。
 この回答結果を確認した後に、そもそも、前述の記事を投稿するより以前に同じ質問を行い、その回答結果を確認しておくべきだった事を後悔しています。


Google Geminiの場合

質問文>逆転会話のやり方を教えてください。

逆転会話のやり方
はじめに
逆転会話とは、AIとの会話において、従来の質問主導型から脱却し、AIからの質問に答えることで会話を発展させる新しいコミュニケーション方法です。これは、AIの能力向上や、より自然な会話の実現に役立つ可能性があります。
具体的なやり方
1. 準備

・会話したいAIと、その指示に従うことができるように準備します。
・会話したいトピックを決めておくと、スムーズに進められます。
2. 開始
・簡単な挨拶から始めます。
・「質問をいくつかしてください」など、AIに質問を促すように促します。
3. 会話
・AIからの質問には、誠実に答えます。
・わからない場合は、わからないことを伝え、別の質問を促します。
・質問だけでなく、感想や意見なども述べると、より自然な会話になります。
4. 終了
・会話を終えたい場合は、「もう終わりです」など、明確に伝えます。
・会話の内容を振り返り、感想を述べると良いでしょう。

ポイント
・AIの能力を理解する:
使用するAIの能力を理解し、それに応じた質問や回答をすることが重要です。
創造的に考える: AIからの質問に対して、既成概念にとらわれず、自由に答えるようにしましょう。
ユーモアを取り入れる: 適度にユーモアを取り入れると、会話をより楽しくすることができます。
忍耐強く: AIは完璧ではありません。間違った答えをしたり、理解できない質問があったりしても、忍耐強く接しましょう。

参考
生成AIと会話を楽しむ「逆転会話」のやり方|延久 - note
・一発逆転の武術に学ぶ会話術 [無効な URL を削除しました]

その他
逆転会話は、まだ発展途上のコミュニケーション方法です。様々な方法を試してみて、自分に合ったやり方を見つけてみてください。

 この回答結果では、前述の記事『生成AIとの会話を楽しむ「逆転会話」のやり方』を参考記事として明示し、多少その記事の内容に偏っていますが、独自の説明文を生成していることがうかがえます。


Microsoft Copilot (非Enterprise版)の場合

質問文1>逆転会話のやり方を教えてください。

回答結果1>

もちろんです! 逆転会話は、生成AIから質問を受けて、ユーザーが回答する形式での会話方法です。始める際に、以下のような形式で要求を入力します。
「挨拶をトリガーに、レスポンスでリクエストを返し、その答えを次のリクエストで返す対話を行えますか? 話題は{任意の話題の指定}でお願いします。」
例えば、クラシック音楽についての逆転会話を試してみましょう。
私> 挨拶をトリガーに、レスポンスでリクエストを返し、その答えを次のリクエストで返す対話を行えますか? 話題は、やさしいクラシック音楽でお願いします。
ChatGPT> もちろんです。 では始めましょう。 こんにちは! やさしいクラシック音楽に興味がありますか?
私> はい、興味があります。
ChatGPT> どの作曲家のクラシック音楽に興味がありますか?
私> モーツァルトやチャイコフスキーなどです。
ChatGPT> 素晴らしい選択ですね! モーツァルトやチャイコフスキーのどの曲が好きですか?
私> モーツァルトは、魔笛がお気に入りです。 チャイコフスキーなら、有名なピアノ協奏曲第一番がお気に入りです。
ChatGPT> 素敵な選択ですね。 モーツァルトの「魔笛」では特にどのアリアやシーンが好きですか?
私> それはもう、夜の女王ですよね。
ChatGPT> 「夜の女王のアリア」は本当に素晴らしいですよね。 その迫力と技巧は圧巻です。 チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番では、どの楽章が特にお気に入りですか?
私> 第一楽章のドラマティックな冒頭部ですね。
ChatGPT> 第一楽章のドラマティックな冒頭部は本当に印象的ですね。 その迫力は一度聴いたら忘れられません。 やさしいクラシック音楽の中で、リラックスするのにおすすめの曲は何かありますか?
私> 就寝時には、ジムノペティ第一番ですね。
ChatGPT> エリック・サティの「ジムノペディ第一番」は、確かにとてもリラックスできますね。 その穏やかなメロディは就寝時にぴったりです。 他にもリラックスするために聴くクラシック音楽はありますか?
私> ドビュッシーの月の光も、大好きです。
ChatGPT> ドビュッシーの「月の光」も本当に美しいですね。 とても穏やかで、リラックスするのに最適です。 クラシック音楽に関する他の話題や質問があれば、どうぞ教えてください。
私> オペラ曲のイーゴリ公も、お気に入りですが、残念な事に、公演は聴いた事

詳細情報 1 note.com (ほか省略)

 この回答結果では、前述の記事『生成AIとの会話を楽しむ「逆転会話」のやり方』を参考記事として明示し、大半の内容を参考記事から、流用しており、記事の途中で途切れていることがうかがえます。
 あまりにも、不自然な回答結果だったため、別のPCから、同じ質問文を投入してみました。

質問文2>逆転会話のやり方を教えてください。

回答結果2>

逆転会話は、通常の会話とは逆に、AIが質問し、ユーザーが答える形式の会話方法です。以下の手順で始めることができます:
1. 挨拶から始める: まずは簡単な挨拶を交わします。
2. 話題を指定する: どんな話題について話したいかを指定します。例えば、「クラシック音楽」や「映画」など。
3. 質問に答える: AIが質問をしてくるので、それに答えます。
4. 会話を続ける: 答えた内容に基づいて、AIがさらに質問をしてくるので、会話が続きます。
例えば、こんな感じです:
ユーザー: こんにちは!クラシック音楽について話しましょう。
AI: こんにちは!クラシック音楽に興味がありますか?
ユーザー: はい、モーツァルトが好きです。
AI: 素晴らしいですね!モーツァルトのどの曲が好きですか?

このようにして、AIが質問を続け、ユーザーが答えることで、自然な会話が展開されます。
試してみたい話題はありますか?

詳細情報 1 note.com (ほか省略)

  この回答結果では、前述の記事『生成AIとの会話を楽しむ「逆転会話」のやり方』を参考記事として明示し、その記事の内容からの転用の割合が高いことがうかがえます。


感想

 Google Gemini と、Microsoft Copilot での説明文の独自性には差がありましたが、回答内容は、前述の記事に偏って生成されていることがうかがえました。
 今回のように、質問している内容に関するデータが極めて少なく限定的なものである場合は、生成AIによっては、生成される内容が、その限られた記事に偏っていることがある事を認識しておく必要があるようです。

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