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2023夏ドラマ サクッと言っていく

9月、10月あたりに終わったドラマの感想です。
豊作だったのか?単に量を見ただけなのか?
という微妙なところではありますが、楽しい夏でした。

「VIVANT」

テレビってやっぱり金あるんだよな…。
露骨な金の積まれ方に嬉しくなりましたね。
最後にベキが、「日本は唯一神がいないので他人の宗教を重んじられる」的なこと言ってて一気に冷めてしまう自分に冷めました。
知らないから想像できないのでは…

「ハヤブサ消防団」

村と新興宗教、いいですね~
やたらと緑が目に付く彩度が高い映像も、登場人物も全て怪しげ。
突然カメラ目線になるメタ的表現も気持ち悪かったです。
最後まで楽しめました。

「らんまん」

朝ドラの歴史に刻まれる作品(個人的見解)
ってくらいの包摂的なテーマに毎週のように唸ってしまいました。
根本的には愛の話であり、友情、師弟関係、権威、男尊女卑、災害、戦争、仕事、生と死…
万太郎や寿惠子、脇を固める登場人物たちの魅力も深く、彼らの人生を共に歩んだ感覚になりました。

「しずかちゃんとパパ」

コーダが社会で感じる生きづらさと、当たり前にある日常。
離れたいけど離れられない、自分の役割を手放すことが怖い…。
特別な話ではなく、家族とは厄介なものなのだ。
そこに突如として現れた異質な存在、中島裕翔。
常識や、その街のルール、人間関係に捉われない、新しくて愛のある視点。
交わることで生まれる化学反応が素敵でした。

「真夏のシンデレラ」

3組の三角関係を生み出した、王道月9をやり切る覚悟!夏の大三角!
大事なプレゼンをフォローもせずばっくれるな、東京と江の島はそんな遠くないぞ…などの笑ってしまう世間とのズレもあれば、森七菜にここまで母親業をやらせる意図は?などのドラマの根幹を疑いたくなる点もありましたね。
とにかくツッコミだらけで、ウキウキで毎週月曜日を迎えていました。

「18/40~ふたりなら夢も恋も~」

このドラマのやりたいことが分かりすぎることでの一歩引いた気持ち。
それでも、美しさが際立っているシーンの多さや、当たり前にあってほしいけどわざわざ誰も言わないようなことを、真っ直ぐに言い切る強さや正しさに、ブラッシュアップされた作品としての魅力を感じました。

「彼女たちの犯罪」

ミステリーとしての質は割と良くて、後半に楽しくなるドラマでした。
でも主演3人の女性がそれぞれに抱えるものが、
不倫、無戸籍、姑問題、性被害、家族の死、余命宣告…
いやいやこの世の罪を全て女に背負わせる気か?
その3人の中心にいる性加害不倫男。なんだよこれ。
「結局は自分の人生を生きるしかない」って言われましてもね…

「最高の教師」

3年A組の熱量が苦手で離脱したわたしですが、都合の良い長台詞と松岡茉優の淡々とした演技はバランスとれてました。
生徒役のキャスティングも素晴らしかったです。
何より、最終回の奥平大兼と松岡茉優の対話にはしびれました。
生徒が抱える様々な問題を描いてきた最後に「虚無」を描くのか…
特別な不幸やトラブルはないけど、人生に希望を持てない一人の少年。
誰の言葉にも心が動かない自分にも絶望している。
ここに到達するかーーー!素直に感心してしまいました。

「何曜日に生まれたの」

野島伸司脚本の期待大ドラマ。
「Bus Stop」から始まるのでグッと掴まれるのですが、あれ?なんかみんなの倫理観というか…誰も信用できんぞ…
いつまで盗聴する?誰もちゃんと謝らないのはなぜ?友達ってなんだよ?親友ってなんだよ?誰かを救えるなんて思うなよ…。
人と人との境界線の甘さも解せぬ、という感じでした。
創作と消費の暴力性とかも入ってくるし、何のドラマなのかイマイチ掴めず不思議な感覚で見ていましたが、最後は至ってシンプル!なんかクセになるドラマでした。

「わたしの一番最悪なともだち」

主演ふたり好きです。
倉悠貴、市川実日子、などなどキャスティングのセンスの良さ。
tofubeatsが担当している音楽も良いです。ふたりが歌う主題歌もかわいい。
自分を好きになれなくて、理想の自分になりたくて、変わってない自分にがっかりして。自分って?わたしのやりたいことって?この時代だからこそ生まれる「自分らしさとは」の問いに地道に向き合い続ける。
連絡を取り合って会うような関係でもない、敬語を使い、名字にさん付けで呼び合う距離感。だけど友達。いつもどこかで意識している、嫉妬心もある。だけど気にかけている、ずっと知っている友達。
こういう女同士の友情の描き方、あんまり見たことなかった気がして良かったです。


他にも色々見ましたがこんな感じで。
秋クールのドラマも楽しみです。

いほり

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