アルバムレビュー 「Feorm Falorx」 by Plaid
どうも。今回は単曲ではなく、アルバムのレビューをしたいと思う。
アルバム名:Feorm Falorx
アーティスト:Plaid
ジャンル:電子音楽
このアルバムは、イギリス出身の電子音楽デュオのPlaidが2022年11月に出した比較的新しいアルバム。読み方は「フィオーム・ファロークス」らしい。Plaidらしい透き通った電子音、浮遊感のある旋律は健在なのだが、このアルバムは特に遊び心に溢れていると思った。美しい雰囲気に酔うように没入できる曲もあれば、つい体が動き出してしまうようなキャッチーな曲もあり、そして鮮烈に印象に残る前衛的な曲な曲もある。聞いていて飽きない、遊園地のアトラクションのような楽しいアルバムである。何曲かピックアップして紹介しようと思う。
1曲目"Perspex"は、透き通った美しいサウンドで、でも少しワクワクさせられるようなメロディーで、パソコンを起動して画面に「ようこそ」と表示されている時の何とも言えない高揚感と同じものを感じる。
イチオシなのが、3曲目の”Wondergan"で、この曲は、美しいというよりは、無邪気で子供らしさすら感じるメロディーがとてもキャッチー。そこについ踊り出してしまいたくなるようなリズムのドラムが合わさり、独特の雰囲気を生み出している。
この曲はMVも良いので見てほしい↓
そして4曲目”C.A.”では、3曲目とは対照的に、繰り返すグリッチーなビートとつつみこまれるような壮大なパッドサウンドが組み合わさり、これもまた良い。
8曲目”Return to Return"は、このアルバムの中で最も実験的な曲と言える。予想不可能な細かく不規則なメロディ(そもそもメロディと言って良いかも怪しい)、拍子のよくわからないドラム、後半に入ってくる少々不気味な響きの副メロディー
などが、カオスな響きを生み出していて…とても良い。(語彙力死亡)
9曲目”Tomason"は、7拍子の曲である。なので踊って楽しむのは少々難しいかもしれないが、跳ねるようなリズムのメロディーが反復され、そこにどんどん色々な音が加わっていくので、電子の海を、船で波に揺られながら徐々に進んでいくような間隔を覚える。これもすき。
という感じでいくつか曲を上げてみたが、これら以外にも良い曲がまだまだあるので、気になったらぜひ聞いてみてほしい。