2023/07/04 イーカロスの羽

ずいぶん前から日本の国家財政が完全に詰んでいるのは明らかだと思うけど、なぜデフォルトにならないのかは、簡単に説明してくれる人はあまりいないのではないだろうか?猿でもわかる説明を誰かしてくれてもいいのに。

日本はデフォルトをしたくてもできない状態だと思う。
1000兆円!を超える負債の多くが日本国債だというのもあるけど、対外資産も400兆円以上もっているからコトは簡単ではない。
デフォルト(破産)するには、資産の整理をしなければならないけど、対外資産(主に外国債)の数百兆円を果たして現金化できるのだろうか?
日本はアメリカの債権もだいぶ持っている(買わされている?)けど、そのアメリカが国内の予算もつくるのに苦労してデフォルト寸前の時代なのに、そう簡単に売れるはずもないだろう。(ムリだよ、ムリ)

ちなみに、国民の貯金額はなんと2000兆円を超えているらしい!!
戦時中の貯蓄礼賛を今でも守る麗しき人民だ。
これからインフレで目減りするから使った方がいいと思うけどね。
これが天文学的な日本国債を支える信用というやつなのかもしれない。

日本の財政がこれほどマズイ原因は色々とあるけど、もっとも大きな問題は少子高齢化だと思う。
国家予算の1/3(30兆円以上)は社会保障費が占め、社会保障給付費は100兆円を超えている。
移民の受け入れ、デジタル促進とか小手先の政策は出すけど、ハッキリ言って、子供が増えないのに老人ばかり増えていれば焼石に水だ。

子宝とはよく言ったもので、子供が生まれない国は滅びる運命だ。
こうなるのはもう何十年も前からわかっていたけど、誰も何もしないまま放置され続けてきたから、このまま限界までいくのだろう。

日本という国は、鳥の羽がどんどん抜け落ち、みるみる高度が落ちている状態だ。地面に叩きつけられる寸前の状態だ。イーカロスの羽状態だよ。
橘玲さんの箴言にしたがい、いまのうちに黄金の羽根を拾って、遠くへ逃げていく人は賢いかもしれない。

個人が騒いでもどうにもならないし、終わりが来るまで、みんな、見て見ぬふりをするしかない。庶民は江戸時代末期のようにえーじゃないかと騒いで今を懸命に生きるしかない。
しかし、生きているうちに、「その時」が起きる不気味な直感はあるな。