深層祭2でフラスタ企画を主催した話

Vtuberのリアルイベント「深層祭2」で推しの刺杉あいすさん(あいす先生)にフラワースタンドを送る企画を主催した際の私的な記録。


2024.3.23 深層祭2にて

前置き

深層祭

深層祭とはVtuber事務所「深層組」が主催するリアルイベントです。深層祭2は2024年3月23日に新宿区新大久保のK-Stage O!で開催されました。普段は2D3Dのアバター姿で活動している深層組メンバーが実写で登場して企画やトークなどを行うというものです。

フラワースタンド(フラスタ)

フラスタとはスタンド脚に花やパネル、その他の装飾施したフラワーアレンジメントで、推しのイベント出演を祝うためにファンが集まって、または個人で贈るものです。

主催となったきっかけ

深層祭2の開催が発表されたのは2023年12月30日。
常日頃、あいす先生の活動に対して何らかの形で感謝を示せないかと考えていたので、深層祭2開催を知ってすぐにフラスタ企画の主催を思い立ちました。深層祭では他に手紙やプレゼントを贈ることができるのですが、それらは個人的なもの。できればリスナー同士で協力して感謝と祝福を示したいと思ったのがフラスタを選んだ理由です。
私は前回の深層祭のことも知らないですし、イベント事に花を贈ったこともなく不安はありましたが、同じ深層組リスナーのひがしま様が前回深層祭のフラスタ企画についてnoteの記事を書いてくださっていたことが後押しとなりました。
善は急げと言いますし、他の方の企画と重複するとややこしいことになるので、Twitterの専用アカウント以外特に準備もないまま12月31日に企画の立ち上げを告知したのでした。

本題

フラスタ業者

フラワースタンドの制作を請負う業者はネットを探せばいくらでも見つかるのですが技量や信頼性がわからないので、前述のひがしま様のnoteを頼りに深層リスナーが利用したことのある3社を選定し、概算の相見積もりを依頼しました。
正月明けでメールが紛れたのか1社は返答なし。残る2社は一方が自社でフラスタを制作する花屋、もう一方は花屋にフラスタ制作を割り振る業者で見積額は同程度でした。可能な限り連絡などの行き違いを避けたかったので、フラスタの仕様について直で話のできる前者を最終的に選びました。
後で知ったのですが、パネル制作を依頼したキンコーズでもフラスタ業者の斡旋をしているそうです。

フラスタの構成と価格

フラスタは大きく分けて1)本体(花籠と花籠を支える台と花)、2)装飾、3)パネル(イラストパネルと名簿パネル)に分けられます。
これらの制作費に配送料、回収料、イラスト制作料を加えたものが大体の合計金額になります。

1)本体
フラスタ本体には基本フォーマット(?)があるので、まずベースを決め、次に花の色や装飾などの細部を詰めることになります。今回最初に選んだのは下のリンク先の「1段」で、後に「2段」に計画変更しました。中には独創的な造形で基本フォーマットにとらわれないものもあります。

HANAShigoto
【フラスタデザインシート5種】あれ?イメージと違うって経験のある方へ
https://87shigoto.com/flower/designsheet/

私が制作依頼したフラスタ業者では本体、装飾、配送料、回収料が一式になっており、2段で7万円台前半(税別)でした。これにパネル代とイラスト制作料を加えた額が総額です。
総額は明記しませんが上記の金額が総額の約半分を占めていました。

2)装飾
ハート型やアルファベットをかたどったアルミ製の風船、ゴム風船、縮緬皺のカーテン状の装飾などのことです。今回は"SAHISUGI AISU"の文字バルーン、リボン、スカートとカーディガンに見立てたレース、それと先生のキーカラーの風船を装飾として追加しました。
他のメンバーのフラスタではあえてこれらの装飾をせず、全体の統一感で存在感を際立たせていたものもありました。

3)パネル
フラスタに取り付けたパネルは「イラストパネル」と「名簿パネル」の2枚でいずれもスチレンボード製です。
どちらも制作の工程は同じで、パネル業者に印刷データを入稿、業者が印刷とカットを行い指定したフラスタ業者へ発送となります。パネル業者はネットで調べて納期と金額で決めればよいと思います。クオリティに違いってあるんでしょうか?
私が利用したのはキンコーズです。キンコーズはパネル制作で細かい要望に対応してくれるのと、データ入稿からパネル発送までが比較的短いのが利点です。一方、仕様を相談して見積もりを取り金額が確定するまで何度かメールでやりとりが必要でした。データの入稿はその後になります。いきなりデータを入稿するという流れではないので注意が必要です。
下記はイラストパネルと名簿パネルを制作するときの注意点です。

【イラストパネル】
イラストレーターの選定は「パネルやポスター等の制作経験がある」という条件であとは私自身の好みで選定し、形式的に見積もりをいただいた後、即発注となりました。
発注の際には「ポーズ、衣装、表情等」の他に画像の仕様をイラストレーターさんに伝えておく必要があります。今回必要となった情報は、最終仕上がりの大きさ(A2版)、解像度(300 dpi)、カラーモード(CMYK)、トリムマークの要否(不要)、塗り足しの要否(不要)、カットラインの要否(不要)、必要な余白(左右及び上辺から1センチ)でした。
わからない仕様はパネル業者に確認して正確に伝える必要があります。
*カッコ内は今回の仕様
一方、パネル業者に伝えておくことは、素材(ポリスチレン)、サイズ(A2版)、厚さ(7ミリ)、カットライン(パネル業者で作成)、納品日くらいです。納品日はフラスタ業者への出荷日になるので到着までの日数を見込んで指定しておきます。
カットラインとはイラストの輪郭の外側約1センチに設定する印刷されない線のことで、パネル業者はこの線に沿ってパネルをカットします。パネルをカットする設備側の都合もあるので、カットラインはパネル業者側に作成してもらうのが無難だと思います。なお、カットラインを入れたあとの画像データは見せてもらった方がいいです。今回、ラインが一部画像に沿っていなくて修正依頼をするということがありました。

【名簿パネル】
フラスタ企画に参加していただいた方の名前を記したパネルです。
当初はA3の白いスチレンボードに祝いの言葉と名前というシンプルなものにする予定でしたが、発注前にイラストを配置してカットしたものに計画変更しました。理由はできるだけ見た目に楽しいものにしたかったのと、参加者が増えて予算に余裕ができたことです。ただし、イラストを書き起こすには時間も予算も不足するので、そこは素材を使用しています。
キンコーズはデザインの制作も自社で行っているので、ざっくりとしたレイアウトと予算を伝えて案を作ってもらい、出てきた案を確認、名簿を渡して名前入りの最終原稿を作ってもらい、また確認という流れです。キンコーズからのデザイン案の提出が早かったのでなんとか間にあった感じです。

イラスト制作費以外では、名簿パネルにデザイン料が含まれているのでその分高額になっていますね。

企画参加料と支払い方法

企画参加料は悩みました。過去の企画はどこも参加希望者をDiscordサーバーに招待してそこで金額を提示していたようで、金額を公表している例を見つけられなかったからです。しかたないので、これくらいなら参加を検討してもらえるだろうという大雑把すぎる理由で1口3,000円、1人3口までにしました。1人の口数を制限したのは参加者にムリをしてほしくなかったのと、出資額に大きな偏り(たとえば1名が半分以上出すような)を作りたくなかったからです。
また、私は深層組リスナー界隈では新参だったので、とにかく参加を検討してもらうために参加料はTwitterで公開しました。

支払い方法は次があるかわからない企画のために銀行口座を開設するのも面倒だったのと振込手数料がかかると理由からPayPayで、あとは要相談としたのですがこれは間違いでした。支払い段階で銀行振込を希望される方が多くPayPay:銀行振込が4:6くらいの割合になりました。
PayPayは現在、大手のクレジットカードとの連携ができなくなりPayPayカード(PayPayのクレカ)か銀行口座との連携だけになっているのであまり新規でアカウントを作ろうという気にならないのかもしれません。銀行振込は振り込む側の氏名を変えられるので、手数料に目を瞑ればPayPayよりも良い選択肢だったようです。

支払い期間は3週間程度取り、期日までに参加者全員に入金入金していただくことができました。

スケジュール

フラスタの代金の支払いは納品日の1ヶ月前まででよいのですが、支払わないと業者の制作スケジュールを押さえられないので2ヶ月前の1月下旬には支払いを済ませています。深層祭の開催された3月は花の需要期でもあったので慎重を期しました。実際に1か月前までにフラスタ業者のスケジュールが埋まるものなのかはわかりません。
あとは逆算です。パネル2種のフラスタ業者への納品期限がフラスタの納品日のおよそ10日前なので、そこからさかのぼってパネル業者のパネル制作期限、パネル用データ原稿納品期限が決まります。さらにイラストレーターさんのイラスト納品期限と名簿パネルの名簿の確定日、名簿を確定するということは参加者募集の期限が決まるということでもあります。
イラスト制作にかかる期間はイラストレーターさんによってマチマチだと思いますが、仕様決定後、純粋にイラストを制作するための期間として最低1ヶ月は見たほうが良いでしょう。

告知の方法

X (旧Twitter)の専用アカウントから概要の告知をし、興味をもった方にDMを送ってもらいDiscordサーバーに招待して、そこで詳細な参加条件を提示する形にしました。
参加するか決めていなくても概要やスケジュールは見られるので、参加予定者にとっては判断材料が多いやり方ですが、進捗報告やイラスト案を参加表明していただいた方のみに公開するために権限分けが必要です。

謝辞

深層祭を開催してくれた深層組のメンバー及びスタッフの皆さん、企画に参加していただいた方々、企画のポストをリポストで拡散してくださった方々、前回深層祭での経験をnoteに残してくれたひがしま様、イラストレーターのF.jimmy様、フラスタを制作していただいたフラワースタンド.jp様、パネル制作でお世話になったキンコーズ様、今回の企画にご協力いただき誠にありがとうございました。
何分初めてのことだったので不安なことだらけでしたが、あいす先生に喜んでいただけたので大成功だったと思います。

最後に裏話を。
企画立ち上げ直前、自分ひとりで全て判断を下すことに不安があった私は、あいす先生のリスナーの方数名にTwitterのDMで助言役のお願いをしました(全員からご快諾をいただきました)。
声掛けした方には全ての決定について意見を求めるのではなく、後戻りできずかつ不安のある部分についてのみ、自分のやり方に間違いがないか相談させていただきました。その際はご助言をいただき誠にありがとうございました。

おわり

細かすぎる話

 ~なぜイラストパネル制作にキンコーズを選んだか~
イラストパネルはイラストの輪郭ギリギリでカットするのではなく、輪郭から1センチ程度外側に印刷されないカットラインというものを設定してその線に沿ってカットします。そのためイラストを描けるのはA2版めいっぱいよりも小さくなります。今回は4辺のうち上と左右がカットラインあり、下がカットラインなしという変則的な指定をしました。
下方向にカットラインなしを指定したのはイラストが全身ではなく上半身のみだったので、下方向にカットラインの余白があると不自然だと思ったからです。でも実物では下辺は花に隠れるのでそこまで気にする必要はありませんでした。
このカット方法に対応してくれるところを探してキンコーズを選んだという訳です。

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