謎解き好きな人がパズルに興味を持った時に、まず取り組むとよいものは

謎解きが好きな人の中には、パズルも好きな人が結構いると思うのですが、ちょっと解いてみたいなと思った時、何を解いてみればよいか分からないが故に、パズルを解くことが出来ていない人がいるのではないかという気がしています。
それは謎解き業界においても、パズル業界においても本当にもったいないことだと思います。
なので、私個人の範囲ですが、これから始める人向けのガイドを作成してみました。
恐らく、謎解き好きな人は、ただ易しい問題よりは、適度な手ごたえのある良問を解いてみたいという人が多いと思うので、そういう人のためにおススメのものを紹介したいなと思います。

本題に入る前に、何故こういう記事を書いたのか少しだけ述べたいと思います。
現在の日本のパズル業界が不運なのは、書店に行けば、沢山過ぎるほどのパズル雑誌があり正直言ってどれが良いのか分からない感じになってます。
更に、アプリもいっぱいあるし、Webサイトもあって、(自分も含め)把握しきれない状況になっています。
その上、パズルの質が玉石混交なので、せっかくパズルに挑戦してみても、運が悪いと、質の低いものや、自分に合っていないパズルばかりに出会ってしまい、「なんだパズルって面白くないなあ」となってしまう可能性がだいぶあります。
パズルの世界は、質の悪いものや、難しすぎるものに、結構出会いやすいような気がします。
ある程度基準が分かっている人なら、質の悪いものに出会っても、これはきっとパズル作成に慣れてない人が作ったパズルだなと思えますし、難しすぎる問題に出会っても、ああ、これは自分にとっては難しすぎるものだ、と思えるわけですが、まだあまり経験がない人がそういうものに出会ってしまうと、パズルは面白くないとか、自分はパズル向いてないなとかなってしまいます。
それはかなり残念なことだと思います。
そういう不運なことを生まないためにも、ある程度知っている人が、もっともっとおススメパズルを紹介する文化が、パズル業界にあるといいなと思っております。
そう日頃から感じていたため、このような記事を書いてみました。

いよいよ、おススメのものを紹介していきますが、今回紹介するものは、あくまで自分が把握できている範囲でということなので、もちろん他にも色々と良いものはあると思いますが、その点についてはご了承願います。


<ニコリ>
初心者にも優しいのは、何と言っても断トツでニコリだと思うので、まずはここから解いていくのがおススメ。
難点はニコリ独自のパズル中心になるため、他の雑誌では見かけるようなパズルに触れられないこと。
とは言え、ニコリのパズルだけでもかなりの種類があるので、まずはニコリだけに集中して、もっと他の種類のものが解きたくなってから、徐々に他のものにも手をだしていけばよいのではないかと。
因みに、ニコリは編集方針として掲載する問題の難易度に上限を設けているようで、ある難易度より難しい問題はほぼ掲載されないため(例外は超激辛数独)、ニコリで難問がすらすら解けるようになっても、他のところに掲載されているパズルを解いてみたら、苦戦するということはしばしば起こりえます。
(誤解のないように言うと、ニコリのパズルでも普通に楽しむレベルの人にとっては十分に難しいです。ただ、ごく一部のパズルが本当にとても解ける人向けの、超高難易度な問題はありません、という意味です。)
また、ニコリでは、一部のパズルに初級、中級、上級タイムが載っていますが、初めのうちはそんなに気にしなくてもよいと思います。
(ハマりだすと、目指せ中級! 目指せ上級! みたいになってきます。)

● パズル通信ニコリ
様々なパズルに触れられます。
号によって載っているパズルが違うので何号も買うと、より色んなパズルに触れられます。
(たまたま、自分にとってはあんまり好きではないパズルばかりが載っている号に当たってしまう可能性もあります。)
易しいものから難しいものまで幅広く楽しめます。
沢山応募された問題から厳選された問題しか掲載されないので、問題の質がとても高いです。
1号あたりの1種類ごとの問題掲載数は少ないので、もっともっと解きたくなるかもしれません。

● ザ・ペンシルパズル2020(ニコリのペンパ2019 パズルBOX13)
こちらの方がニコリ本誌よりも問題数が多く、種類も多いので、パズルをがっつり解いてみたいと思ったら、本誌よりもこちらの方がおススメです。

● ニコリ 名品100選(文藝春秋)
大人気パズル「数独」「カックロ」「スリザーリンク」について出版されています。
本が出たのが少し古いので、問題の傾向も少し古さがあるかもしれませんが、厳選された傑作しかないので、問題の質は最高レベルだと思います。
更に、一問一問にコメントがついていて、この問題はどのあたりが面白いのかを説明してくれるので、入門者でも問題の楽しみ方が分かります。
こういった理由により、ぜひ早めに触れて欲しい本です。
(ちなみに、自分は元々「数独」と「スリザーリンク」はそんなに好きではありませんでしたが、この本に出会って、好きになりました。)

● まるごとパズル ペンシルパズル本 など
一つのパズルに特化したものです。
自分がお気に入りのパズルがあったら是非挑戦してみて欲しいです。
一種類のパズルについて、易しいものから難しいものまで幅広く、たっぷり楽しめます。
(自分が好きなパズルのペンシルパズル本をどんどん解くという経験は、パズル好きなら誰もが通る道だと思います。)

● Japanese Number Puzzles by Nikoli
ルール説明が英語なので、別の本でルールを確認する必要があるかもしれませんが、全体的に難易度がかなり控えめで色んな種類のパズルが楽しめるので、易しめの問題を色々と解いてみたい人には、最初の一冊としておススメです。
この本ならば、初心者でも少し頑張れば、一冊全ての問題を解くことができると思います。

● パズルノート
謎解き要素を含んだストーリーありのパズル本です。
パズルに関しては難易度控えめのものが多くて、更に、色んなパズルに触れられるので、今回のターゲット層にとても合っている本だと思います。

● パズル・ザ・ジャイアント傑作選
最初のうちは、小さいサイズでも十分に満足できますが、その内に大きなサイズでなければ物足りなくなってきたら、こちらをおススメします。
ニコリでは編集方針として、小さいサイズは難易度も控えめのものを掲載する傾向があります。
逆を言えばジャイアントは難しめの問題になる傾向があります。
この本には、易しくスラスラ解けるジャイアントの問題も載っていますが、全体的にはニコリとしては難易度高めのものが多いかと思います。

● ニコリデジニコ支店
最近、ニコリの本のいくつかはデジタル版が出ています。
もしデジタル版がよければここを覗いてみましょう。
初心者におススメなのは、「まるごとパズル おためし版」。
無料で様々なパズルについて、易しめな問題を沢山解けます。
解いているうちに、自分が気になるパズルがあれば、そのパズルの本を購入してみるとよいと思います。

● スマニコリ
スマートフォンのアプリです。
パズルの種類は「数独」と「美術館」のみと少ないですが、こまめにログインするか動画をみれば、無料で沢山問題を楽しめます。

(参考)
● 次ニコ 「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー2019-2020 発表」
次ニコはニコリのブログです。
その中の記事に「ペンシルパズル・オブ・ザ・イヤー」というのがありますが、こちらはその年の傑作問題を紹介している記事なので、参考にしてみて下さい。

脱線しますが、ニコリさんは様々なパズルの名称について商標とっています。
このことは良い面があると思います。
それは、低いクオリティのパズルを勝手に作られた際に、商標権の侵害を主張することができるということです。
この結果として、ニコリに載っている種類のパズルは、質の低いものがあまり広がらないように出来ていると思います。
その一方で、デメリットもあります。
例えば「数独」と「ナンバープレース」のように名称が複数存在するパズルがいくつか存在していることです。
この辺りの事情は初心者には少し分かりにくいかなと思っております。


<世界文化社>
昔「パズラー」という、当時最高峰のパズル雑誌を発売していた出版社ということもあり、問題制作者が豪華です。
そのため、この出版社から出る本はどれも安心のクオリティです。
最近はナンプレ関連の本以外はあまり出ていないのが残念です。

● ナンプレファン
ナンプレに特化していることもあり、様々な難易度のナンプレや、様々なバリエーションのナンプレを解くことが出来ます。

● パズルBOOKS
ニコリのペンシルパズル本に対応する、単行本サイズのパズル本。
最近はナンプレばかりですが、自分が解いてみたいと思ったパズルが載っているもの、自分に合ったレベルの問題が載っているものを買って解いてみるとよいです。

● 難問ナンプレ解き方のコツ あま辛ナンプレ/ぴり辛ナンプレ/すご辛ナンプレ
ナンプレは、他の種類のパズルに比べると沢山出題されているが故に、今や常識となっているテクニックも沢山存在しています。
相当パズルが解ける人以外は、それらのテクニックを知らないと、難問ナンプレは解けない状況になってきているので、テクニックを学ぶ必要があると思います。
難問ナンプレを解くためのテクニックを身につけるのに、上記の本がおススメです。


<スモール出版>
「リアル脱出ゲーム 公式過去問題集」など面白い企画の本をいくつも出している出版社ですが、その中にはパズルの本もあります。
パズル専門の出版社ではないが故に、パズルも初心者にも楽しめる問題が多く掲載されています。

● ロジカルパズルRPG 魔法の迷宮と隠された扉
各パズルについて、最初は易しめの問題から徐々に難易度がアップしていきます。
様々な部分でパズル初心者への配慮が感じられる本です。
全ての問題が解けなくても、最終問題にたどり着ける親切設計になっています。
解き進めるにつれて、自分のパズル力上がっていくのが感じられます。
かなりおススメの本です。

● 謎解きパズルドリル
ニチョ謎のコウさんがすべての問題を作成しています。
最初は控えめの難易度ですが、後半はかなり難しめです。


<本屋で手に入る その他の本>
● ナンプレ&パズルの世界チャンピオンからの挑戦状 ~王者が考えた100のパズル~
世界チャンピオンと書いてあるので、難問ばかりかと思いきや、実際には初心者におススメのパズル本だと思います。
色んな種類のパズルが楽しめます。

● 東大パズル王 世界でいちばんアツいパズル
初めてパズルに触れる人にも楽しんでもらおうという、配慮が色々となされています。
色んな種類のパズルが楽しめます。
(今回の記事の内容とは関係ありませんが、最初の方に載っている、謎解きとパズルの対比に関しては、個人的にはそうかな? と思うところも。)


<本屋以外で手に入る その他の本>
● トケタ?
今日本で最もパズルを楽しめる本だと思います。
毎年新しい号が出ています。
様々な種類のパズルが楽しめます。
作家陣も豪華です。
面白い問題が多いです。
商業誌では恐らく出せないような、挑戦的な問題もあります。
それゆえに、パズルが好きな方には是非とも入手して解いてみて欲しいのですが、一つだけ注意点が。
それは、物凄い難しい難易度の問題が沢山収録されているということです。
難易度は1~5で表記されています。
こう書いたら、ふつうは難易度3くらいだったら、ほどほどな難易度かなと思うのではないかと思いますが、はっきり言って、3以上は難問なので解けなくても、全然心配いりません。
そのことを知らないと、あまりの解けなさにショックを受けてしまうと思うので、お伝えしておきます。
もう少し難易度を控えめにした、別冊もありますので、先にこちらに挑戦してみるのもよいと思います。

● パズラバ
昔発売されていたパズル雑誌「パズラー」のエッセンスを受け継ぎつつ、時代の変化に合わせて作られた総合パズル誌です。
パズル制作者の思いがかなり込められていて素晴らしい出来です。
様々なパズルを楽しむことが出来ます。
全体的に難しめのパズルが多いので、初心者の方は易しめの問題中心に楽しむのがよいと思います。

● 成宮由愛のPuzzle Sketch Book
アイドルマスターシンデレラガールズの登場キャラクター「成宮由愛」にまつわるパズルを収録した、パズル本です。
キャラクターものですが、パズル作家の人たちが問題を作っているので、問題の質はしっかりとしています。
問題の種類はかなり多いですし、問題の難易度も幅広いです。
更に、一問一問コメントがついているので、問題の楽しみ方も分かります。
なので、結構おススメです。


<インターネットで手に入るパズル>
● パズル党東京支部ブログ
東京大学ペンシルパズル同好会が五月祭や駒場祭で配布しているパズルが掲載されています。
易しめの冊子から、ハバネロという超難問まで幅広い難易度のパズルを楽しめます。

● スマホアプリ「100 Logic Games - Time Killers」
英語のためルールが分かりにくく、質が微妙な問題もありますが、無料で物凄く様々な種類のパズルが楽しめます。
パズルをちょこちょこっと解いてみたい時によいと思います。


【更に解いてみたいと思った方に】
名前だけ挙げておきます
● ニコリ 「超激辛数独」
● 学研 「超難問ナンプレ&頭脳全開数理パズル」
● Puzzle Square JP
● JZC 図形パズル会
● WSC・WPC選抜大会 ジャパンオープン(日本パズル連盟ホームページに掲載)
● 日本パズル連盟ホームページのリンクに掲載されている世界大会関連


人によって、自分に合うパズルは違いますので、自分に合ったものを見つけて、楽しいパズルライフを過ごして頂けたらと思います。

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