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033.動かないと続かない。

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2010年2月末。
チリ地震の影響でイースター島に立ち往生してしまった私は、2日あれば十分観光できるこの島に、1週間ほど滞在することとなりました。

ようやく首都サンティアゴの空港が復帰し、壁に亀裂の入った管制塔へ着陸したとき、事の重大さに気が付きました。


完全に被災地となったサンティアゴ、旅どころではありませんでした。
ここからはデジカメの充電が切れていたため、ほとんど写真は残っていませんでした。


本来であれば、この後シドニーへ渡航する予定でしたが、飛行機はほとんど飛べる状態ではありませんでした。
私はこの先どうすればよいのか、判断できず空港からアテンドされた、海外渡航者専用の簡易ホテルへ向かうこととなりました。

飛行機が飛ぶようになればホテル受付が知らせてくれるとこのこと。
焦っても何も解決しないし、とりあえず簡単なランチを食べようと外へ出ます。

壁が崩れかけた飲食店、傾いた信号、ヒビの入った道路。
そんな光景でも町は動いていました。

割れ欠けた電球をつけカフェを営業し、
テラス席のみ活用してレストランを営業し、
アナログなチケットでバスを動かし、

被害の逢った街とは思えないほど、そこには「穏やか」な雰囲気が漂っていました。
文化の違い、という言葉で片づけてよいのでしょうか。

とにかく穏やか。スターバックスも営業していました。


そんな街を散策してホテルに帰ると、部屋に置き手紙が。

「LANーLIMA DEPARTURE 21:00. PLEASE GET TO AIRPORT.」

どうやらLAN航空というエアラインの飛行機が21時にペルーのリマへ向かうとのこと。

(ペルーか。。)


とにかく、旅は動かないと続かない。
私は被災地を後にするため、朝チェックインしたこのホテルを、午後にチェックアウトすることとなりました。


つづく。











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