正直者が馬鹿を見ない研究環境を目指して
ご存知というかなんというか、10年前から私はある種の「研究不正ウオッチャー」になっている。
なぜこの「沼」にハマったかと言えば、いわずと知れたSTAP細胞事件だ。
何度か触れてきているが、もともとは博士号取得者のキャリアパス問題を追っており、それで著書が「科学ジャーナリスト賞」を受賞しているくらいなので、いまでもそれを「ライフワーク」としている。
そんな私がなぜ研究不正を扱うようになったかと言えば、旧知の毎日新聞の記者さんからの紹介で、STAP細胞事件にコメントを求められたのが始まりだ。
STAP細胞事件の背景に、研究分野間の争いなどがあったのだろうと述べたのだが、それがどうも他のメディアの記者さんの目には新しかったらしく、多くの取材を受けた。STAP細胞事件に関する単行本を、おそらく日本で一番最初に出したりもしている。
この本は、研究不正に触れていながら、研究者のキャリアパスの問題にも触れている。研究不正が起こる背景に、研究者のキャリア問題があるだろうと考えたからだ。
研究不正のウォッチャーなら、もっともっと詳しい人たちがいるし、研究不正を含む研究公正を研究しているわけではない。そういう意味では、研究不正を「看板」にしているというには心許ないなあと思っている。
本当のウォッチャーや専門家なら、別にいる。
外国ならば、以下などだろう。
というわけで、私など全然大したことはないのだが、乗り掛かった船を降りず、研究不正の問題を追い続け、記事を書いたり本を出したりしている。本はしっかりとした専門家に執筆していただいており、私は「客寄せパンダ」みたいなものだ。
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