診断と研究の「離婚」
近年、言ってしまえばこの20年、医学部における病理学研究は大きく変わってきた。
病理学というのが、病気のことわり(理)を研究する、つまりどのように病気が起きるのかを分子レベルで研究することだとすると、何も病理専門医の資格を持っている必要はない。
というわけで、主要旧帝大(という区分はあまり好きではないが)では、病理学研究をするのは病理医ではなくなっている。
阪大の教授だった仲野徹氏などがその代表例だ。
病理診断医の育成や大学病院における病理診断は大学病院にある病理診断科に一本化し、研究部門は医師ではあるものの、病理医ではない「ガチモン」の研究者が就任するというのがトレンド、止められない流れなのだろう。
要は病理学と病理診断が「離婚」したのだ。
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