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人生に錨をおろすな

 タイムリープという言葉がある。

 同じ時間を繰り返すというやつで、このテーマの物語は多い。


 私が印象深いのは、手塚治虫の火の鳥"異形編" だ。

 ネタバレになってしまうので、これ以上はやめておくが、繰り返される時間にとらわれ、脱出を試る人間の悪戦苦闘が描かれる。

 時間は一方向。過去の失敗をもう一度やり直したい…。そうした人々の気持ちに刺さるのだと思う。

 突然であるが、これは創作の世界の話であり、タイムリープは存在しない。

 しかし、過去の一つの出来事にとらわれ、脳の中で繰り返し再生して、脱出できない人がいる。

 あの時の失敗をああしていればよかった、こうしていればよかったと延々と悔やみ続ける…。

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