「穢れ」と病理医
最近、「ブルーカラー」が大きな議論の的となっているようだ。
人々が思っている「ブルーカラー」がどうもずれていたり、脳内イメージだったりして、かみ合っていないような感じもするが、室外で汗をかき、体を使い汚れる仕事がブルーカラーで、それを見下している人が多いということが議論になっている
どうもブルーカラーは、体という資本さえあれば参入できる、参入障壁が低いと思われていることが、その偏見の源のようだ。
しかし、ブルーカラーという言葉でくくるには雑すぎる多様な職業があるし、ホワイトカラーだって肉体を使う要素があるだろう。参入障壁だってまちまちだし、参入障壁が低ければ簡単な仕事だ、と割り切ることはできない。
仕事をブルーだのホワイトだの、襟の色で分けるのではなく、個別に考えていく必要があるだろう。なんせ職業は万を超えるほどあるのだから。
体を使い汚れる仕事なら医師だってブルーカラーだろう。参入障壁はちょっと高いが。
糞尿、血液が体に付着するし、肉体を使う。何時間も手術する体力、気力は相当のものだ。いわゆる「処置」は患者さんの体に接する。
いわばインテリ・ブルーカラーとでもいうべきか。
医学部で部活動が症例され、東医体だの西医体だの、医学部だけの体育大会があるのも、体を使うことが重要だと認識されているからだろう。
なお医学部ではラグビー部出身者がメインストリームにいるような気がする。
あの山中伸弥教授だって「ラグ部」出身だ。
肉体とともにチームワーク、戦術という頭脳の要素が加わるラグビーはインテリ・ブルーカラーと相性が良い、ということだろう。イングランドの上流階級から始まったスポーツであるというのも、医師との相性の良さを感じる。
ただ、医師のなかにもデスクワークの要素が大きい診療科もあって、ブルーカラー要素はまちまちだ。
放射線診断科はかなりデスクワークの要素が大きい。一方で救急などはかなり体を使う。
救急はだからこそ、交代勤務が進んで働き方改革のかなり先頭をいく…ようなイメージがある。
では私が専門の病理診断科はどうだろう。
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