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デュアルユースの混乱
先週、2つの記事が出た。それほど話題にもならなかったが、何も重要な記事だ。
どちらの文章も、デュアルユース研究について触れている。
政府の防衛力強化に関する有識者会議で、先端研究を民生と軍事の双方で活用する「デュアルユース(両用)」が論点となった。「科学技術と防衛が遮断されている現状を改めるべきだ」といった指摘が相次いだという。
研究機関でAIや量子、無人機などの研究や開発を支援する。防衛力の強化の方策をさぐる有識者会議でも「民生用と防衛用の基礎技術という区別は無意味」といった意見が出た。政府が年末にまとめる国家安全保障戦略などでもデュアルユースの扱いが注目される。
どちらも今年日本学術会議が出した文章について触れており、デュアルユース研究を容認したとのニュアンスで捉えている。
一方、今日の科学技術とりわけ先端科学技術、新興科学技術には、用途の多様性ないし両義性の問題が常に内在しており、従来のようにデュアルユースとそうでないものとに単純に二分することはもはや困難で、研究対象となる科学技術をその潜在的な転用可能性をもって峻別し、その扱いを一律に判断することは現実的ではないと考えます。
お気づきだろうか。おなじデュアルユースという言葉を使っていても、中身が違うということを。
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