大量論文撤回へ?神経科学権威エリーザー・マスリア疑惑
研究論文の撤回が相次いでいる。いや、もはや日常というか。
来週ノーベル賞の発表があるが、ノーベル賞受賞者の論文撤回も結構あるようで、Retraction Watchが特集していた。
日本人の論文撤回も、Retraction Watchのランク上位に張り付いたままだ。まあ、このランキングは累計なので、減ることはないのだが。
論文撤回は決してすべて悪というわけではないが、影響は大きい。撤回後のほうが多く引用される論文も多い。撤回されたことが気づかれないことが多いからだ。
日本発の撤回された論文が、いまだ引用されている「ゾンビ論文」になり、大きな影響を与えているという話もあった。
ところで、今新たな「大量撤回」の予兆が出ている。
それが神経科学者エリーザー・マスリア氏に関する疑惑だ。サイエンスが大きく取り上げ、gigazineも記事にしている。
まだ撤回されているわけではないが、もしこの論文が撤回されることになれば、その影響は甚大だ。薬などの根拠にもなっているからだ。
今後エリーザー・マスリア氏の疑惑は、医療界を揺るがす大スキャンダルに発展する可能性がある。STAP細胞事件の比ではない。
この大スキャンダルの芽を報じている日本のメディアは少ない。
神経科学と言えば、アルツハイマー病の論文に関する疑惑が取りざたされたばかりだ。
その2000回以上引用された論文は今年6月24日に撤回された。
今後も動向を追っていきたい。
さて、以下の有料部分では、撤回論文の現状に関する論文を読んでみる。以下は別記事になっているので、無料部分だけでも記事は完結しているが、もし気になる人がいたら、記事をご購入いただきたい。定期購読者はもちろん読める。
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