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【就活】就職人気企業ランキング考

「就職人気企業ランキング」というのがある。このランキングは妥当なのかどうか、いつも気になっていた。

そこで、24卒の就活生を対象に調査した、キャリタスの「就職希望企業ランキング」をみてみよう。

1位に損害保険ジャパン、2位に三菱UFJ銀行、3位に東京海上日動火災保険、同3位にみずほフィナンシャルグループ、5位に三井住友銀行という順位である。

損害保険ジャパンが3年連続1位。金融以外では商社とIT系がトップ10にランクイン
金融機関が上位に多数入っており、人気の高さがうかがえる。また、NTTデータ(8位)、Sky(9位)、野村総合研究所(16位)、NTTドコモ(27位)などの通信・情報サービス企業も、昨年よりランクアップ。本格的な採用再開を受け、日本航空、全日本空輸の人気も上昇している。

キャリタス

調査方法

「就職人気企業ランキング」では、調査方法の詳細が明記されていない場合もあるのだが、このキャリタスの調査は明記されていた。

■調査方法

就職情報サイト「キャリタス就活2024」会員のうち、調査対象大学に在籍する大学3年生及び修士1年生を対象に実施。インターネット上のアンケートで就職希望企業をデータベースから志望度順に最大10社(5位までは必須選択)まで選択してもらい、1位:10ポイント、2位:9ポイント、3位:8ポイント、4位:7ポイント、5位:6ポイント、6位:5ポイント、7位:4ポイント、8位:3ポイント、9位:2ポイント、10位:1ポイントとして換算。ポイント数によって就職希望企業ランキングを決定(学年は調査開始時点、企業名は2022年9月時点のもの)。

キャリタス

対象の学生は、就職情報サイト「キャリタス就活2024」会員(のうち調査対象大学に在籍する大学3年生及び修士1年生)。キャリタスに登録する時点で何らかの偏りがあるかもしれないが、大手就活サービスなのでそこは良いとしたい。

インターネット上のアンケートのみという点も評価できる。

このような就活ランキングの調査方法は、インターネット上のアンケートに加えて、就活イベントに参加した就活生にアンケートを取る形式も多い。就活イベントに参加した就活生を含めてしまうと、就活イベントに出展する企業が有利になってしまう。なぜなら、就活イベントに出展する企業はあらかじめアナウンスされていて、それらの企業目当てで参加する就活生も少なくないからだ(中には、就活イベントに出展している企業の中から選ばせるアンケートもある!)。

その点で、このキャリタスのランキングは、キャリタス会員を対象としたインターネット上のアンケートのみなのでシンプルだ。

ポイント算出方法

順位を決めるポイントの算出方法はどのようなものだろうか。

志望度順に最大10社(5位までは必須選択)まで選択してもらい、1位:10ポイント、2位:9ポイント、3位:8ポイント、4位:7ポイント、5位:6ポイント、6位:5ポイント、7位:4ポイント、8位:3ポイント、9位:2ポイント、10位:1ポイントとして換算。ポイント数によって就職希望企業ランキングを決定

キャリタス(再掲)

1位は10ポイント、2位は9ポイント、・・・、10位は1ポイント と順位が1つ下がるとポイントも1ポイント減るというルールのようだ。シンプルといえばシンプルだが、これで実態を表せているのだろうか。

次の2点は考慮したほうがいいと感じた。

  • 1位に選ばれるというのは特別なので、1位はもう少しポイントを与えてもいいのではないか

  • 10位は1ポイントだが、数ある他の企業を抑えて選ばれたのだからもう少しポイントを与えてもいいのではないか(1位の十分の一のポイントでは少なくないか)

F1のポイントシステム

順位に応じた、もっと良いポイントがあるのではないか。こんなときに自分だけで考えても時間ばかりかかってしまうので、似たようなケースがないかどうか探るのが良い。

そして、F1(モータースポーツのFormula 1)のポイントシステムを見つけた。

2023年シーズンのF1は全23戦で争われます。各レースの結果に応じてドライバーとチームにポイントが与えられ、シーズンを通して最も多くのポイントを獲得したドライバーとチームがチャンピオンとして讃えられます。

F1のポイントシステムでは、各レースの順位に応じたポイントは次の通りである。

1位 25ポイント
2位 18ポイント
3位 15ポイント
4位 12ポイント
5位 10ポイント
6位  8ポイント
7位  6ポイント
8位  4ポイント
9位  2ポイント
10位 1ポイント

おお!
1位の特別感が獲得ポイントに反映されている。

しかし、10位は相変わらず1ポイントである。これを補正したい。

ポイントシステム(就活ランキング補正版)

次のような感じでどうだろうか。
数多くの企業の中から10位に入った達成感もポイントに反映されている。

1位 25ポイント
2位 20ポイント
3位 17ポイント
4位 14ポイント
5位 12ポイント
6位 10ポイント
7位  8ポイント
8位  7ポイント
9位  6ポイント
10位 5ポイント

キャリタスの調査では1位は損害保険ジャパン。今回のようなポイントシステムにすると、三菱UFJ銀行(キャリタスのランキング2位)やNTTデータ(キャリタスのランキング8位)あたりが、1位の座につくのではないかと勝手に推測している。

いずれにしても、ランキングがどのように変わってくるのか、興味があるところだ。


まとめ

ポイントシステムをどのようにするのかによって、ランキングも変わってくると思われる。

そもそも、このような人気企業ランキングは「ラーメンを食べたことのない人による人気ラーメン屋ランキング」ともいわれるため、ごく参考程度にするのが良いだろう。


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