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『ニコニコ動画Re:Dive』歌ってみた雑記

今回は先日投稿した『ニコニコ動画Re:Dive』の歌ってみた動画に関するなんでもない事を箇条書きでつらつらと述べていくだけの回です。半分は自分用の備忘録みたいなもの。
箇条書きなので文体が今までと違います。
ローエンド機材マイク編はもうちょっと待ってね。
動画はこちら。

機材関係

今回は2拠点3環境での録音となったため、とにかく音源の整理とトラック分けが面倒なことになった。
声量的にスタジオに行かないと録れない部分があるので拠点が分かれるのは仕方がない。今後一連の録音中にむやみに違う環境を混ぜるのはやめようと思う。

録音に使用したマイクはAudio-technicaのAE6100。
「安機材好きと言っておきながら良い値段のマイク使ってんなぁ?」と言う声が聴こえてきそうだが、これはジャンクコーナーに転がっていたのを拾ってきたので激安だった。
特に問題はなく使えている。ちょっとペタペタするけど。
AE6100を使うことに決めたのは音質が曲に合っていたから……ではなく、買ってから一度も使っていなかったため、ただ順番で。購入は去年の秋頃だった気がする。
ちなみにsongableの時にも使おうと思って一度AE6100で録音した。
しかしくっきりはっきり録れすぎてオケの心地よいローファイな雰囲気に合わなかったので、あちらではSM58を使うことになった。

余談だが、AE6100は持ち手が太いらしく、スタジオ備え付けのSM58用マイクホルダーだとほとんど刺さらない。
押し込めば入るが、備品のホルダーをガバガバにしてしまうかもしれないので無理はしないほうがいい。
自分の場合は5ミリくらい差し込めば落ちなかったので、ヨシとしてそのまま録音した。見た目はものすごく不安定だがなんとかなった。

持ち出しレコーディング用に使用していたZOOMのU-24が、定期的にクリッピングしたようなノイズを出すようになったため処分した。
昔使ったTASCAMのUS-2x2もそうだったが、私が新品でオーディオインターフェースを買うとサポートが切れたあたりで調子が悪くなるジンクスがある。
中古のオーディオインターフェースは壊れたことがないのに。

マイクプリ代わりに使おうと思って購入していたMackieの402-VLZ3というミキサーも今回初めて導入した。家の録音データが2環境に分かれてしまったのはこいつが原因である。
しかしゲインがQUAD-CAPTURE内臓のマイクプリより上がらず、音質的にも特別いいとは感じなかったためこいつも処分した。スペックシートのマイクゲイン+60dbが泣くぞ。

レコーディング関係

※マイクの話に専門用語が出てきますが、こうした話は投稿予定のローエンド機材の選び方マイク編で解説します。わからなければ読み飛ばしてOK。

先述の通り今回は宅録音源とスタジオ録音の音源が混じっている。
昨年末以降、声量を抑えて高音を出す練習を兼ねて全て宅録で録るようにしていた。
流石に長編メドレーの音域では声を張らないと出せない部分が出てきたので久しぶりのスタジオ録音となった。
ちなみにこの「声量を抑えて高音を出す練習」は、おそらく喉を締める癖が付くだけでいいことはあまり無いと思うのでオススメはしない。

使用マイクのAE6100は、指向性がハイパーカーディオイドとかなりキツいタイプ。
そのためスタジオでは近接効果を恐れ、ダイナミックマイクとしてはかなりオフマイクなセッティング(グリルから15~20cm程度)とした。
しかし実際あとで聴き比べてみると、マイク自体の高音を拾いやすい特性も影響し、低音が削られすぎてスカスカな印象の録れ音となってしまっていた。
むしろ先に家で録ったオンマイクでの音源のほうがかなりいい塩梅だったのが皮肉だ。
ある音は削れるが無い音は持ち上げ過ぎると不自然になるので、MIXでは前者は軽く低音を盛り、後者は逆に低音を削ってバランスをとった。

今回の録音に先駆けて卓上マイクスタンドを新調した。
これまでは高さも長さも足りなかったため、座ったまま前のめりで歌うような姿勢でとても歌いづらかった。
新調したスタンドは充分な調整が効くため、家でも立って歌えるようになったのは非常にうれしい。
開封時にスタンドベースの重りを思いっきり床に落とし、フローリングにでかいヘコみができたのは秘密だ。

歌の内容関係

今回のレコーディングにあたって新しく覚えた曲一覧

(このメドレーで初めて聴いたものは★を付けています)
・Credens justitiam
・ebullient future
★POP TEAM EPIC
★ハリケーンミキサー
★Southern Cross
・Trancing Pulse
★アルカテイル
★ぼくのフレンド
・夏影 -summer lights-
★ジャガーノート
★罪の名前
★INDETERMINATE UNIVERSE
★ガールズ・イン・ザ・フロンティア
★だれかの心臓になれたなら
★スーサイドパレヱド
★宵闇の唄
★SAVIOR OF SONG
★UNION!!
★Flyers!!!
(リレーゾーンは原曲を聴いて確認した曲のみ記載)
★インビジブル
★グランドエスケープ
★ぼなぺてぃーと♡S
★地球最後の告白を
★グリーンライツ・セレナーデ

ニコニコ動画Re:Diveは比較的インターネット老人に優しい選曲のメドレーだが、私がアニソンとここ10年くらいのボカロ曲を全く知らないのがよく分かるリストになった。
気質は間違いなくオタクなんだが、アニメを全く見ないことに加えて、ゲームと機材のことばかり調べているせいで新しい音楽には全く触れられていないことが如実に現れている。

「それ知らんのはおかしくない?」と言われそうな曲がちらほらある。
特に最後の2曲は(たぶん)知らないとボカロ好きと言ってもモグリだと思われそうな気がする。
これは私の性格によるもので、「今はこのコンテンツがめちゃくちゃ人気だ」と察すると全力で遠ざけようとするあまのじゃく全開な特性を持っているせい。大抵のブームにはコンテンツに人がいなくなって枯れ果ててから追いつきます。そしてなんでもっと早く触れなかったんだ、と後悔することを繰り返す阿呆。
今回一通り聴いて思ったのも「めっちゃいい曲多いな……」でした。あまのじゃくは損しかしない。わかってはいる。

昔ちょっとだけ765オールスターズ期のアイマスにハマっていた時期がある。作中の音楽はどれも良いが、特に全員で歌う全体曲?が好きだった。
UNION!!とFlyers!!!に関してはミリシタ以降をほぼ知らない(ミリマスはちょっと触った)ので初めて聴いたが、「あ~~アイマスの曲だ~~~」と懐かしさを覚えると共に一発で好きになってしまった。やっぱり私はアイマスの全体曲が好きらしい。
あと動画内MVでセンターにいる杏奈ちゃん可愛すぎませんか?

ここしばらく高音で叫ぶ歌い方は封印していた。
理由は歌うと喉が速攻で枯れるのでもっと省エネな歌い方を身に付けなければいけないとおもっていたことと、力任せに歌うだけではもう上達が見込めないだろうと思っていたことによる。
ただレコーディングの最初にテストとして最初から最後まで通しで歌った時、夢色アスタリスクで思わず上の音をとってしまい、自然に叫んでしまったことで「メドレーならこのくらいやったほうが楽しいか?」と思って解禁した。
実際やってみると、いろいろ考えながら歌った日よりも思いっきり叫んだ日のほうが喉の枯れ具合が軽いこともあった。
結局は体調次第なのかもしれない。あまり気にせず使うところでは使っていこうと思った。

ブリキノダンスをああいうふうにしたのは完全にその場での思いつき。
音域的にどうしても目立たせられないけど、全体でも流れがいいところだからなにか入れたいとは思っていたものの、レコーディングが始まっても何も浮かばなかった。
何テイクか録っている間に出だしの歌詞を「空洞で」→「求道系」と間違えたのだが、ここで「全部求道系にしてもいいんじゃね?」と閃いた。
あとはもうノリで合いの手入れるか!ってやったら楽しくなっちゃってああなりました。後悔はしていない。
ちなみに案としては去年waricoto4さんが昨年の百歌リサイタルでやっていた一発録りチャレンジも考えていた。
しかしあの芸術的な噛み芸を超えられるはずがなかったので没になった。
よかったらこちらから本家?をどうぞ。彼女はこの動画で幕張メッセのステージを掴み取りました。

ダンスロボットダンスのなんか変なこと言ってるアレは、動画内にもある通りnorimaroさんリスペクト。一回やってみたかった。
私はnorimaroさんとは全く面識がないが、先程も触れた百歌リサイタルの投稿動画と、その入賞者特典であるニコニコ超会議2023の超歌ってみたステージでの彼の演技?ネタ?を見て衝撃を受けた。
norimaroさんのスタイルである「何言ってるか全くわからないけどなんか面白い」という笑いは、漫才のように理屈で組み立てられない。
そのスタイルで「面白い」の段階に至るまでは、ひたすらトライ・アンド・エラーを繰り返し、リスナーの反応を分析して積み上げた経験則しか指針にできるものはない。はず。
一見破茶滅茶なネタの中に膨大な努力の跡を見て以来、極めて一方的にnorimaroさんを尊敬している。
(なお筆者はお笑いについては全くの門外漢である。ここまで語ってきたことも実際は的外れな事を言っている可能性は大いにあることに注意されたし。雑記なんで軽く読み流して欲しい。)
ともあれ、それだけの衝撃を受けたスタイルなので自分でもやってみたくなった。そのため、メドレーの賑やかしとして導入してみた。
筆者はラップの経験も上述したような積み重ねも無いため本家には遠く及ばない出来だが、支離滅裂でも気持ちいいフレーズを真面目に考えている時間はめちゃくちゃ楽しかった事をお伝えしておく。

追加曲について

EX追加曲はsongableマッシュアップに続いてほとんどが東方アレンジ。
すまない、本当にそれしか手札が無いんだ。

間奏はなるべく埋めたいと思って色々と考えたが、MEGALOVANIA→Bonetrousle→紅蓮の弓矢の繋ぎは本当に案が浮かばなくて悩んだ。
MEGALOVANIAの跳ねてるようで表拍にアクセントがあるリズムに合う曲が全く思い浮かばず、さらにシンプルな4つ打ちっぽくなるBonetrousleへの繋ぎは難題だった。
最終的には水面下ラプソディがバッチリハマって良い感じになったと思う。
『図書館で会った人だぜ』と『紅蓮の弓矢』のマッチングを思いついた時は合いすぎてニヤニヤしてしまった。

Flyers!!!に関しては最初に聴いたときからORANGE RANGEの『花』が頭にちらついて仕方がなかったので速攻で決まった。
多分5万番煎じくらいみんなやってるとおもう。

MIX関係

中心的に使用したMIXBOXについて

今回はMIXからマスタリングまで、主にIK Multimediaの「MIXBOX」というチャンネルストリップのプラグインを中心に編集を行った。
というより、これを使うために音源を用意したと言っても過言ではない。

MIXBOXは特殊なチャンネルストリップで、名機とされるスタジオ機材をモチーフにしたエフェクトを内部で8個まで自由に並べて使用できる。
EQやコンプの定番機器はもちろん、ディレイ等の空間系からギターアンプまで揃っている。
チャンネルストリップ自体の視覚的わかりにくさがあるので初心者にはオススメし辛いが、持っておけば色々と役に立つプラグインであることは間違いない。

私は以前からチャンネルストリップを好んで使用している。私の考えるチャンネルストリップの主なメリットは3点ある。
①EQ・コンプ・音量の設定を1画面で同時に把握、操作できる点
②プラグイン選びに時間を取られず、すぐに作業に入れる点
③適度に操作できる部分が少ないため、弄りすぎを防げる点
MIXBOXにおいては①の効果がかなり大きい。
個別プラグインの時のようにウインドウが散らばらないので、操作したいエフェクトがどれか一瞬で把握できる。
一方でエフェクトの種類も数も順番も自由に決められるせい(おかげ?)で②③のメリットは完全に失われてしまっている。
一般的なチャンネルストリップと比べると一長一短と言ったところか。

音は主張は控えめながらその機種に求められる仕事はしっかり果たしている印象。
通しただけで音が良く聴こえるような演出はないが、ちゃんと欲しい効果は出してくれる。ただEQの効きはどのタイプもしっくりこなかった。
個人的には今までシンプルなディレイやリバーブを持っていなかったのもあり、音の良さと操作の手軽さで空間系が気に入った。

MIXBOXの名の通り、MIXに使用するエフェクトはこのプラグイン1つで網羅できる。
一方でリミッターはあるものの音圧を上げる用途では使いづらく、20Hz-20kHzに対応したハイパスローパスフィルターが無いなど、マスタリングで使用するには少し物足りない構成。
今回はハイパスローパスは少し範囲が狭いが内蔵のNEVEモデリングEQのフィルターで妥協し、音圧調整は別のプラグインを使用した。

その他MIX関係

配布カラオケ音源がマスタリング済みのパツパツなものだったため、カラオケ音源自体にもEQをかけ、ボーカルが入る辺りの周波数を全体的にへこませて入る隙間を空けた。

MIX終了間際になってもどうもボーカルが浮いているように感じた。
ショートディレイを追加したことでとりあえず浮かなくはなったため妥協したが、対症療法と言った感じで根本的にどうすればよいかを見つける必要がある。

今回の目標ラウドネスは元音源やザイスさんの音源を(勝手に)調査して-7LFUSをターゲットにした。
前回のsongableでも元音源のラウドネスが-7LFUSだったことから、ニコニコメドレーはこの辺りが平均値なのかもしれない。
あるいはニコニコの音声エンコードの仕様か。

ちょっとだけコメ返しコーナー

雑記は以上ですが、おかげさまでいつもより多くのコメントをいただけましたので、いくつか拾ってコメ返しのようなことをしたいとおもいます。

・巻き舌草(Credens justitiamについて)

外国語っぽい滑舌は出来ないながら、なんとなく雰囲気が出せないかと試行錯誤した結果、私の中のエセイタリア人が目を覚ましてああなりました。

・ここの優しげな声いいなぁ(INDETERMINATE UNIVERSEについて)

これは自分でも良い感じに録れたと思いました。
ただ狙ってこう歌った訳ではなく、テイクを繰り返していたら乱数が良い感じに振れた感じなので、使える歌声にできるように再現性を上げていきたい。

・高音がきれい(グリーンライツ・セレナーデについて)

お褒めいただけてとてもうれしい。ですが実はここは一番歌いにくかった部分。
音程がちょうど歌いにくい微妙な高さをずっと維持していて、「この先の~」の部分で声がひっくり返ってしまい何テイクも録り直しています。
それでもきれいだと言っていただけるような出来でお出しできたので頑張ったかいがありました。
また同様に「ここ良い~!」コメントをいただけた『前前前世』も音程的にめちゃくちゃ歌いにくかったです。
歌い手本人の感覚・出ていく歌声・聞き手の感覚がそれぞれイコールで繋がらないのが歌の難しくも面白いところですね。少なくとも自分の納得できる形になるまでは妥協しないで頑張ろうと思います。

『あ』の持ち上げ方好き(夢色アスタリスクについて)

叫んで歌った部分の1文字目ですね。
自分ではあの歌い方の入口はどうしても乱暴になってしまうことが悩みの1つなんですが、好意的に捉えてくれる方もいると思うと少し気が楽になります。
歌の表現として持っている手札が多い方ではないので、数少ない選択肢をせっかくなら活かせるようにしていきたいですね。


以上となります。
今回は雑記ということで、特に推敲もせず、思うがままに書き散らかしてしまいましたが……6500文字は雑記の文章量じゃないな。
毎度このような長い文章を読んでいただいている方には頭が上がりません。なにか面白く感じるところがあればうれしいです。

さて次回の投稿は今度こそ「ローエンド機材の選び方 マイク編」になると思います。
Re:Diveの動画製作のためにこちらが少し更新が止まっていましたが、スキマ時間に少しずつ書いていたので半分くらいは既に書き溜まっています。
機材選びの一番面白い部分だと思うので、なるべく早く書き上げて投稿したいと思います。

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