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『Nightout Chat』というポッドキャストを始めます

「名は体を表す」と言うけれど、複数の名がある場合はどれがそれそのものを表すんだろうね。

「えんさん」「エンマミ」「まどかちゃん」「キリさん」「28番」。どれもがここ5年で私を言い表してきた呼称だった。数々の名前を使い分けながら私がやっていたことは、同じくいくつもの呼称を使い分ける女性たちの取材。いわゆる「裏アカ」「ハプバー」「SM」界隈といった(基本的に)金銭のやりとりなしで、性的な欲望を満たす活動をしている人たちの話を聞いていた。

なぜ行っ(ている)たのか。そんなことここで説明するわけないじゃん。

ただそうした人たちの側にいて、時に自他の腹を抉るような、時に祈りのようなつぶやきを掬いあげる中で、私は幾度もの「生きなおし」を目の当たりにしてきたんだと思う。

親からの暴力、過干渉、ネグレクト。
恋人からのDV、束縛、モラルハラスメント、偏見、差別。
希薄か濃すぎる友人関係。悪意のないヘイトスピーチ。

いつの時代も当たり前だった「親密でありたいと願う人からの支配や暴力」は令和でも健在で、理不尽/不必要に自尊感情を削られる経験をする人は後を経たない。

ある経験を話してくれた人は「どうでもいいと思っていた人とのSMプレイ」を通して自分の内側の痛みに気づき「やっと傷つくことができた」と話した。自分の中身がわからない状態では、そこにあったはずの痛みを知ることもできない。でも自分を省みる行為はある一定の条件が揃わないと本人にかかる負担が大きすぎてうまくいかなかったりする。

「あなたの欲望を教えて」

今でも仲の良い、よくご飯に行く女性と初めて会った時に言われたことが頭から離れない。何かを欲望することは、自分が損なわれている状況の人には難しい。できたとしても大体ズレている。彼女は遊び相手を決める時に必ずこの質問をして、答えられた人とだけプレイをするという。

『Nightout Chat』では多様な性を嗜む人との雑談を通して、それぞれの欲望のあり方、取り戻し方を聞いていくことになるのだと思う。全員がうっすらと病んでいるこの世界をうまくかわしつつ遊ぶ人たちを紹介します。

あなたの話も聞かせてね。

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