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民主主義と衆愚の狭間(舛添氏辞職&参院選公示記念)

ということで、舛添氏は辞職するし、参院選公示されるし、イギリスはEU離脱するし、都知事の候補はいろいろ言われつつ後出し有利みたいではっきりしないし。。。
とりあえず、政治ネタがそこそこ熱い夏なんですかね。

EU離脱がらみと、私の勝手な未来予測については前回書いたのでそちらをどうぞ。

▶︎舛添氏の辞職後のこと

で、今度は辞めたら辞めたで、いろいろ不適切と言われてきたことが解明されなくなるだの、そもそも違法でないことにあんなに袋叩きにするのは、単なるイジメにすぎないのではないか、とか喧しい。。。ほんとにみんな飽きないねぇw

そういう報道で盛り上げたくせにともいえるし、それを聞いてやっぱ辞めるのが普通だよなあとか思ってた人だって山ほどいるでしょうにね。まあいえば、**イギリスのEU離脱でも、投票で決まってみれば、離脱するってそういうことだったの?!って今頃気づいている人も結構いたりするのと似たようなもんか。
将来、もし日本で憲法改正の発議がされて、その是非が国民投票になったら、やはり改正するってこうだったの?って後から気づく人が山ほど発生するだろうから、そういう点では人間は洋の東西を問わないのでないかな?w **

以前、日本人にはノブレスオブリージュがあるのか、という話を、この問題と絡めて書きましたが、舛添氏の辞職騒ぎの後の都議員のリオ視察の浪費ぶりと、これまた皆に指弾された騒動を見れば、昨今の政治家ならぬ政治屋な人々はとてもそんなものを考えて、他人の非行を非難してるわけでも行動しているわけではなさそうです。

▶︎参院選も始まりましたが、反自民は勝てそうにないよね

参院選も公示されて、各党首がいろいろ言ってます。で、反自民の野党は、2/3の議席を自民に取られて改憲発議されないように、ということが強めに出てますが、正直、選挙戦略として有効なのか私には疑問です。

世間のアンケートの結果を信じるなら、有権者の関心は経済の先行きや社会保障問題への関心が高く憲法も原発も二の次、三の次です。もちろん、そのことが日本の未来に重要な問題だとは私は思うし、その問題にやたら力こぶが入っている人なんか結構ネットには見かけます。でも、反自民勢力としては2/3を取らさないためには自分たちが議席を取らないといけないわけで、その時に有権者が今、あまり大きな関心を持ってないことを、公示から投票の間に強く関心を持たせるなんて無茶ではないでしょうか?今までに十分意識付けられていたならまだしも。

重要な問題だということと、それを焦点にした方が勝てるか、というのは別問題なのにどうして混ざっちゃうのかな?という感じ。
改憲させてはいけません、を前面出しても有権者はへーそーってなもので、逆に野党には入れてくれないと思うのですが。それよりは、それこそアベノミクスの問題点や社会保障問題の解決策などで戦った方がいいのにと思うのですが。。。どうして、そんな単純なことに気がつかないのかな、、、不思議です。
せめて世論調査で野党が不利だとわかってからでも路線は変更していただきたいものです。

▶︎政治勢力のバランスは拮抗してた方が良い理由

私は保守と革新が拮抗してないと社会は実は安定も前にも進まないんじゃないかと思っています。どんな良さそうでも、そこに大きく偏るのはそれによるリスクを抱えると思っているから。そして拮抗していれば常に相手を見てどうするか配慮しつつ進むので、その方が細かな調節が効くとも思うから。

一方的に勝つと好き勝手ができてしまう上に、何かあったときにダメージがでかいのです。。
まぁいえば、生物学的に多様性が確保されてないと、ウィルスがやってきたら、一挙に全部が根絶やしになっちゃうようなイメージ
極端なシミュレーションをしてみれば、ものすごく理想的な平和主義の国が形成されたとしても、ごくわずかの暴力を辞さない勢力が発生(それが外であれ内であれ)して力を振るったら、多数であったはずの平和主義が倒されるリスクがあるようなものだと考えます。

今回のイギリスのEU離脱の判断にしても、多数決として離脱の判断は尊重されるだろうけど、だからといってまっしぐらにそっちに走れるわけではない。EUとの交渉もあるし、国内のすでにたくさんいる移民の将来に対する配慮もあるし、慎重にうまく離脱しなくてはいけないはず、そういう配慮が常にかかるのが多数決における拮抗だし、民主主義だと思うんですがどうでしょう。これが僅差でも勝ったら俺たちのもの!みたいに行動するようになったら、それこそが民主主義の危機だと言えるでしょう。

私が拮抗することが大事だなといつもおもうモデルケースはフランスの大統領選挙です
フランスの大統領選挙は常に左派と右派
拮抗します。シラクとルペンの決戦になった時を除き、この40年間の大統領選挙はもっとも大差で54%対46%。その意味ではアメリカの二大政党制よりよほどうまく保守と革新が機能して、常に国民がそれをバランスよく選択している国です。(まぁ、ねじれが起こって何も決まらなくなったりすることもあるけども)
個人的には日本もこういう拮抗が起こればいいのにと思ってるのです、社会党が大勝した時にそうできかけたのに政権に色気を出してつぶれてダメになっちゃったのは残念というか、もうすっごい歴史的責任が大きいと思ってます。

政権側と非政権側が常に6対4以内の差で拮抗しつつ、多様性もあるというのがベストなんだけどねぇ。。。そうはなかなかならないというか、民主党もあの体たらくだったせいで、ますますその望みが小さくなってるのは残念。(民主党及び民進党は自民党の亜流にすぎないので、それよりもっと問題がなんだけどね)

とにかく多様性があることが大事だと有権者が意識すればいいんだけど、きっとみんなの意見が揃ってる方がいいっておもいがちなんだよね。同じ方向向きたがるというか、、、それが一番の日本のリスクだってことを学んでいるはずなのにねぇ。

▶︎(おまけ)政治家になるとなぜ悪相になるのか?

余談ですが、以前から思うことに、タレントや文化人と呼ばれる人々が、政治家になると大抵面相が悪くなるなぁ、ってのがあります。そう思いません?
やはり、よほど政治という世界は毒素いっぱいなんだろうか、という気がしてしまうのですが。
これと類する発言は実は瀬戸内寂聴氏が高橋源一郎、山田詠美両氏との鼎談で言っていて、まさにその通りだよね、と思うのです。

「(石原慎太郎氏が)政治をいっぺんやめたことがあるじゃないですか。それから一ヶ月くらいして会ったら、ほんとに昔のとてもいい顔になってたの。「あ、慎太郎さん、器量がよくなったね。やっぱりあなたは政治をやらないほうがいいわ、文学に戻りましょう」と言ったんですよ。(中略)でも、しばらくしてまた政治に戻った。会ったら、また器量が落ちている(笑)」

(さらに余談ですが、この鼎談が入っている「顰蹙文学カフェ」は大変面白い本です。高橋源一郎、山田詠美両氏がホスト、ホステスとして5名の文学者、島田雅彦、中原昌也、車谷長吉、古井由吉、瀬戸内寂聴の各氏と文学、自作について鼎談するのですが、どれも超面白い。特に中原、車谷氏のなんておかしすぎる、、、のでオススメです)

おまけでした。。。

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