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気になるバイク『bimota KB4』

1978年製作のKB1、81年のKB2、83年のKB3に次いで、カワサキのパワーユニットを用いた4作目のビモータである。

▲名古屋モーターサイクルショーにて撮影

KB4を通じてビモータが果たしたい目的は、「乗り易く、トルクフルで、軽いバイク」の実現。

そしてこの目的達成のための目標が、「ライダーとバイクの関係性を密にすること」だ。

ライダーとバイクの間に介在するフィルターをなるべく無くし、ライダーの意図に限りなく忠実なドライバビリティを車体に持たせることで、乗りやすさを獲得しようという考えである。

無論、フィルターを無くしていく作業は、そのまま軽量化が進むことにもなる。

そしてトルクがあるというのは、広い回転域で力強さを発揮するという意味で、さまざまな速度域、さまざまな走行シーンにおいて信頼感のある走りを提供するということを指しているものと思われる。

乗りやすさを得るための具体的な方策のひとつが、スイングアームの設計。

▲KB4のスイングアーム 。手間暇かかる削り出し製ならではの上質感が漂う

まず、アーム自体を軽量高剛性にするため、素材をアルミ、成型方法を削り出しとしている。

また、アームをフレームではなくエンジンに直接締結。

こうすることで、ライダーはタイヤやサスの動きをダイレクトに感じられるようになっている。

タイヤやサスの状況が分かりやすいため、ライダーもバイクに対して適切な入力が可能となり、結果的に乗りやすいということになる。

また、アルミと同時にカーボンも多用。

カウルなど外装パーツのほとんどをカーボン製とし、重量増を最小限に留める。

エンジンはカワサキのスポーツツアラー・Ninja1000SXの並列4気筒ユニットを採用。

▲NInja1000SX(2022)

Ninja1000SXは2011年に登場した初代Ninja1000から熟成されてきたモデルで、その素性の良さは折り紙付き。

エンジンも言わずもがな高い完成度で、ビモータのバイクにふさわしい上質なフィーリングをライダーに与えてくれる。

KB4は、ビモータの美的センスと、カワサキの技術力がマリアージュした貴重な1台だ。

価格は約440万円。

ビモータの香りとカワサキの技を同時に享受できることを考えると、この価格はリーズナブル(理に適っている)なのかもしれない。

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