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Ducati 450DESMO ~デスモエンジン黎明期を牽引したシングルスポーツ~

◇はじめに

ドゥカティといえば、「Lツイン」と呼ばれるL型2気筒エンジンが最大の特徴です。

しかしドゥカティには、“Lツインではない”名車もいくつか存在します。

今回はその“Lツインではないドゥカティ”のうちの1モデル『450DESMO(デスモ)』をピックアップします。


◇シングル・ドゥカティの集大成

デスモドロミック機構が採用された最初の市販量産車は、1968年に登場した『250マーク3デスモ』です。

450デスモはその兄弟機種として、69年にデビューしました。

250デスモとほぼ同時に出た『350デスモ』のエンジンを435.6ccまでボアアップし、結果的にドゥカティの単気筒車として最大の排気量をもつ車種となりました。

初期の頃の450デスモ(450マーク3デスモ)は、ボリューム感のある燃料タンクやタンデムライダーの着座スペースも広く確保されたシートなどが採用されており、ややツアラー寄りのスタイルでしたが、71年式以降になると細長いタンクやシングルシートなどが装備され、スポーティな雰囲気が一気に強くなりました。

ちなみに71・72年に登場した450デスモには独特の風合いを醸し出すシルバーフレーク塗装が施され、その佇まいから「シルバーショットガン」と呼ばれるようになりました。

このシルバーフレーク塗装は個性を強く引き立てており、450デスモに比類の無い特別感を与えています。

73年式および最終年式となる74年式では単色のイエローが採用され、シルバーショットガンほどの独自性は薄まりましたが、日本ではこのイエローの450デスモが人気を博し、日本のドゥカティファンを増やすのにひと役買うこととなりました。

450デスモはスポーツバイクとしての素性が優秀で、これをベースとして製作されたワークスレーサー車両はイタリア国内および国外のレースで他メーカーの多気筒マシン(2気筒や4気筒)とも互角に張り合う戦闘力を発揮しました。

当時は、単気筒で450デスモより速いマシンはいなかったと言われています。


◇おわりに

デスモドロミックエンジンがレースシーンのみならずストリートへも波及していく駆け出しの段階において、レース等で活躍し、その実力を世間へ広くアピールすることに成功した450デスモは、やはりドゥカティの名車と言わざるを得ません。

現在は残存数の少なさゆえ世界規模で見ても希少性が高く、日本においても商品化されている個体は200〜300万円以上のプレミア価格で取引されています。

今手に入れることができたなら、それはもうかなりの幸運といって差し支えありません。

450デスモを愛車として迎えられることはたいへん喜ばしいのですが、そんな幸運なオーナーさんにも注意してほしいことがあります。

ブレーキペダルとチェンジペダルが現代の一般的なバイクとは反対(右足でチェンジ/左足でブレーキ)なので、くれぐれも急ブレーキや急シフトダウン(?)にならないようにしてくださいね!

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